ビジネスシーンでは取引先や上司、同僚などから体調不良の連絡をもらった場合、相手の体調を気遣うメールを送るのがマナーです。ビジネスパーソンとしてスマートに対応するには、よく使われるフレーズを覚えておくのがおすすめです。
本記事では、体調不良を気遣うメールの書き方やポイントを解説。加えて、相手別・シーン別の例文についてもご紹介しています。注意すべきポイントを押さえて、相手に心のこもった気遣いメールを送りましょう。
- 体調不良を気遣うメールを書くときのポイント
- 体調不良を気遣うメールで使える5つのフレーズ
- 相手別・シーン別の気遣いメールをご紹介
ビジネスシーンで体調不良を気遣うメールを書くときのポイント
ビジネスシーンでは、取引先や社内の方から体調不良の連絡を受けることがあります。そうした場合、体調不良を気遣う内容で返信するのがビジネスのマナーです。相手に失礼がないように、メールを書くときのポイントを押さえておきましょう。
返信が必要な内容は避ける
体調不良の際、相手が返信しなければならないようなメッセージを送ってしまうと大きな負担になります。「大丈夫ですか?」「どんな調子でしょうか?」など、疑問形での内容は控えましょう。
返信を求めない文言として、「なお返信には及びません」「返信はお気遣いなくお願いいたします」などを最後に記載するのもおすすめです。
プレッシャーになるような内容は入れない
体調不良を気遣うメールでは、相手がプレッシャーに感じるような内容も避けるのが無難です。「1日でも早く」「お待ちしています」なども相手を気遣っているようで、回復を急かすようにも受け取られかねないため、使わないようにしましょう。
忌み言葉やマイナスの印象を与える内容を含まない
体調不良を気遣うメールでは、忌み言葉を使っていたり、マイナスの印象を与える内容になっていたりしないかどうかも注意したいポイントです。忌み言葉とは、不幸を連想させる言葉のことで、悲しい・苦しい・辛い・終わるなどが該当します。
体調不良のときは、言葉遣いに対して過剰に反応してしまうもの。相手の状況を考慮して、忌み言葉はなるべく言い換えましょう。
病状の詳細は尋ねない
体調不良の連絡があった場合、詳細な病状を尋ねるのはマナー違反とされています。ケガや病気の詳細はプライベートな情報であり、仕事には関係がありません。相手からの説明がない限り、こちらから尋ねることは避けましょう。
体調不良を気遣うメールで使えるフレーズ
体調不良の相手を気遣うメールで使えるフレーズはいくつかあります。適切に使い分けができていると、社会人としてのマナーを備えているという印象を与えられます。覚えておきたい5つのフレーズをご紹介します。
ご自愛ください
「ご自愛ください」というフレーズは、体調不良を気遣うメールでもっとも使われている言葉です。ご自愛には自分の体を大切にするという意味があり、相手を気遣っていることを一言で伝えられます。
上司や取引先、同僚など相手を選ばず使えるのも特徴。季節の変わり目のメールにおいて結び言葉としても活用しやすいフレーズです。
心よりお見舞い申し上げます
より丁寧な表現で相手への気遣いを伝える際は「心よりお見舞い申し上げます」というフレーズがおすすめです。相手が長期的な療養や入院を必要とする際に適した言い回しです。
丁寧ではあるものの、やや堅苦しいフレーズなので主に社外の方に対して使いましょう。社内の方に使用するのは避けるのが無難です。
お大事になさってください
「お大事になさってください」というフレーズも、体調不良を気遣うメールでよく使用されます。相手を問わず使える便利なフレーズです。
「体を大切にする」という意味があるので、「お体をお大事になさってください」と書いてしまうと意味が重複してしまいます。頭に「くれぐれも」「どうぞ」などを付けると、相手への思いやりの気持ちをより表現できます。
養生なさってください
あまり使っている方は多くありませんが、覚えておくといざというときに使えるのが「養生なさってください」というフレーズです。養生には「体を大切にする」「ケガや病気からの回復に努める」という意味があります。
入院される方を気遣うメールで使うのがおすすめ。「お大事になさってください」よりも丁寧なフレーズなので、目上の方や取引先の方に連絡する際にも使えます。
お祈り申し上げます
「お祈り申し上げます」というフレーズは、「心よりお見舞い申し上げます」と同様に非常に丁寧な言い回しです。数あるフレーズのなかでも堅い印象を与える言葉なので、使用する場面には注意しましょう。
具体的には、一時的な体調不良ではなく長期的な療養が必要な相手に対して使うのがベター。相手の状況や関係性を考慮して「心よりお見舞い申し上げます」との使い分けを行いましょう。
相手別体調不良を気遣うメールの例文
体調不良を気遣うメールは、相手別に言葉遣いやフレーズを使い分けましょう。社外の方や顧客、上司に対しては丁寧な文面を心がけます。同僚や後輩に対してはカジュアルな表現でも問題ありません。相手から体調不良の連絡があった際、スムーズに返信ができるよう相手別のメールの例文をご紹介します。
社外・取引先の場合
