ユネスコ世界遺産に登録された熊野古道。コロナ禍を経て急増した海外訪日客にとって人気の観光地となっており、多くの人が訪れています。
ただ、全国的に寺院は消滅の危機を迎えており、熊野古道にある寺院も例外ではありません。
起業家への事業開発支援などを行う株式会社ガイアックス(以下、ガイアックス)、寺社や企業向けのコンサルティングサービスなどを展開する株式会社シェアウィング(以下、シェアウイング)らは6月、熊野古道大辺路寺院再生委員会を発足。寺院再生に向けた取り組みを進めています。
寺院が維持できない現状
少子高齢化によって寺院の維持が難しくなり、住職がいない寺を示す「無住寺院」。その数は、全国で2万にも上るそうです。
同委員会によると、世界遺産である熊野古道の大辺路ルートにも、16以上の無住寺院があり、地域の歴史や文化的価値の高い寺院が消滅の危機にあるといいます。
参照|鵜飼秀徳著「寺院消滅」
無住寺院にサウナ!?
そんななか、無住寺院からの再生を果たした寺院があります。
その寺院は、熊野古道沿いにあり、開創1,200年の歴史を持つ大泰寺。2019年に1日2組まで泊まることができる宿坊として再生し、その後、3年で稼働率80%を超える人気宿坊となっています。この寺院再生には、シェアウイングが運営事業者として携わりました。
2023年現在では、座禅体験・お寺キャンプ・リバーサイドサウナなどのアクティビティや、RVパーク(*)など、お寺であることや環境・自然を活かしたコンテンツが国内外の観光客から人気を博しているそうです。
*RVパークとは、車中泊を目的とした人向けに作られた場所のこと。
【体験コンテンツ 座禅】
【体験コンテンツ お寺でキャンプ】
【体験コンテンツ リバーサイドサウナ】
世界中の遊休資産再生も視野に
委員会は6月の発足以降、これまでに地域体験や寺院視察ツアーなどを開催。12月には、東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドの社員で、総務省地域力創造アドバイザーとしても活動する豊田啓道氏も交えたシンポジウムも行いました。
2024年以降も同様に地域事業者と連携し、ツアー実施を検討しているとのことです。
ガイアックスは今後、熊野古道大辺路エリアだけにとどまらず、「全国や世界中にある遊休資産の再生に展開する可能性を視
<参照>
『新たな地方寺院再生と地域観光振興を考える、那智勝浦町歴史的資源活性化シンポジウム2023』を12月5日に開催
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