一般的に、内祝いは結婚や出産などに対する「お祝いへのお返し」として贈られています。しかし、内祝いには本来「幸せのおすそ分け」の意味があり、お祝いをいただいていない相手に贈っても構いません。
本記事では、内祝いとは何か、どんなときに贈るのかなどの、内祝いに関する基本情報を解説します。金額の目安やのしの書き方、「内祝いはいらない」と言われたときの対処法など、よくある質問にもまとめて答えるので参考にしてみてください。
- 内祝いとは何か?本来の意味と併せて解説
- 金額やのしの書き方など、内祝いに関するよくある質問
- 5種類の内祝いとそれぞれにおすすめの品物
そもそも内祝いとは?
内祝いとは結婚や出産などのおめでたい出来事があったとき、その出来事があった側(結婚や出産をした側)から家族や友人・知人などに贈り物をすることです。
最近では「結婚や出産などのお祝いに対するお返し」として捉えられることが多いですが、お祝いをもらっていなくても内祝いを贈って構いません。
内祝いの本来の意味
内祝いの本来の意味は「身内へのお祝い」です。内祝いの「内」は「身内」を指し、結婚や出産などのうれしい出来事があったとき、身内に幸せのおすそ分けをするためのものでした。贈り物だけでなく、宴席を設けて一緒に食事をすることも内祝いに含まれます。
内祝いにはこのような由来があり、もともとはお祝いに対するお返しではありませんでした。もちろん現代の習慣に倣ってお祝いのお返しとして贈っても構わないのですが、本来の意味を考えれば、お祝いをもらう前に贈ることもまたおかしくはないのです。
内祝いとお返しの違い
内祝いとお返しは混同されることも多いですが、微妙な違いがあります。
内祝いは「お祝いをもらっていない相手にも贈れる」
内祝いはもともと幸せのおすそ分けであり、お祝いをもらったかどうかにかかわらず、お世話になった相手や身近な人に贈るものでした。現代ではお祝いへのお返しとして認知されていますが、お祝いをもらっていない相手にも贈って問題ありません。
お返しは「お祝いをもらった相手へのお返し」
お返しはその名のとおり、お祝いに対するお返しのことです。結婚や出産のお祝いをいただいた相手にお返しの品を贈ることがこれにあたります。
内祝いが「お祝いへのお返し」と認知されている現代では、これらを厳密に区別する必要はないかもしれません。
ただ、お祝いの品やお金をいただいていない相手に対して「お返しです」と贈り物をするのは変でしょう。これらの違いを頭の片隅に置いておくと、いざというとき混乱せずに済みます。
ちなみに、結婚や出産、お見舞いなどの品をいただいたときはお返しが必要とされていますが、初節句や七五三、入学などのお祝いにはお返しが不要とされています。「子どもの成長に対するお祝い」にはお返しがいらない、と覚えておくといいでしょう。
内祝いに関するよくある質問
内祝いに関するよくある質問に答えていきます。贈るタイミングがわからない、金額はいくらくらいがいいのかなど、内祝いに関する不安をまとめて解消しておきましょう。
内祝いを贈るタイミングは?
「お祝いへのお返し」として内祝いを贈るなら、お祝いをいただいてから1ヵ月以内を目安にするといいでしょう。結婚の内祝いも挙式から1ヵ月以内が好ましいです。出産の内祝いはお宮参りの後に贈りましょう。
内祝いを贈るのが遅れてしまったら?
内祝いは結婚や出産などのイベントにともない贈ります。これらのイベント前後は忙しいことも多く、内祝いを贈り忘れてしまうこともあるでしょう。
内祝いを贈るのが遅れてしまったら、まずは気づいた時点で内祝いを贈り、その後すぐにお詫びの連絡を入れましょう。すぐに贈れないようなら、お詫びと併せて内祝いが遅れることを伝えます。
なお、遅れたからといってその分高価な内祝いを贈る必要はありません。
内祝いののしは?
内祝いののしにかける水引は「結び切り」と「蝶結び」のどちらかです。結び切りはこれ以上くり返さない方がいい出来事、たとえば快気祝いや結婚などの内祝いに使います。蝶結びは何度くり返してもおめでたい出来事、たとえば出産や入学などの内祝いに使います。
のしのかけ方は「内のし」です。内のしには「自分の祝いごとをおすそ分けする」という意味があり、内祝いに適しています。包装の下にのしをかけるため、配送時に傷や汚れが付きづらいメリットもあります。
のしの書き方は内祝いの種類ごとに次のとおりです。
内祝いの種類 | 表書き(のし上) | 名入れ(のし下) |
結婚内祝い | 寿 | 新姓または連名 |
出産内祝い | 出産内祝 | 赤ちゃんの名前 |
新築内祝い | 新築内祝、御祝など | 苗字 |
入学内祝い | 入学内祝 | 入学する本人の名前 |
快気祝い | 快気内祝または快気祝 | 病気やケガから回復した本人の苗字 |
内祝いの相場・金額は?
