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秘書とはどんな仕事?求められるスキルや向いている人の特徴・未経験からのなり方について紹介

U-NOTE編集部

2023/11/08(最終更新日:2023/11/12)


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社長や役員などをサポートする「秘書」。予定を先回りし、必要な業務や手配を行う広い視野と対応力が求められる職業です。

本記事では、そんな「秘書」の仕事について解説。求められるスキルや向いている人の特徴、未経験からのなり方などをご紹介します。秘書を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • 秘書の主な仕事内容とは?
  • 秘書に求められる能力を解説
  • 秘書としてキャリアアップを考える方におすすめの資格

 

秘書とは

秘書とは、企業の社長や役員などが本来の職務に専念できるよう補佐する職種のことです。

電話の応対から来客の取次と応接、書類の受け取りと振り分け、ファイリング、スケジュールの確認と調整など、多岐にわたる業務をこなします。ビジネスに関する幅広い知識と対応力、ツールを使いこなすスキルなどを備えていることが必須です。

秘書には、上司のその日の予定を把握し、必要な資料をあらかじめまとめたり、情報収集をしたりといった先回りの行動が求められます。直接仕事を依頼されることも多く、テキパキと仕事を行える効率の良さも必要です。

 

秘書の主な仕事内容

秘書の仕事は多岐にわたります。スケジュール管理や来客の応接がメイン業務のイメージがありますが、ほかにも資料作成や管理、メールや電話の対応なども行います。秘書の主な仕事内容について簡潔に説明します。

スケジュール管理・調節

秘書の主な仕事の内容のひとつがスケジュール管理と調整です。

社長や役員は、外部との打ち合わせや社内会議、会食など、人に会う予定が多いのが特徴です。彼らの一日を把握し、昼食や移動、資料閲覧の時間を確保しつつ、面会や会議のスケジュールを組むのが秘書の役割です。

出張のスケジュール調整や手配も行います。1人で数人の役員の秘書を行う場合もあるため、予定の重複や抜け漏れがないかを慎重に確認しつつ、効率的に調整を行うことが大切です。

上司の業務サポート

秘書は上司の業務サポートも行います。業務のサポートには、郵便物の発送や慶弔のメッセージ対応、手土産の手配などが含まれます。グローバルな企業では、ビジネス文書の翻訳サポートを行う場合もあります。

上司の業務ではあるけれど、秘書でも対応が可能なことを請け負うイメージです。

電話・メール・来客の対応

秘書は、上司宛の電話・メール・来客にも対応します。電話であれば、相手の用件を伺い、必要に応じて挨拶の機会をセッティングします。メールの場合も同様に対応します。

来客がある際には、お茶を出したり上司が来るまで応接をしたりするのが秘書の仕事です。電話・メール・来客と、どれも相手に失礼がないように対応することが求められます。

秘書の振る舞いひとつで企業イメージが変わることもあるので、好印象を与えるような対応が必要です。

文書や原稿・資料の作成・管理

秘書は、上司に代わって文書・原稿・資料の作成と管理も行います。資料を作成するためには、Word・Excel・PowerPointのスキルが必須。作業内容に応じて適切なツールを使い分けます。

業務に必要な資料をわかりやすくファイリングすることも仕事のひとつです。不要な資料は破棄し、業務ごとにフォルダ分けするなど、データを求められた際すぐに提示できるように日頃から情報を整理しておきます。

 

秘書の年収の目安

秘書の年収はおよそ520万円程度といわれています。社長や役員など、どの役職の秘書を行うのかによって年収には差があり、大手企業や外資系企業の秘書ともなると年収1000万円を超えることもあります。

年収が高い分、求められるスキルや知識のレベルも上がることは留意点。英語での対応や業界の専門知識が必要な場合も多いので、秘書で高収入を狙うのであればスキルアップは必須です。

 

秘書の仕事のやりがい

秘書の仕事のやりがいは、上司から感謝の気持ちを伝えられることです。臨機応変な対応ができたり、ビジネスマナーを評価されたり、取引先からの評判が良かったりすると、役員から労いの言葉をかけられることがあります。

人を支える業務が多く、自ら目立つことはしない職業のため、自分の働きに目を留めて感謝の気持ちを伝えられると、やりがいを感じられます。信頼を得て業務を任せてもらえることもやりがいのひとつになります。

 

未経験から秘書になるための方法

秘書は未経験でもなることのできる職業です。入職にあたって求められる資格や学歴もありません。必要なのは、基本的なビジネスマナーや社会常識、社会人として身につけておくべきPCスキルです。

