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ビジネスで使える交渉術とは?成功させる7つのポイントと、使える心理学テクニックを紹介

U-NOTE編集部

2023/11/02(最終更新日:2023/11/12)


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仕事を進める上で必要なプロセスが「交渉」です。両者の合意を得るために行われ、交渉にはさまざまな場面があります。その交渉を行うプロセスで使われるのが「交渉術」です。

交渉術には、人間心理を利用したテクニックが複数あります。なかでも、ビジネスで使える交渉術をご紹介。併せて、交渉を成功させる7つのポイントも解説しています。

本記事の内容をざっくり説明
  • ビジネスでの交渉に使える心理学とは?
  • 交渉術の中には使い方に注意したいテクニックもある
  • 交渉術を学ぶのにおすすめの書籍をご紹介

 

交渉とは勝ち負けではなく、お互いの利益の最大化を目指すこと

交渉とは、お互いの合意を得るために行われる対話・議論・取引のことを指します。心理的な駆け引きを行い、妥協させた方が勝ちという競争をイメージされることが多くありますが、実はそうではありません。交渉は、お互いの利益の最大化を目指す行為です。

 

交渉を成功させる7つのポイント

交渉を成功させるには、気をつけるべきポイントが7つあります。交渉は通常の会話とは違い、お互いの利益を確保し合意を得ることを目的に行われるため、事前準備や交渉における心構えが成功のカギを握ります。

交渉を成功させる7つのポイント

ポイント1.事前準備・リサーチをしっかりと行う

ポイント2.Win-Winとなる結果を具体的に検討する

ポイント3.譲歩できる部分とできない部分を決める

ポイント4.相手の状況や感情・タイミングを見極める

ポイント5.相手の思いや意図を理解することに努める

ポイント6.感情的にならず、論理的に筋道を立てて話す

ポイント7.シミュレーションをし、練習する

それぞれのポイントの詳細を紹介していきます。

ポイント1.事前準備・リサーチをしっかりと行う

交渉を成功させる1つ目のポイントは、事前準備とリサーチをしっかり行うことです。

交渉が上手な人に共通していることとして、しっかりと事前準備していることがあげられます。具体的な準備内容としては、状況の整理や交渉相手への理解を深めること、自分のゴールを明確にすること、交渉のシナリオを考えてシミュレーションしておくことの4点が考えられます。

ただ闇雲に交渉術を使っても、相手を納得させられません。特に、相手の目的や組織の中でのポジション、有する権限などの情報は、交渉前に必ずリサーチしましょう。

ポイント2.Win-Winとなる結果を具体的に検討する

交渉を成功させる2つ目のポイントは、Win-Winとなる結果を具体的に検討することです。

交渉と聞くと勝ち負けが思い浮かぶこともありますが、一番理想の形はWin-Winの関係になることです。両者が納得できる結論を具体的に検討しましょう。

Win-Winとなる結果は、自分・相手・全体と3つの視点から客観的に検討することで最適なバランスを見つけられます。

ポイント3.譲歩できる部分とできない部分を決める

交渉を成功させる3つ目のポイントは、譲歩できる部分とできない部分を決めることです。

Win-Winの関係を目指すにあたって、あらかじめ交渉可能な範囲を明確にしておきましょう。価格・期間・内容・条件など、項目ごとに譲歩できる部分を洗い出しておくと、相手の要望に柔軟に対応しつつ、Win-Winの関係を築くことができます。

可能であれば相手の交渉可能範囲もヒアリングしておきましょう。両者の譲歩できる部分とできない部分が噛み合うところを見つければ、お互いに納得できる着地点を容易に見つけられます。

ポイント4.相手の状況や感情・タイミングを見極める

交渉を成功させる4つ目のポイントは、相手の状況や感情・タイミングを見極めることです。

交渉の現場に自身の感情を持ち込むことはタブーとされていますが、相手の感情とは別です。表情や声のトーン、態度などを観察することで、ある程度相手の考えや感情を把握できます。

相手が置かれている状況やタイミングにも配慮しましょう。交渉相手が決定権を持っていなかったり、交渉当初とは状況が変わったりした場合には、交渉を一時的に中断してタイミングを伺う対応も必要です。

ポイント5.相手の思いや意図を理解することに努める

交渉を成功させる5つ目のポイントは、相手の思いや意図の理解に努めることです。

交渉はこちら側の要求を無理に押し通そうとする限り、決してうまくいきません。Win-Winの関係が交渉の理想的な着地点であることを常に意識して、相手の思いや意図を汲み取って話を進めましょう。競争関係ではなく、信頼関係・協力関係を目指してみてください。