お祝いへのお返しとして内祝いを贈る場合、いただいたお金や品物の金額の3分の1~半分ほどを目安と考えましょう。
お返しとしての内祝いではない場合、いただいた品の金額がわからない場合などは、1,000~3,000円ほどの内祝いが適しています。高額な内祝いを贈ると相手を恐縮させてしまうこともあるからです。
内祝いを断られたら?
「内祝いはいらない」と、内祝いを断られることもあります。これは「内祝い分のお金を新生活や赤ちゃんのために使ってもらいたい」という気持ちでそう言われたのか、それとも単なる社交辞令なのか、判断が難しいところです。
この場合、パートナーや家族などとよく話し合いながら、相手に応じた対応を考えましょう。たとえば相手が両親なら、新生活にお金を使ってもらいたいという気持ちで言ってくれている可能性が高いです。関係性から考えても、素直に甘えておくといいでしょう。
仕事関係の相手や友人の場合、社交辞令の可能性も否めません。判断が難しい場合や相手の内祝いを辞退する気持ちが強い場合は、内祝いの代わりに別の機会にプレゼントを贈ったり、ちょっとした手土産を渡したりするといいでしょう。
5種類の内祝いとおすすめの品、選び方
内祝いには、どのようなものを選ぶのがよいのでしょうか。最後に、内祝いにおすすめの品と選び方を、内祝いの種類ごとに紹介します。
結婚内祝い
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000019642.html
結婚内祝いには相手が好きな品物を選べる「カタログギフト」が適しています。相手との関係性も踏まえて、適当な金額のカタログギフトを選びましょう。
カタログギフトは結婚式場が手配してくれることもありますが、自分たちで好きなものを選ぶのもおすすめです。
出産内祝い
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000089515.html
出産内祝いにはお菓子がおすすめです。見た目がかわいらしく、日持ちする焼き菓子やチョコレートなどが適しているでしょう。画像のような見た目の楽しい和菓子もおすすめです。
子供の写真を入れることができるものなどもあるので、特別感を演出したい場合には、検討してみてはいかがでしょうか。
新築内祝い
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000076180.html
新築内祝いにはいくつあっても困らない洗剤やタオルなどがおすすめです。画像のような、タオルと洗剤がセットになった、デザインもおしゃれなギフトもあります。
香りがするものは好みがあるので、事前にリサーチをしたり、好みを選ばないものを選んだりするようにしてください。
入学内祝い
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000074986.html
先述のとおり、入学のような「子どもの成長に対するお祝い」にはお返しをしないのが一般的です。特に入学はこれから何かとお金がかかる時期でもあり、相手側も「今後に備えてお金を蓄えておいて」という気持ちが強いでしょう。
ただ、「せっかくのお祝いごとだから」「少しでも感謝を示したい」という気持ちから内祝いを贈りたいという人もいるでしょう。
この場合、気持ち程度のささやかな内祝いがおすすめです。贈る相手が両親(子どもの祖父母)であれば、画像のような可愛らしい和菓子が喜ばれるかもしれません。ふくろうは「不苦労」の当て字で縁起がよく、入学の内祝いにはぴったりです。
快気祝い
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000043393.html
快気祝いでは健康を意識した贈り物をするのもいいでしょう。
画像は「健康を贈る」をコンセプトにしたカタログギフトで、食品やガジェットなど、健康を意識したさまざまな商品が選べます。
内祝いでいちばん大切なのは相手への気持ち
- 内祝いはお祝いの有無にかかわらず贈ってOK
- 内祝いは相手を恐縮させない範囲で、お祝いごとに合った物を選ぼう
- 「内祝いはいらない」と言われても、感謝の気持ちを示すことが大切
内祝いで大切なのは「相手を想う気持ち」です。お祝いをいただいた相手だけでなく、幸せのおすそ分けをしたいと感じる相手にも内祝いを贈るといいでしょう。
ただ、内祝いは結婚や出産などの「何かとお金がかかる時期」に贈ることが多いです。あまりに高価な品を贈ると、かえって相手が恐縮してしまいます。相手を恐縮させない範囲で、結婚や出産などのイベントに合った品物を選びましょう。
「内祝いはいらない」と言われた場合も、感謝の気持ちを示すためのアクションは起こしたいです。ちょっとした手土産を持って相手を訪ねたり、出産の場合は赤ちゃんの写真入りカードを贈ったり、できることはたくさんあります。
本記事を参考に、内祝いを何にするのか、どのように行うのか、検討してみてはいかがでしょうか。
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