日本赤十字社の血液事業は、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(血液法)」に基づき事業を運営しており、さまざまな施策やキャンペーンなどを実施することで、1年を通じて安定的に医療機関へ輸血用血液製剤を届けられるよう献血の推進に努めています。
今回、新型コロナウイルスによる影響はあったのか。また若者の献血者数について話を聞きました。
そもそも献血とは?
献血とは、病気の治療や手術などで輸血などを必要としている患者のために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティアのことを指します。
輸血に使用する血液は、まだ人工的に造ることができず、長期保存することもできないため献血が必要とのこと。2022年には、年間で約500万人、1日平均では約14,000人が献血したそうです。
気になる新型コロナウイルスの影響は?
献血血液の確保状況について問い合わせたところ、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2023年5月8日(月)から5類感染症に変更後、現在必要な献血血液の確保はできているとのこと。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主に都市部を中心とした企業でのテレワークの推進、学校でのオンライン授業導入などの影響を受けて、企業・団体献血の中止・延期、高校・大学献血の中止が相次ぎ、献血バスでの全血献血の確保が困難になる状況もあったといいます。
献血ルームでは、献血Web会員サービス「ラブラッド」での予約により、定期的に献血に協力する人がいるため、比較的に安定して成分献血を確保できている状況だそうです。
ちなみに、赤血球製剤(※2)は、献血バスの運行状況で、血漿製剤(※3)や血小板製剤(※4)は、主に献血ルームでの成分献血の確保状況が大きく影響するとのこと。
※2:赤血球製剤とは…血液から血漿、白血球および血小板の大部分を取り除いたもの。採血後28日間使用可能
※3:血漿製剤とは…血液から出血の防止に必要な各種の凝固因子が含まれる血漿を取り出したもので、品質を保持するために採取後-20℃以下で凍結されている。採血後1年間使用可能
※4:血小板製剤とは…成分採血装置を用いて血液の止血機能を持つ血小板を採取したもの。採血後4日間使用可能。
若者の献血者は年々減少中
同社の「令和4年度血液事業年度報」によると、若年層である10代から30代の献血者割合は、全国で10代が4.3%、20代が13.9%、30代が15.0%と、献血者全体の約33%となっています。また、男女別の献血者数についても同資料から、10代から30代でおおよそ男女比6:4とのこと。
さらに、2013年と2022年を比較すると、全国で約31%の献血者が減少しています。今後、日本の少子高齢化が進むと将来、献血血液の安定的な供給に支障をきたす恐れがあり、若い世代への献血の普及啓発がこれまで以上に重要であると同社は呼びかけています。
<参照元>
日本赤十字社公式webサイト
日本赤十字社「数値で見る血液事業」
笠井信輔アナウンサー講演 「献血セミナー」開催
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