全日本空輸株式会社(以下、ANA)と日本航空株式会社(以下、JAL)は、2024年4月から空港内で航空機の到着・出発の際に地上で行うサポート業務(グランドハンドリング)の作業を行うために必要な資格の一部分を共通化することを発表。
これは、2023年6月に国土交通省より公表された「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を踏まえた取り組みであり、地方空港のグランドハンドリング事業者の人員体制を整えることを目的としています。
グランドハンドリング業務とは?
グランドハンドリング業務とは、飛行機が安全に、定刻通りに離着陸するために欠かせない地上支援を行います。
利用者への安定したサービスを提供するために不可欠であり、快適な空の旅をサポートする仕事のひとつ。
たとえば、貨物や手荷物の搬出や積み込み、航空機の誘導、さらには安全確保のために機内のパイロットと無線でやり取りをしながら無事に出発するまで見送る業務などが含まれるそうです。
共通化するメリット
今回は、グランドハンドリングの中でも、飛行機の地上移動や、貨物・手荷物を搭降載・搬送する業務である「ランプハンドリング作業」の資格を共通化します。
従来は、同じような作業・業務であっても、各航空会社ごとに業務資格が異なっていたため、それぞれの訓練を受ける必要がありました。
今回、作業資格がANA・JALの間で相互承認されることにより、業務従事者の訓練期間をこれまでよりも大幅に短縮することができるようになります。
10空港が対象
ANAとJALが業務委託しているグランドハンドリング事業者が同じ10空港(利尻・根室中標津・函館・秋田・仙台・新潟・岡山・徳島・高知・鹿児島)が対象です。
両社によると、資格共通化だけでなく、システム・端末・施設の共有化や人材の適正配置など、グランドハンドリング分野において、互いに協力をしていくそうです。
<参照>
持続可能な空港グランドハンドリングに向け、ANAとJALが共同で具体的な取り組みの検討を開始しました
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