株式会社KDDIテクノロジーが開発した自動同時通訳技術を組み込んだ遠隔作業支援システムの実証実験が行われました。
このシステムは、メガネ型のウエアラブル端末「スマートグラス」を身につけ、遠隔から現場での作業を支援しようと開発されたもの。システムには自動同時通訳技術が搭載されていて、作業をしながら同時通訳を介したコミュニケーションを実現するといいます。
「総務省委託・多言語翻訳技術高度化推進コンソーシアム」参画企業による取り組みのひとつで、このデバイスならびにシステムを活用することで農業での人材不足を解消しようという試みです。
総務省によるITインフラ事業
2020年3月に総務省が公表した「グローバルコミュニケーション計画2025」を推進するべく、「総務省委託・多言語翻訳技術高度化推進コンソーシアム」が同年に設立。
現在のAI音声通訳の技術は、話し手と通訳者が交互に話す「逐次通訳」レベルだとして、会話を止めたり区切ったりせずに翻訳する「同時通訳」に匹敵するレベルまで高度化し、ビジネスなどの場面での利・活用を目指すといいます。
同コンソーシアムは、凸版印刷株式会社(TOPPANグループ)・国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)・マインドワード株式会社・株式会社インターグループ・ヤマハ株式会社・フェアリーデバイセズ株式会社の6者に加えて、社会実証団体として東日本電信電話株式会社(NTT東日本)・ソースネクスト株式会社・株式会社KDDIテクノロジーの3社が参画しています。
NICT|自動『同時通訳』技術の研究開発コンソーシアムを設立
AI同時通訳を介したコミュニケーション
スマートグラス(デバイス)・アプリケーションの開発者であるKDDIテクノロジー社とNTT東日本、TOPPAN株式会社の3者による実証実験が、山梨県南アルプス市のぶどう農園で行われました。
ベテラン従事者などが遠隔から指導できること、自動同時通訳機能により外国人雇用における言葉の問題解決に役立てられることが、このデバイス/システムの特長です。
実験は、農作業に従事する外国人作業員と日本人指示者を対象に行われ、マニュアルを確認しながら各々で遠隔作業支援システムのセットアップを行うところからスタート。
指示者と作業者が遠隔で、必要に応じてAI同時通訳を介しながらコミュニケーションをとり、遠隔から作業を支援するシーンでシステムが機能したことを確認したと伝えられています。
<参照>
KDDIテクノロジー、スマートグラスを用いた自動同時通訳機能付き遠隔作業支援システムの実証実験を実施
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