大日本印刷株式会社は、シンガポールにて独自のデジタル広告配信ソリューションを開発・提供しているVaticAI社と連携し、広告主側に対して、クッキーに依存しないターゲティング広告の配信・分析サービスの提供を10月26日(木)に開始しました。
クッキー(cookie)とは?
クッキーとは、Webサイトに訪れたユーザーの情報を、一時的に保存しておくためのファイルです。訪問したWebサイトのサーバー(またはJavaScript)から、利用しているWebブラウザに対してファイルが送られます。
これを使うメリットとして、クッキーを許可したWebサイトをもう一度訪れた際、同一のユーザーかどうかの判別が可能になります。
Amazonや楽天をはじめとしたECサイトで買い物かごに入れた商品が入っていたり、過去に閲覧した商品の履歴が残っていたりすることもクッキーの効果です。
クッキーは、デジタル広告でも利用
クッキーは、インターネット広告で代表的な“リターゲティング広告”でも利用されています。
リターゲティング広告とは、自社のWebサイトを訪れた人のWebブラウザに対し、クッキーの一種である「サードパーティークッキー」を送ることで、別のWebサイトやアプリの広告枠にも自社の広告を表示させる仕組みのこと。
配信対象が一度自社サイトに訪問した人であり、そのサービスなどに関心がある層だと考えられることから、効果的な広告手法とされています。
便利な反面、プライバシーの問題も
しかし、プライバシー保護の観点からサードパーティークッキーの利用が規制されはじめており、Googleでも、2024年後半までに段階的に廃止することとしています。
今後、クッキーに依存しない広告サービスが必要とされることから、同社は、今回のサービスの提供を開始しました。
同社によると、ユーザーがどうしてそのWebサイトを訪れたのかといった背景をもとに推定した検索キーワードに基づき、ターゲティングができるようになるそうです。このサービスは日本で初めての提供とのこと。
サービス内容
今回のサービスでは、まず、広告主のほうでマーケティングデータなどをもとに広告に適した検索キーワードを設定。一方、大日本印刷は、検索エンジンを通して検索されるワードの中で、Webサイトへの訪問につながりやすいキーワード(予測検索キーワード)を推定します。
その後、広告主が設定した検索キーワードと相性の良い予測検索キーワードをマッチング。これにより、サイト利用者のプライバシーを保護しながら、広告主にとって広告を配信したいターゲットが見てくれるようなWebサイトを見つけ出し、広告を表示することができるそうです。
会員登録の情報をもとに、よりピンポイントな広告表示も
上記のやり方に加えて、会員サイトなどを利用する際、広告用途での利用に同意して提供した属性情報(年代、性別、どのようなことに興味があるかなど)を暗号化。似ている属性の人をまとめたグループに分け、そのグループの人が興味を持ちやすいであろう広告を表示することも可能となるそうです。
このサービスでは、クリック数ではなく、広告をクリックした後10秒以上広告主のWebサイトに滞在した場合にのみ広告料金が発生する仕組みともなっており、広告主は、商品に興味を持ちやすいサイト利用者に、優先的に費用をかけることができるそうです。
<参照>
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000485.000069194.html
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