社外や取引先の方の体調不良を気遣う場合は、通常通り丁寧な文面を心がけましょう。何か取引が進行している場合には、仕事に関するフォローを入れておくことも大切です。
- ◯◯株式会社 ◯◯様
いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯でございます。
御社の◯◯様より、しばらくの間、療養されるとお伺いしました。
心よりお見舞い申し上げます。
進行中の案件に関しましては◯◯様と相談しながら進めてまいりますので、
どうかご心配なさらず、今はご養生なさってください。
◯◯様のご回復を心よりお祈り申し上げます。
お客様の場合
お客様の場合も取引先同様に丁寧な文面を心がけます。業務に関して伝えることがない場合は、相手の回復を祈っていることをメインに文章を作成しましょう。
- ◯◯様
いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯でございます。
この度は体調を崩されてご静養中とお伺いしました。
今は無理をなさらず、どうぞお大事になさってください。
◯◯様のご回復を心よりお祈りしております。
なお、ご返信はお気遣いないようお願いいたします。
社内・上司の場合
上司宛に体調不良を気遣うメールを送る場合は、仕事を気にせず療養に専念できるように進捗状況や引き継ぎ状況なども伝えましょう。社内といえど、敬語を用いて丁寧に書くことが基本です。
- ◯◯部長
お疲れ様です。◯◯です。
先ほど◯◯さんから体調を崩されて療養中と伺いました。
進行中の案件に関しては先方と相談し、可能な範囲で進めてまいります。
その他、引き継ぎが必要な案件に関しても社内での調整が済んでおりますので
ご心配なさらずどうぞお大事になさってください。
なお、こちらのメールはご返信には及びません。
社内・同僚や後輩の場合
社内の同僚や後輩が体調不良の際は、言葉遣いにそこまで注意する必要はありません。最低限、丁寧な言い回しを心がけつつ、相手を思い遣っていることが伝わる表現を意識しましょう。
- ◯◯さん
お疲れ様です。◯◯です。
体調不良でお休みするとのこと、承知しました。
仕事のことは気にせずゆっくり休んでくださいね。
シーン別体調不良を気遣うメールの例文
体調不良を気遣うフレーズは、ほかのあたたかい言葉との組み合わせを意識することが大切です。言葉ひとつで相手に与える印象は変わります。シーン別に適した言い回しで相手に心配していることを伝えましょう。
季節の変わり目の場合
季節の変わり目は、体調を崩しやすいタイミングです。特に、冬から春、夏から秋は気温差が大きく体調不良になりがちです。その時期にメールでのやり取りを行う際は、結びの言葉として下記のようなフレーズを使うのがおすすめです。
-
季節の変わり目ですのでどうぞご自愛ください。
-
季節の変わり目ですので、どうぞお体にはお気をつけください。
コロナウイルスの場合
コロナウイルスは人によって症状の重さや療養の長さは異なります。フレーズとしては「お大事になさってください」や「養生なさってください」を使うのが無難。併せて、無理に返信しなくても良い旨を伝えましょう。
-
なお、こちらのメールはご返信には及びません。今は治療に専念して、どうぞ養生なさってください。
-
なお、こちらのメールはご返信のお気遣いは不要です。どうぞお大事になさってください。
入院中の場合
入院中の方へのメール内容は慎重に検討しましょう。相手はナーバスになっていたり、早く仕事に復帰したいという焦りを感じていたりします。体調を気遣うあたたかい言葉を使いましょう。
-
入院されたと聞き、突然のことに驚いています。その後のご病状はいかがでしょうか。心よりお見舞い申し上げます。
-
入院されたと聞き、弊社一同大変案じております。ご全快を祈念し、心よりお祈り申し上げます。
相手の家族が体調不良の場合
相手の家族が体調不良の場合も、相手を気遣うフレーズを使って問題ありません。「お大事になさってください」「ご自愛ください」あたりの言葉がよく使用されています。
-
ご家族が体調を崩されているとお聞きしました。どうぞお大事になさってくださいとお伝えください。◯◯様もどうぞご自愛ください。
-
ご家族の体調不良のことをお聞きしました。くれぐれもお大事になさってください。◯◯様も無理をなさらず、どうぞご自愛ください。
相手と良好な関係性を維持できるような気遣いメールを作成しよう
- 体調不良を気遣うメールは相手にプレッシャーを与えない内容を意識する
- 体調不良を気遣うフレーズを覚えて、適切に使い分けよう
- 相手やシーン別にメールの内容は変更しよう
体調不良を気遣うメールでは、フレーズを相手やシーンに合わせて適切に使い分けましょう。ただフレーズを使えば良いわけではなく、プラスαの相手を思い遣る文章が非常に大切。相手の状況や気持ちを考慮して、今後も良好な関係性を維持できるような気持ちのこもったあたたかい気遣いメールを作成しましょう。
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