フランスの大手シャンパーニュメゾン(シャンパンを生産するワイナリー)のひとつヴーヴ・クリコ社が、約49,000人を対象として、日本を含む全世界25カ国で行った国際調査「女性起業家バロメーター2023(The Bold by Veuve Clicquot International Barometer 2023)」を発表しました。
この調査結果では、調査国のなかで日本が起業者において男女差がない唯一の国となったそうです。
女性起業家バロメーターとは?
ヴーヴ・クリコ社が、女性起業家の国際的な指標(バロメーター)となるべく2019年に立ち上げた国際調査です。
偏見や克服するべき精神的・構造的な障壁を明らかにすることで、女性起業家らが置かれる現状を把握。広くメッセージを発信することを目指しているといいます。調査には女性・男性、起業家・非起業家が回答しています。
初回調査は欧米を中心に14カ国のみが対象でしたが、3回目となる2023年は25カ国で実施、新たにアラブ首長国連邦・中国・ニュージーランド・シンガポール・オランダ・ガーナ・ギリシャ・コートジボアールの8カ国が対象に加わったといいます。
起業家のジェンダーギャップ
回答者に起業家であるかをたずねた設問で、日本では男女ともに全体の9%が「起業家である」と回答。性差を問わず起業家である人が少ない結果ですが、男女差がない唯一の国でした。また、20代の比率に注目すると女性が22%と男性の12%よりも10ポイント高い結果です。
他国での結果で男女差が大きく示された国は、オーストラリアとスイス。この回答で女性の数が男性を上回った国はコートジボワール・中国・ガーナ・ナイジェリアの4カ国でした。
ビジネスのために「男性のような行動」は不可欠?
ビジネスで成功するために「男性のような」行動をとるべきと考える人はどれくらいいるのでしょうか。
日本では男性の15%、女性の23%が「ビジネスで成功したければ、女性起業家はもっと男性のように振る舞わなければならない」と回答。
日本は女性の社会進出が他国より遅れ、ジェンダーギャップが大きい国だとも言われています。その反面、この調査での世界平均、男性の38%・女性の44%という結果と比較して低い比率を示しています。
また、アメリカでは男性40%・女性38%、中国では男性54%・女性63%が同様に回答しています。
いわゆるホワイトカラー職において、男性が管理職をつとめ、事務職は女性が行うような性別分離の問題は日本でも指摘されています。しかし、実際の働く人びとにとって「男性のような」振る舞いが、ビジネスでの成功に必須であるという考えはすでに過去のものとなっているようです。
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名門シャンパーニュメゾンが女性を支援するワケは?
ヴーヴ・クリコ社は1772年に創業した老舗シャンパーニュメゾン。19世紀初頭、2代目当主だった夫を27歳の若さで亡くしたマダム・クリコが、事業を継承して同社を国際的なブランドに発展させました。
およそ200年前に活躍したマダム・クリコの精神を受け継ぐ同社は、より多くの社会的側面や重要な決定事項において、より多くの女性が参加する世界を目指しています。
女性の影響力を国際的に高めるための取り組みとして、女性リーダーの声を広く届け対話する「Bold Conversation ボールド カンバセーション」や、世界各国の女性起業家のデータを集めた「ボールド・オープン・データベース」を公開。この調査「女性起業家バロメーター」もそのひとつです。
さらに、12月7日(木)には、日本における変革をもたらし、真のロールモデルとして次世代にインスピレーションを与える女性リーダーを讃える「ボールド・ウーマン・アワード(Veuve Clicquot Bold Woman Award 2023)」を開催します。
女性起業家バロメーター:https://www.veuveclicquot.com/ja-jp/barometer.html
ボールド・ウーマン・アワード : https://www.veuveclicquot.com/ja-jp/prebwa.html
ボールド・オープン・データベース:https://www.boldopendatabase.com/en
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000660.000006986.html
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