ポイント6.感情的にならず、論理的に筋道を立てて話す

交渉を成功させる6つ目のポイントは、感情的にならず、論理的に筋道を立てて話すことです。

交渉は感情的になると冷静な判断ができなくなり、良い結果が出ません。うまく交渉が進まないとつい感情的になってしまいがちですが、そんなときこそ一度落ち着いて、論理的に相手を説得できる道筋を探りましょう。

感情的にならない交渉のコツは、データや情報をしっかりと確認することです。数値を資料にまとめておけば、相手に対して客観的な事実に基づいて話していることを伝えられます。

ポイント7.シミュレーションをし、練習する

交渉を成功させる7つ目のポイントは、シミュレーションや練習をすることです。

複雑な交渉ほど、事前準備と実際の交渉現場のシミュレーション、練習が必要です。上司に交渉相手役をしてもらい、交渉プランを実践してみると準備が足りていない箇所が明らかになります。実際の交渉に活かせるよう、練習後には必ずフィードバックをもらいましょう。

 

ビジネスでの交渉に使える心理学

人は、状況や相手との関係性によって自身の判断を変えます。交渉を成功させるには、人間の心理を理解し、心理的傾向をうまく活用することが重要です。心理学にはビジネスシーンでの交渉に使えるテクニックも多くあるので、厳選してご紹介します。

ドアインザフェイス

「ドアインザフェイス」は、本来の要求を通すため最初に大きな要求をするという心理学に基づいた交渉術です。

例えば、本来の契約金額よりも大きめの額を相手に伝え、一度断られる状況を作ります。その後で本来の契約金額を提示し、あたかも検討して料金を下げたと相手に思わせます。

相手には一度断ってしまった罪悪感があるため、最初から本来の金額で交渉するよりも承諾率が上がります。人間の罪悪感を逆手に取ったビジネスシーンで活用できる心理学です。

フットインザドア

「フットインザドア」は、徐々に要求を大きくし、本命の要求を承諾しやすい状況を作るビジネスでの交渉に使える心理学です。最初に大きな要求を行う「ドアインザフェイス」とは逆の手順で交渉を行います。

例えば、本命の要求が100万円の募金だとしたら、最初の募金額は1,000円から可能であることを伝えます。相手が少額での募金を承諾したら、次の募金額は少しだけ増額します。そうして徐々に要求を大きくし、最終的に本命の要求をします。

フットインザドアは、「一貫性の法則」という心理を活用した交渉術。人は、行動や態度に一貫性を持たせたいという心理的傾向により、要求が徐々に大きくなったとしても次の要求を承諾してしまいます。要求のハードルが高い交渉を行う際に活用してみてください。

ミラー効果

「ミラー効果」はミラーリングとも呼ばれ、同調効果という心理状態を活用したビジネスでの交渉に使える心理学です。

さりげなく相手と同じ言動を取ることで、ミラー効果を狙えます。例えば、さりげなく相手の話すスピードや、声のトーンを合わせるなどがあります。

相手の言動を真似することはミラーリングと呼ばれ、尊敬や好意を伝える際に役立ちます。信頼関係の構築にも繋がるので、まずは良好な関係を築く必要のある初期段階で活用してみてください。

ハロー効果

「ハロー効果」は、相手に対して良い印象を与えたい場合に便利な、ビジネスでの交渉に使える心理学です。ある際立った一面に影響を受けて相手のイメージを決定してしまう心理的傾向を利用します。

例えば、初対面で身なりがきちんとしていると、相手に対してしっかりした人・清潔感がある人という好印象を与えられます。有名大学に通っていたという情報から、仕事ができる人というイメージに繋がることもあります。

ハロー効果は、相手に良い印象を与えて交渉を有利に進めたい場合に活用したい心理学です。

ローボールテクニック

「ローボールテクニック」は、フットインザドア同様に「一貫性の法則」を活用した、ビジネスでの交渉に使える心理学です。最初に提示した条件で承諾を得た後、条件の内容を変更します。

例えば、最初に100万円の契約金を提示し、相手の承諾を得たとします。その後、なんらかの理由を付けて違約金が契約額の2倍かかることを伝えます。相手は一度承諾した手前、話をなかったことにするとは言い出しにくく、こちら側の要求が通る可能性が上がります。

ローボールテクニックは、フットインザドアとよく似たテクニックですが、ローボールテクニックは後から条件を付け足すため相手に与える印象が悪く、恨みを買うケースもあります。同様の手法で交渉するなら、フットインザドアを利用しましょう。

ソクラテス・ストラテジー

「ソクラテス・ストラテジー」は、ソクラテスの問答法を応用した、ビジネスでの交渉に使える心理学です。自分の意見を質問として伝えることで相手から重要な発言を誘導します。

例えば、「納品物の品質はどう考えていますか?」という質問だと「納品されないとわからない」「納品されてから検討する」などと返答されることがあります。

「ソクラテス・ストラテジー」では、その質問を「納品物の品質は優先度が低めなんですね?」と聞きます。すると相手は、「品質の優先度を下げることは考えていない」「品質も妥協したくない」と返答せざるを得ません。

