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面接官ガチャをなくす? 学生が1次面接官を選べる「選べる面接官」制度をスタート【ナイル株式会社】

我妻歩実

2023/11/01(最終更新日:2023/11/08)


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マーケティング・自動車産業のDX事業を営むナイル株式会社は、「選べる面接官」制度をスタートしました。本制度は、2025年卒向けの本選考から開始し、2023年10月〜2024年4月頃までの新卒採用面接において実施します。

「選べる面接官」とは?

「選べる面接官」とは、同社の2025年卒新卒採用において、一次面接官を学生が選び選考を進める制度です。面接実施までの流れとしては、一次面接調整になった学生が、約20人ほどの面接官が掲載されたサイトを見て、希望する面接官(社員)を5人ほどピックアップ。

同社が選ばれた5人から面接官を決定し、日程と面接官を学生に共有します。

上記画像は、実際に面接官が掲載されたサイトの様子です。面接官のプロフィールには、経歴や仕事のやりがい、学生時代に取り組んだこと、趣味、休日の過ごし方など、面接官自身の価値観がわかる情報を掲載しています。

さらに、採用オウンドメディアでのインタビュー記事を掲載し、学生と近しい価値観を持つ人や、今後描いていきたいキャリアに近い人を選べるようにしました。

同社は、制度を導入することで(1)学生が面接官の情報を事前に知り、安心して選考に挑むことができること(2)自分らしい受け答えや自己表現に集中でき、納得感のある選考ができることなどをメリットに挙げています。

また、企業側としても、学生が面接官を自ら選ぶことで、選考意欲の向上が期待できるほか、話の内容次第では志望度の向上にも繋がり、採用のミスマッチ予防にもなるとみています。

自分では選べない○○ガチャ

近年、新卒就活生の間では、配属先や上司が自分の努力では選べず、人事の采配や運次第であることへの不安から、「上司ガチャ」「配属ガチャ」などの言葉が話題になっているといいます。

「上司ガチャ」「配属ガチャ」のGoogle検索回数は直近5年間で約2倍になると同時に、検索するワードに「ハズレ」が入っているなど、自分でコントロールできない環境が、今後に大きな影響を与えていることへの悩みがうかがえます。

このように自身の努力では変えられない点に対する意見は、採用選考においてもたびたび見受けられているそうです。例えば、選考の合否判断が委ねられる面接官が運次第で決められることから「面接官ガチャ」という言葉もSNSで登場するようになりました。

そんな現状に対して同社は今回、選考の入り口となる面接において、誰が面接官になるかわからない不安を抱える「面接官ガチャ」を回避し、学生と企業の双方が納得するマッチングを行いたいと考え「選べる面接官」制度をスタートしたそうです。

今回、1か月実施しての学生の反応や社内でどんな意見が出ているか、同社に問い合わせてみました。

学生からは、「事前にプロフィールなどを知れたので質問を考えやすかった」「誰が面接するかわかり、情報があったので安心してのぞめた」との声があがったそうです。

また、社内でも「面白い施策でいいね」「指名されているから面接も頑張ろうと思った」など、施策に対して好意的な声を受けたとのこと。

提案のきっかけは、インタビュー記事

同社によると制度導入に至ったのは、カルチャーデザイン室新卒担当チームからの提案だったそうです。

昨年の24卒本選考において、面接官がほぼ固定の2次面接&最終面接の際、インタビュー記事などを事前に学生へ共有したことで、価値観を知り、質問を考えられたので安心して臨めたという声があったとのこと。

この件から、1次面接においても同様にできないかという話になりました。

1次面接が終わった後の人事面談の場で、学生から「こんな経験がある社員と話したい」との声があがったことや、売り手市場のため、工夫できる点は工夫したいという話から、早いうちから知りたい情報を提供して、優秀な学生の意向をいち早く上げるという狙いがあったそうです。

これらの経験をもとに、オペレーション整備を行った結果、1次面接官になる20人の社員にも説明会の場で面接官・ナイル・学生さん三方にメリットがあること伝え、面接官の情報提供をお願いしたとのこと。

担当者は、「採用オウンドメディアや採用情報資料などコンテンツとして情報発信する文化が活発なので、社員自身も非常に協力的に情報提供してくれたのはカルチャーの現れかと思いました」とコメントしています。

ナイル株式会社採用サイト:https://nyle.co.jp/recruit/potential/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000437.000055900.html

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