SQLの知識をつけるために、資格の取得を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。資格にはそれぞれ難易度や出題範囲があり、自分のレベルや目的に合った資格を選び勉強することで、効率よくスキルアップ・キャリアアップができます。
本記事ではSQLの知識を体系的に身に着けられる資格と、その難易度や必要な勉強時間の目安をまとめて紹介。初心者向けの資格や転職活動で役立つ資格も紹介します。
- SQLのおすすめ資格の難易度と勉強時間を紹介
- SQL資格を取るメリット
- SQL資格の取得を目指すうえでの注意点
SQLのおすすめ資格の難易度・勉強時間
ではさっそく、SQLのおすすめ資格と、その難易度や必要な勉強時間を紹介します。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERはOracle DatabaseのベンダーであるOracle社による資格です。世界的に有名なベンダーの資格であるため取得のメリットは大きいでしょう。資格には次のように種類があり、自分のロール(職種・役割)に合ったものを選べます。
資格名 | ロール | 証明できるスキル |
ORACLE MASTER Platinum DBA | データベースエキスパート | ミッション・クリティカルなシステムにおいて最適な設計・構築・運用を行うスキル |
ORACLE MASTER Gold DBA | データベース管理者 | バックアップ・リカバリ・ マルチテナント・アーキテクチャ インストール・アップグレード 18c、19c新機能概要 |
ORACLE MASTER Silver DBA | 運用担当者 | SQLの基礎知識 データベースの運用管理 |
ORACLE MASTER Bronze DBA | ITエンジニア | データベースの基礎知識 |
ORACLE MASTER Silver SQL | 開発者 データアナリスト | SQLの知識全般 |
参考(公式サイト):ORACLE MASTER Portal - be an ORACLE MASTER - | オラクル認定資格制度 | Oracle University
ORACLE MASTERの難易度や必要な勉強時間
ORACLE MASTERの資格には4つのレベルがあります。必要な勉強時間はどの試験を受けるか、これまで積んできた経験により異なります。必要な勉強時間は人により大きく異なりますが、次の表を参考に、自分に合ったレベルを選ぶといいでしょう。
難易度 | 難易度の目安 |
Bronze | 勉強時間の目安:1週間ほど |
Silver | 実務経験6ヵ月ほど |
Gold | 実務経験2~3年ほど |
Platinum | 実務経験5年ほど |
Azure Database Administrator Associate
Azure Database Administrator AssociateはMicrosoft社による資格で、データベースソリューション構築に関する専門知識を測ります。オンプレミスのSQLサーバーやAzureSQLサービスに関する知識をもち、データベース管理者として活躍できることを証明します。
参考(公式サイト):Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate - Certifications | Microsoft Learn
Azure Database Administrator Associateの難易度や必要な勉強時間
Azure Database Administrator Associateは3つあるMicrosoftの認定資格のうち、中級に位置する資格です。6ヵ月以上の実務経験がある人を対象にした資格で、そのうえで必要な勉強時間は40~60時間が目安といわれています。
OSS-DB技術者認定資格
OSS-DB技術者認定資格はオープンソースデータベース(OSS-DB)に関するスキルを証明する資格です。OSS-DBの中でも商用データベースとの連携に優れ、さまざまな場面で活用されている「PostgreSQL」を基準のRDBMSとして採用しています。
参考(公式サイト):OSS-DB技術者認定資格トップページ
OSS-DB技術者認定資格の難易度や必要な勉強時間
OSS-DB技術者認定資格には2つのレベルがあり、それぞれの出題構成や難易度は次の通りです。
資格名 | 出題構成 | 勉強時間の目安 |
OSS-DB Gold | 運用管理 性能監視 パフォーマンスチューニング 障害対応 | 100時間ほど |
OSS-DB Silver | 一般知識 運用管理 開発・SQL | ~50時間ほど |
目的別のおすすめSQL資格
次に、初心者の基礎学習や転職で武器になる資格など、目的別におすすめのSQL資格を紹介します。
初心者におすすめの「OSS-DB Silver」
初心者には先述した「OSS-DB技術者認定資格」の「OSS-DB Silver」がおすすめです。「ORACLE MASTER」の初級資格よりも難易度が低く、ORACLEデータベースに特化した資格ではないため汎用性も高いです。
ただし、「ORACLEデータベースについて学びたい」「ORACLEをメインに使っていく」という場合は、「ORACLE MASTER Silver SQL」や「「ORACLE MASTER Silver DBA」を選ぶといいでしょう。
参考(公式サイト):OSS-DB Silverのご紹介(Ver.3.0)
