就活を行っている学生からも人気の高い「マーケティング」という仕事。デジタルマーケティングの重要性が高まっている現在、どの企業も優れたマーケターを求めています。デジタル領域においては、今後もますます需要が高まるでしょう。
そんな「マーケティング」の仕事について解説。マーケティングの種類や主な仕事内容に加えて、企画・営業・広報など他の職種との違いについてもご紹介します。マーケティングの仕事が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- マーケティングの仕事の種類とは?
- マーケティングの主な仕事内容をご紹介
- マーケティングにはどんな人が向いている?
マーケティングの仕事の種類
一口にマーケティングと言っても、さまざまな種類があります。各手法で得られる効果が異なるほか、その時々によって主流となる手法も違います。
マーケティング職を目指すのであれば、マーケティングの種類とそれぞれの特徴は言葉で説明できるように把握しておきましょう。
オフラインマーケティング
「オフラインマーケティング」は、インターネットを使用しないマーケティング手法の総称です。テレビ・新聞・雑誌・チラシ・ダイレクトメール・電話・イベントなどの方法があります。
近年主流のデジタルマーケティングに比べて、オフラインマーケティングは特定のターゲットに対して情報を届けられるのが特徴です。特に、チラシやダイレクトメール、イベントは一般生活者に対して漏れなく情報を届けたい場合に適しています。
一方、テレビ・新聞・雑誌を活用したマーケティングは、一般生活者から信頼を得やすいのがメリットです。デジタルマーケティングが主流な現在もマーケティングの手法として一般的で、一定の効果を得られます。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングとは、インターネットを利用して行うマーケティング手法の総称です。大きく分けて、WebマーケティングとSNSマーケティングの2種類があります。混同されがちですが、それぞれの特徴と違いを正しく理解しておきましょう。
Webマーケティング
デジタルマーケティングのなかでも、Web上のサービスを利用したマーケティングを「Webマーケティング」と呼びます。サイトのSEO対策やリスティング広告などの運用、メルマガ配信、アフィリエイト施策などがあります。全ての情報を数値でデータ化でき、そのデータを分析し、製品の認知獲得施策に展開します。
SNSマーケティング
「SNSマーケティング」は、Instagram・X(旧Twitter)・Facebook・LINE・Tiktok・YoutubeなどのSNSサービスを利用したマーケティングです。SNSは一般生活者との距離が近いため、自社製品やサービスの情報を早く、そして広範囲に届けることができます。マーケティング手法のなかでも近年多く使われている方法です。
また、SNSを使ったマーケティングには、「インフルエンサー」を起用するインフルエンサーマーケティングと呼ばれる手法もあります。
海外マーケティング
「海外マーケティング」とは、自社製品やサービスが海外で売れる仕組みづくりのことを指します。国内市場で認知を獲得したブランドや企業が海外に進出する際に重要な役割を果たします。
海外マーケティングでよく使われている手法は、SNSマーケティング・動画マーケティング・リスティング広告・SEOなどがあげられます。国内で行うマーケティングと相違がないように思えますが、言語や文化の違いを理解したうえで行うことが非常に大切です。
マーケティングの主な仕事内容
一口にマーケティングと言っても、さまざまな仕事があります。所属する企業によっては関わりの少ない業務もありますが、一般的にどんな仕事内容になっているのかは知っておきましょう。
市場調査・分析
市場調査や分析は、マーケティングの仕事のなかでもメインとなる業務です。市場調査で集めた情報は売れる製品やサービスを作るための土台となる部分。分析結果は、売るための戦略づくりの土台となる部分です。
例えば、新たな飲料製品を作ろうとする場合、まずは飲料市場のデータやエリアごとの飲料の消費量のデータなど、必要な情報を収集します。消費者に対してアンケート調査を実施するのも、消費者の動向を知るためのひとつの方法です。
このようにさまざまな角度から調査を行い、その情報を分析して製品の企画や販売戦略に落とし込みます。
企画・商品開発
企画・商品開発は、市場調査や分析の結果を基に消費者のニーズに答える商品やサービスの企画を考える業務です。プロダクトのコンセプトを考え、実際に試作品を作りつつ売れる商品の企画・開発を行います。
