株式会社帝国データバンクは、2023年10月18日~10月31日には全国2万7,052社(有効回答企業数は1万1,506社)を対象とし、人手不足を感じている企業の割合について調査しました。
なお、同社は雇用の過不足状況に関する調査を2006年5月から毎月実施しており、今回は2023年10月の結果を取りまとめ、公表しています。
半数以上の企業が正社員の人手不足を実感
全業種の従業員の過不足状況について、正社員が不足していると感じている企業は52.1%となり、前年同月比で1.0ポイント上昇しています。
10月としては、これまで最も高かった2018年(52.5%)に次ぐ高水準の記録です。
また、非正社員が不足していると感じている企業は30.9%となり、10月としては前年に続いて3割を上回りました。
「旅館・ホテル」の正社員不足が顕著に
正社員の人手不足割合を業種別にみると、「旅館・ホテル」が75.6%でもっとも高く、「円安の影響で訪日客数が回復している」(東京都)や「新型コロナが5類になり、人の動きが活発でリベンジ消費がみられる」(島根県)、「秋の紅葉シーズンに入り、集客が多い」(岩手県)などの声があり、インバウンドなど観光需要が活況だったことによって人手不足も顕著に表れたとみられています。
建設業と物流業に関しては、建設業では69.5%、物流業(道路貨物運送業)では68.4%の企業が正社員の人手不足を感じているという結果を示しました。
働き方改革関連法案によって、時間外労働の上限規制が適用されることで労働力不足の深刻化などを憂慮するいわゆる「2024年問題」を目前に控えた両業界。すでにおよそ7割の企業が正社員人材の不足を感じていることがわかりました。
非正社員不足がもっとも深刻なのは飲食店
非正社員の人手不足割合を業種別にみると、「飲食店」が82.0%で唯一8割を上回りました。
次いで、正社員では業種別でトップだった「旅館・ホテル」は73.5%と、非正社員でも2番目の高水準となっています。
また、人手不足の高まりによって派遣社員の需要が拡大していることから、「人材派遣・紹介」が64.2%という高い数値でした。
<参照>
正社員の人手不足は52.1% 「2024年問題」の建設/物流業では既に約7割に
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