転職で武器になる「データベーススペシャリスト試験」
参考(公式サイト):データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
転職におすすめのSQL資格といえば、「データベーススペシャリスト検定」です。SQLに特化した資格ではありませんが、データベースに関する幅広い知識とスキルがあることを証明できるため、汎用性が高いです。国家資格であることも、転職に有利に働くでしょう。
ただ、出題範囲の広さや各領域の深い知識が求められることなど、難易度は高いです。同じく国家資格の「基本情報技術者」「応用情報技術者」なども転職を検討するならおすすめの資格です。
SQLの資格を取得する3つのメリット
「SQLは使えたらいいから、資格は必要ないのでは?」と思う人もいらっしゃるかもしれません。そこで次に、SQLの資格を取得するメリットについて紹介します。これらのメリットはSQL資格やデータベースエンジニアだけでなく、資格全般に広くいえることです。
- メリット1.目標を決めて効率よく勉強できる
- メリット2.転職・営業活動で武器になる
- メリット3.キャリア・年収アップにつながることも
メリット1.目標を決めて効率よく勉強できる
SQL資格を取る1つ目のメリットは「目標を決めて効率よく勉強できる」ことです。
初めて学習する分野では、「何から学べばいいのかわからない」「何がわからないのかがわからない」といったことも多いのではないでしょうか。資格の学習をするためのテキストは、特定の分野が体系的にまとまっているので、必要な内容を効率的に学んでいけます。
また、資格受験の日にちが決まっていることにより、目標を持って学習を進めることができるでしょう。資格の取得を目標とすることにより、モチベーションが維持できるのもメリットだといえます。
メリット2.転職・営業活動で武器になる
SQL資格を取る2つ目のメリットは「転職・営業活動で武器になる」ことです。
資格があれば、自らのスキルや知識を客観的に証明できます。データ分析は実務経験や実績が重視される分野ですが、実務未経験でこれらを示せないこともあるでしょう。採用担当者が非エンジニアの場合も多く、実績だけではスキルを伝えづらいこともあります。
客観的な指標として資格を取っておけば、転職活動やフリーランスとしての営業活動をスムーズに進められるでしょう。
メリット3.キャリア・年収アップにつながることも
SQL資格を取る3つ目のメリットは「キャリア・年収アップにつながりやすい」ことです。
企業に就職する場合、資格保持者に対して資格手当が出ることがあります。資格手当がなくとも、人事異動や評価の際に資格が有利に働くこともあります。先述の「転職・営業活動で武器になる」というメリットもあり、資格があれば実務経験も積みやすくなり、キャリアの幅が広がるでしょう。
SQL資格の取得を目指すうえでの注意点
「SQLの資格取得を目指してみたい」という方に向けて、最後に、SQL資格を取得する前に注意しておいてほしい3つのことを紹介します。
- 自分に合う難易度の資格を選ぶ
- SQLだけでなく、データベース全般の知識も学ぶ
- 資格取得は手段であって目的ではない
自分に合う難易度の資格を選ぶ
まずは資格取得の目的や今の自分のレベルを踏まえ、取るべき資格、現実的に学習を無理なく進められる資格を洗い出しましょう。資格試験を受けるにはお金がかかります。今の自分にとって難しすぎる資格を選んでも、勉強用のテキストに書いてあることがなかなか理解できないかもしれません。
上級レベルのものを選び挫折してしまうよりも、無理なく楽しんで学習を進められるものを選び、確実に学んでいくことが重要です。
SQLだけでなく、データベース全般の知識も学ぶ
資格の中にはSQLだけでなく、データベース全般の知識が求められるものもあります。データベースエンジニアとしてある程度の実務経験があることを前提に作られている資格試験も多いです。特にデータベーススペシャリスト試験では広範な知識が求められます。
SQLを実務で使えるようにするためには、データベース全般についての理解も重要になります。同時に学んでいくことで、SQLに関する知識も身に着けやすくなるでしょう。
資格取得は手段であって目的ではない
資格取得はあくまで手段であり、目的ではありません。「資格勉強を通して必要な知識を効率よく身に着けよう」「今の自分は実績が少なく転職活動が不安だから、資格を取ってカバーしよう」というように、資格取得の目的をはっきりさせましょう。
SQLの資格取得を通してキャリアの幅を広げよう
- SQLの基礎学習には「OSS-DB Silver」がおすすめ
- 転職や営業活動で武器にするなら「データベーススペシャリスト試験」がおすすめ
- 今の自分のレベルや目的に合った資格を選び、効率よくスキルアップしよう
SQLの資格にはさまざまな種類があり、取るべき資格は人により異なります。ORACLEやMicrosoft Azureなど使いたいデータベースが決まっているなら、各ベンダーによる資格がおすすめです。転職・営業活動で広く武器にしたいというなら、まずは「データベーススペシャリスト試験」を目指すといいでしょう。
このように、資格取得では目的をはっきりさせておくことが大切です。そのうえで今の自分のレベルに合った資格を選び、効率よくスキルアップ・キャリアアップを目指しましょう。
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