商品開発や企画部署が別にある企業の場合は、マーケティング部署とデータを共有して進めることもあるでしょう。
商品やサービスの営業や販売促進
商品やサービスの営業や販売促進もマーケティングの仕事のひとつです。企業によっては営業を営業部門に分けていることもありますが、会社の中で営業部門がない場合は、マーケティング部門で営業を担当する場合もあります。流通経路の構築や供給体制づくりなどを行います。
販売促進は、キャンペーンやポップアップの実施などを担当します。商品やサービスの販売を促進する、さまざまな取り組みを企画・実施します。
広告・PR・宣伝
広告やPR、宣伝もマーケティング業務のひとつです。広告・PR戦略を考え、商品やサービスの認知を拡大するためにさまざまな宣伝を行います。
広告を出す媒体の検討も行います。テレビ・雑誌・Web媒体など、商品やサービスのコンセプトやイメージを考慮しつつ、その世界観をしっかりと表現できる媒体を選定します。イメージタレントのキャスティングについて検討するのもマーケティングの仕事のひとつです。
マーケティングと他の職種との違い
マーケティングは企画や広報、営業の職種と混同されやすい仕事ですが、厳密には役割や業務の目的が異なります。これらの職種との違いを理解しておきましょう。
企画との違い
マーケティングは、製品やサービスが売れる仕組みづくりを行う職種です。仕組みづくりを行う際に、製品の企画や開発に携わることはありますが、製品の戦略を策定するために必要な情報収集や販売計画の部分を主に担当します。
一方、企画はどんな製品を作るのかをメインに仕事を行います。マーケティング担当者が収集・分析した情報を基に、顧客のニーズを満たす製品やサービスの開発・改良の業務を主に担当します。
広報との違い
マーケティングがものが売れる仕組みづくりをする役割を担っているのに対して、広報は自社ブランディングを推進する役割を担っています。社内外へ自社の製品やサービスの情報を発信し、一般生活者への製品理解を促すことを目的に業務を行います。
広報は直接的に売上を伸ばす施策をするというよりかは、ステークホルダーとの良質な関係性を作ることを中心に業務をしているところに違いがあるといえるでしょう。
営業との違い
マーケティングと営業は混同されがちな職種ですが、役割はまったく異なります。マーケティングは市場に対して長期間アプローチを行い、製品が売れる仕組みを作る役割を担っています。
一方、営業は目の前の顧客に対してアプローチを行い、売上や利益の向上を目的に活動します。短期的・長期的な利益向上の施策を実施し、会社に貢献します。
マーケティングの仕事に向いている人の特徴
マーケティングは非常にやりがいのある仕事です。そのためマーケティング部門を希望する学生は多く、異業種から転職する社会人も多くいます。では、どんな人がマーケティングに向いているのでしょうか。マーケティングの仕事に向いている人の特徴をご紹介します。
流行に敏感で好奇心が旺盛
流行に敏感で好奇心が旺盛な人はマーケティングの仕事に向いています。マーケティングの手法はある程度決まっていますが、その時々のトレンドもあります。今はどんな手法が通じるのか、流行っているのか。マーケティングのトレンドに敏感で、知識を吸収していく好奇心旺盛な人はマーケティングの仕事に向いています。
市場の流行に対しても敏感である必要があります。マーケティングしたいプロダクトの関連商品ではどんな物が売れているのか、消費者がどんな物を好んでいるのかなどの情報収集も好きな人はマーケティングの仕事に向いているといえるでしょう。
分析やリサーチが得意
マーケティングの仕事は、市場や消費者の動向を分析したり、市場の流行をリサーチするのが主な業務です。そうした分析やリサーチが得意な人はマーケティングの仕事に向いていると言えます。
数値をただ分析するのではなく、そこから得られた情報を客観的かつ論理的に思考して言葉に落とし込むスキルも必要です。分析した結果をクライアントやプロジェクトメンバーにわかりやすく伝える能力も備えている人は、よりマーケティングに向いています。
チャレンジすることが好き
マーケティング手法はトレンドの移り変わりが早く、この前まで通じていたことでも少し状況が変われば成果が出なくなります。成果主義で成功体験に執着せず、どんどん新たな手法にチャレンジできるチャレンジ精神旺盛な人はマーケティングの仕事に向いています。
マーケティングの仕事のやりがい
マーケティングは大きなやりがいがある仕事です。
