厚生労働省は12月8日、2023年10月分の「毎月勤労統計調査」の結果を発表。給与は2022年の同月比で1.5%上がったものの、物価の影響を踏まえて算出した実質的な賃金は2.3%のマイナスとなりました。
マイナスは、1年7カ月連続となります。
毎月勤労統計調査とは
毎月勤労統計調査とは、賃金や労働時間、雇用の変動を明らかにすることを目的に、厚生労働省が行っている調査です。
厚生労働省が無作為に選んだ全国約33,000の事業所に対して、事業内容や常用労働者数(正社員やパート・アルバイト、嘱託・契約社員などの人数)、異動状況、出勤日数、実労働時間数、現金給与額を聞き取り、作成しています。
物価高が背景に
調査結果によると、現金給与の総額は、1人当たり平均で279,172円(1.5%増)となりました。そのうち、一般労働者が363,226円(1.6%増)、パートタイム労働者が103,132円(3.2%増)となっています。
ただ、労働者が実際に受け取った給与から、物価変動の影響を差し引いて算出した「実質賃金」は、2.3%マイナスとなりました。
ロシアのウクライナ侵略による世界的な原材料価格の上昇に加えて、円安の影響などから、多くの食品やサービスなどで“値上げラッシュ”が続いており、給与が上がっても労働者の生活に負担がのしかかっているようです。
労働時間は?
また、所定内労働時間と所定外労働時間(残業や休日出勤でかかった実労働時間)を合わせた「総実労働時間」は、1人当たり138.2時間となりました。
前年同月比0.7%のプラスですが、2022年10月と比べて平日が1日多かったことが背景にあるようです。
<参照>
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