医薬品の開発や販売などを行うノバルティス ファーマ株式会社は、20~40代の男女2,000人(それぞれ1,000人)を対象に「花粉症が与える業務パフォーマンスへの影響度」についてアンケート調査を行いました。
調査の結果、7割以上の回答者が、花粉症の影響で仕事効率は6~7割以下になると回答しています。
政府でも花粉症対策に乗り出す現状
岸田文雄首相は花粉症について、「いまだ多くの国民を悩ませ続けている社会問題といえる」として、「花粉症に関する関係閣僚会議」を開き、政府一体で対策の強化に乗り出しています。
10月11日(水)にとりまとめられた「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」では、スギ人工林の伐採・植替えなどの加速化、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉が飛散する時期が来る前に、関係学会と連携して診療ガイドラインを改訂することなどがまとめられています。
重症者の割合が圧倒的
同社がまとめた調査結果によると、2023年春の症状としては、最重症相当が52.4%、重症相当が27.2%。合計すると「重症花粉症」に分類される人が79.7%にも上りました。
症状の重症度は、「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」「1日に鼻をかむ平均回数」「鼻づまりの程度」によって判定します。
「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」または「1日に鼻をかむ平均回数」が11~20回よりも多い、または「鼻閉が非常に強く口呼吸が1日のうちかなりの時間がある」と、重症花粉症だと認めているそうです。
この調査では、1日に21回以上「くしゃみをする」が34.1%、「鼻をかむ」が38.5%という回答が集まりました。
花粉症で外出が憂鬱(ゆううつ)に
花粉症の症状は、人によって多かれ少なかれ悪影響を与えるもの。
調査によると、症状が出ているときの自分の仕事効率が6~7割以下という人が72.4%となり、特に低下につながる症状として最も多かったのは、鼻汁(60.6%)でした(複数回答あり)。
そのほかにも、身体のだるさ(51.5%)・鼻づまり(51.0%)・睡眠不足(50.8%)・頭痛(50.4%)と典型的な花粉症の症状が並びます。
花粉症のせいで、出勤するために家を出るときに憂鬱になるという人は81.1%、辛くて仕事の手を抜いてしまうことがあるという人が54.0%という結果も出ました。
対策は不十分?
96.5%もの人が自身で何らかの花粉症対策をしているものの、それでは「十分ではない」との回答が過半数(52.3%)に達しています。
対策にお金がかかることを嫌だと感じる人も多く、職場に対応を求める回答が67.5%にも上りました。ただ、45.7%の企業で花粉症対策は行われてないようです。
職場で今後取り組んでほしい対策として最も多かったののは43.3%で「治療費の補助」でしたが、現状「取り組みがある」という回答は15.6%にとどまりました。
「花粉が飛び始める前に対策を」
今回行われた調査の設計に携わった国際医療福祉大学大学院の岡野光博教授(耳鼻咽喉科学)は、企業からの支援を受けられる人は、それも活用しながら「花粉が飛び始める前の年始から2月初旬くらいにはかかりつけ医と相談し、早めの対策を心がけてもらえればと思います」とコメントしています。
<参照元>
ノバルティス、花粉症が与える業務パフォーマンスへの影響度調査を実施
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