事業会社のマーケティングであれば、製品の企画開発からリリース、その後の市場での動きまで一貫して携わることができます。市場調査や分析から得たデータを基に市場の需要に合わせたプロダクトを開発し、それが多くの人に利用される様子を見られることがやりがいです。
マーケティング支援会社や広告代理店のマーケティングであれば、さまざまな企業のプロダクトのマーケティング業務に携われることがやりがいです。クライアントごとにマーケティングに対する姿勢や考え方が異なるほか、製品やサービスごとに適したマーケティング手法も異なります。
また、結果が数値として見えるのもやりがいを感じやすいポイントです。
クライアントワークを通して経験値が上がり、マーケターとしての対応力が培われます。自身の引き出しも増え、マーケターとしての成長を感じながら社会に対して影響のある仕事に携われることがやりがいとなります。
マーケティングの仕事の年収の目安
マーケティングの仕事の年収は、企業によってさまざまですが平均は530万円前後です。年収のレンジは幅広く、300万円台から800万円台までの企業まで存在します。令和3年度の日本の平均給与が443万円であることを考えると、マーケティングの仕事の平均年収は高めと言えます。
マーケティングの仕事を未経験から行う方法
マーケティングの仕事は未経験からでも可能です。事業会社とマーケティング支援会社・広告代理店で未経験から始める場合のポイントをそれぞれ解説します。
事業会社に就職する場合
事業会社に就職する場合、未経験ですぐにマーケティング部門に配属される可能性はやや低いと言えるでしょう。
事業会社のマーケティング担当者は市場調査から企画開発、流通まで一貫して携わります。市場や顧客に関する知識や理解が必要とされるため、まずは自社製品について理解するため営業部門に配属されることがほとんどです。
それでも未経験でマーケティングの仕事に就きたい場合は、マーケティングに関する幅広い知識を持ち、データ解析や統計に強い人材であることをアピールする必要があります。就職前の段階でマーケティングの基礎が身に付いていることが大切です。
マーケティング支援会社・広告代理店に就職する場合
マーケティング支援会社や広告代理店に就職する場合は、事業会社に比べて未経験でもマーケティング部門に配属される可能性が大いにあります。
マーケティング支援会社や広告代理店では、クライアントのマーケティング戦略から実務の部分までを担当します。プロダクト開発に必要な市場や関連製品に関する知識が不要で、マーケティングに特化していることが求められます。
入社してすぐにマーケティング業務に携わりたい場合は、マーケティング支援会社や広告代理店がおすすめです。
マーケティングの仕事に役立つ資格
マーケティングの仕事をするのに必要な資格はありませんが、マーケティングの知識を体系的に学ぶのに資格取得を目指すのはおすすめです。
代表的な資格としては、マーケティング検定やマーケティング・ビジネス検定、ネットマーケティング検定などがあります。
マーケティングはデータを分析することが主な仕事なので、WEBアナリスト検定やGoogle Analytics Individual Qualification、データ解析士などのデータ解析のスキル習得に役立つ資格もおすすめです。
これらの資格はマーケティング業務を円滑に進めるうえでの基礎的な知識を身につけるのに役立ちます。実務で学べることに加えて資格の取得勉強を行うことで、マーケターとして成長できます。
マーケティング資格17選を種類や難易度別におすすめを紹介!「マーケターに資格はいらない論」についても解説
マーケティングの概念、手法などを理解した後は、得たデータを分析するための技術も磨くことで実務で活かせるようになるでしょう。
マーケターとして何を達成したいのか考えてみよう
- マーケティングは商品の企画・開発から販売まで売れる仕組みづくりを行う仕事
- 未経験でも就職できるが、マーケティングの基礎知識は必要
- マーケティングは高収入を狙える職業のひとつ
マーケティングは今後も需要が高い仕事のひとつです。経験があり、分析できるスキルも備えていると、どの企業でも活躍できます。だからこそ大切なのが、マーケターとして何を達成したいと考えているのかということです。
マーケティングの種類や具体的な仕事内容を基に、どのようなマーケターになりたいのかを考えて、自分のキャリアを検討してみてはいかがでしょうか。
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