未経験から秘書にはなれるものの、実際のところ求人は少ないのが実情です。そんなときは、第二秘書の募集を探すのがおすすめです。第一秘書の元で、秘書として必要な能力や対応は何か、実務を通して学ぶことができます。

 

秘書に求められるスキル

秘書になるには、社会人として基本的なマナーや業務遂行スキルが必要です。上司の仕事をサポートするため、それらが高いレベルで求められます。具体的にどんな能力が必要なのか、秘書に求められるスキルを4つに分けて解説します。

基本的なビジネスマナー・社会常識

秘書として基本的なビジネスマナーや社会常識は最低限身につけておきましょう。基本的なビジネスマナーとは、メールや電話の対応方法や話し方、言葉遣い、名刺交換などです。

ほかにも、身だしなみや表情、勤務中の態度もビジネスマナーに含められます。秘書は社長や役員に代わって社内外の人とやり取りを行います。秘書の対応ひとつで社長や役員へのイメージが変わるため、基本的な社会常識は身につけておく必要があります。

基本的なPCスキル

秘書は業務は多岐にわたり、かつ業務量も多いため基本的なPCスキルがないと仕事がスムーズに進みません。

Word・Excel・PowerPointなどOfficeソフトを使えることはもちろん、Googleが展開しているMeet・Calendar・Sheets、SlackやChatworkなどのチャットツールと便利ツールを使いこなせることも重要です。

コミュニケーション能力

秘書は、電話・メール・来客と外部の方とさまざまなやり取りを行います。社内との調整も多いため、高いコミュニケーション能力も必須です。

相手に好印象を与えるマナーと人柄を身につけておくと、業務をスムーズに行えます。社内では日頃からさまざまな部署の方とやり取りをし、必要に応じてフォローに回るなど、柔軟かつ臨機応変な対応ができるとベターです。

スケジュール管理能力

秘書の仕事はスケジュール管理能力がないと成り立ちません。社長や役員が本来の業務に集中できるようサポートするため、スケジュールを先回りして業務を行う必要があるからです。

1日・1週間・1ヶ月単位で予定を把握し、上司が余裕を持って取り組めるようにスケジュールを組みます。出張や外出が多い場合は移動時間を考慮しつつ、新幹線や飛行機の手配も行います。

 

秘書に向いている人の特徴

次に、秘書に向いている人の特徴を紹介します。該当する特徴がある方は、その部分を強みとして伸ばすことで、秘書として活躍しやすくなるかもしれません。

サポートすることが好きな人

サポートすることが好きな人は秘書に向いています。重要な役職に就く方がさらに活躍できるよう、支えたい気持ちがあることが一番重要です。

相手が何を求めているのかを先回りして考えられるため、上司から信頼して仕事を任され、大きなやりがいを感じられます。人から頼られることが好きな方も秘書に向いているといえるでしょう。

臨機応変に対応できる人

秘書の仕事は、イレギュラーな対応を求められることが多々あります。どんな場面でも上司の要望に対して臨機応変に対応ができる人は、秘書に向いているといえます。

柔軟性を持つには、余裕を持ったスケジュール管理が必要。常に効率を考えて業務に取り組むことで、緊急を要する仕事にも即座に対応できます。

細かな気配りができる人

重要な役職に就く方は、常に多忙なスケジュールをこなしています。業務以外に気が回らないことも多いので、細かな気配りができる人は重宝されます。

求められている以上のことを行うには、相手の立場で考えることが大切です。日頃から上司と密にコミュニケーションを取り、業務に集中するために自分が何を行えば良いのかを判断しましょう。

ニュースや社会情勢に敏感で、危機管理能力がある人

秘書は、ニュースや社会情勢に敏感な人にも向いている職業です。ただ上司をサポートするだけでなく、危機管理をしながら業務を行えると上司から頼ってもらえる存在になることができます。

スケジュール管理・タスク管理が得意な人

スケジュールやタスクの管理が得意な人も秘書に向いています。スケジュール調整はただ空いている時間に予定を入れる作業ではありません。上司が何かについて考えたり、作業を行ったりする時間を確保しつつ、予定を立てる能力が必要です。

普段からスケジュールやタスクを管理するのが得意な方は、そうした時間も考慮しつつ予定を組むことができるので、上司から重宝されます。

守秘義務を守れる人

重要な役職に就く役員の元で働く場合、企業の機密情報に触れる機会が多くあります。家族であっても情報を外部に出さず、守秘義務を守れる人は秘書に向いているといえるでしょう。

 

秘書のキャリアステップ

秘書は役員クラスから社長まで、さまざまな方の業務をサポートします。役員秘書から社長秘書を目指すことがひとつのキャリアステップとして考えられるでしょう。

秘書兼広報としてキャリアを築くケースもあります。仕事の幅を広げ、業務の充実度を増すこともキャリアステップのひとつです。

 

秘書としてキャリアアップしたい人におすすめの資格

秘書の仕事に資格の有無は問われません。すでに秘書として活躍しており、さらなるキャリアアップを考えているのであれば資格取得を検討してみましょう。数ある秘書向けの資格のなかから、おすすめの資格を4つご紹介します。

秘書検定2級以上

秘書に必要なスキル習得を証明する資格として「秘書検定」があります。秘書検定は3級・2級・準1級・1級の級位がありますが、秘書としてキャリアアップしたい方には2級以上の取得がおすすめです。

3級は基本的な職場常識が備わっていれば合格することができ、受験者の多くは高校生です。一方、2級は3級に比べて応用力や柔軟性、効率的な考え方などを有しているかが問われます。受験者の多くは大学生ですが、会社員で取得を目指す方も多くいます。

合格率で見ても3級は70%前後、2級は60%前後、準1級は40%前後、1級は30%前後と合格率が低くなります。秘書として高いスキルを有していることを証明するのであれば、2級以上の取得を目指しましょう。

参考:ビジネス系検定「秘書検定」

参考:早稲田教育出版「秘書検定について」

国際秘書検定(CBS検定)

「国際秘書検定」は、日本語と英語、2つの言語を使いこなすバイリンガルとしての実力を証明する資格です。CBS検定とも呼ばれており、CBSは「Certified Bilingual Secretary」の略です。

国際秘書検定では、主に2種類の資格を取得できます。1つは「準CBS資格」です。受験資格不問で、日本秘書教会が実施しているCBSプライマリー試験に合格すると得られます。もう1つは「CBS資格」で、同じく日本秘書教会が実施しているCBSファイナル試験に合格した方に授与されます。

国際秘書検定は日本語と英語で問題が出題されるため、難易度が高いことで知られています。ビジネス実務から秘書実務、経営・会計・法律の知識まで、幅広いビジネスの知識が必要です。問題の多くは記述式であるため、まずは英語を勉強してから国際秘書検定に臨みましょう。

参考:日本秘書教会「CBS(国際秘書)検定について」

TOEICをはじめとした語学の資格

秘書としてキャリアアップを考えている方は、TOEICをはじめとした語学の資格取得もおすすめです。

TOEICのほかには、実践的な英語力を有している証明になる「TOEFL」や中国語の語学力を測る「中国語検定」などがあります。勤める企業にもよりますが、グローバルに活躍したいなら英語の資格はマストで、プラスもう1つの言語を取得しているとキャリアアップが期待できます。

参考:TOEFL

参考:日本中国語検定教会「中国語検定」

硬筆書写技能検定

手紙や御礼状など、秘書が手書きの文字を書くシーンも多いものです。その際、美しい文字を書けることはプラスに働くでしょう。

「硬筆書写技能検定」は、文部科学省後援の検定試験です。硬筆に関する技術と知識を有している証明として活かせます。文部科学省後援のため公的性があり、資格保有欄に記載できるのが大きな特徴です。

級位は6〜1級まであります。6級・5級は小学生レベル、4級・3級は中学・高校生レベル、準2級・2級・準1級・1級は大学生と社会人レベルとされています。特に、準1級と1級は難易度が高く、合格率は16〜10%程度です。

学歴・年齢・性別など受験資格は問われません。自分の書写能力を証明し、履歴書に明記できる資格を取得したい方におすすめです。

参考:一般財団法人 日本書写技能検定協会「硬筆・毛筆の書写技能検定について」

 

どのような秘書として活躍したいのか考えてみよう

本記事のまとめ
  • 秘書として活躍するには基本的なビジネススキルが必要
  • 上司の業務をサポートすることが秘書の仕事の大きなやりがい
  • 秘書としてキャリアアップを目指すなら資格を取得しよう

秘書には明確なキャリアステップがありません。その分、自分が求める働き方ができる可能性が高いのが魅力です。ひとつの業界で専門性を身につけながら、より重要な役職の秘書を目指す方もいますし、業界をひとつに絞らず秘書としての能力をより発揮できる職場を目指す方もいます。自分が思い描く秘書の姿をイメージし、キャリアを築いていきましょう。

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