相手の発言を元に、ニーズを満たすための提案ができるようになるのが「ソクラテス・ストラテジー」のメリットです。

アンカリング効果

「アンカリング効果」は、最初に提示された条件をアンカー(基準)にして意思決定を行うという心理効果です。価格交渉や納期交渉の際に使える心理学です。

例えば、価格であれば「通常は10万円のところ今回に限り2万円で対応します」と伝えると、相手は10万円を基準にして2万円で得と損を天秤にかけて判断します。

納期交渉の場合は「通常は7営業日で納品していますが、明日までにお返事いただければ3営業日で納品することが可能です」という伝え方ができます。

アンカリング効果は相手が情報をあまり有していない場合、特に効果を発揮します。相場を理解している相手には通用しないケースもあるので、よく判断してから使いましょう。

シャルパンティエ効果

「シャルパンティエ効果」は、同じ重量の物体でもそのもののイメージに影響されて錯覚してしまう心理的傾向のことです。価格交渉の場面で活用できます。

例えば、1kgの鉄と1kgのプラスチックでは実際の重量は同じです。しかし、鉄とプラスチックそれぞれのイメージに影響されてしまい、1kgの鉄は重く、1kgのプラスチックは軽く錯覚してしまいます。これがシャルパンティエ効果です。

ビジネスシーンでは、商品の金額を伝える際に使うと効果的です。1年間だと120,000円の費用が必要なものでも、月額だと10,000円、週だと250円と表現することで、与えるイメージが変わります。

両面提示

「両面提示」は、相手との信頼関係を築く際に使える心理学です。自社商品のメリット・デメリットを自ら明らかにすることで、相手に誠実な印象を与える心理的効果を期待できます。

両面提示は、さまざまな交渉シーンで使えます。ポイントは、メリット・デメリットを伝えつつ、そのデメリットを超える良さが商品にはあるとアピールすることです。デメリットの印象が残りにくく、交渉を有利に進められます。

イエスセット

「イエスセット」は、相手の「イエス」を引き出す際に使えます。フットインザドアやローボールテクニックと同様に「一貫性の法則」に基づいた、ビジネスでの交渉に使える心理学です。

イエスセットの手法は非常に簡単。「イエス」を引き出したい本命の質問の前に、必ず「イエス」と返答するであろう質問を重ねることです。何度も「イエス」と答えることで、次の質問も同様に「イエス」と言ってしまいやすくなります。

ビジネスシーンでは、すでに共有してもらっている正確な情報を元に質問を重ねましょう。

「新卒採用でお困りのことがあるそうですね」「採用人数の目標は○○人と伺っています」「ご要望にお答えできるプランがありますので、見ていただいてもよろしいでしょうか」など、相手の「イエス」と質問のラリーを行います。

あまり質問が多いと相手に不信感を与えるため、会話のラリーは3回程度が目安です。最後に本命の質問ができるように、1回目・2回目の質問の内容はよく検討してください。

バンドワゴン効果

「バンドワゴン効果」は、大多数に支持されているものに惹かれる心理的傾向のことです。商品やサービスの契約交渉を行う際に活用できる心理学です。

例えば、口コミで高く評価されている商品と、あまり評価が良くない商品とでは、人は評価が高く人気の方を選ぶ傾向があります。

交渉のシーンでは、新規顧客に対してサービスを提案する際に活用できます。実際の数字やデータに基づいた情報を提示する必要はあるものの、一方のサービスを「契約社数○○突破」と表現し、他のサービスと見せ方を変えることで、相手の興味を誘導することができます。

バンドワゴン効果を使う上で注意したいのは、あくまでも相手に興味を持ってもらいやすくするための手法であること。契約後や購入後にサービスの質が悪いと評価されてしまっては、契約数が多くても満足度は低いという数値が出てしまいます。

品質やアフターフォローも含めてビジネス設計されている場合に有効に使えるテクニックです。

使い所に注意したい交渉術に使われるテクニック

交渉術の中には、相手の心を揺さぶって要望を受け入れさせるテクニックもあります。あまり積極的に利用したい方法ではないですが、交渉相手が使ってくる可能性を考えて知っておくと、相手のペースに巻き込まれることを避けられます。

ダブル・バインド

「ダブル・バインド」は、相手に2つの矛盾したメッセージを与えることです。日本語では二重拘束と呼ばれ、メッセージを与えられた側は心理的なストレスを感じたり、混乱したりします。

ダブル・バインドには、肯定的ダブル・バインドと否定的ダブル・バインドの2種類があり、交渉術ではこのうち肯定的ダブル・バインドが活用できるとされています。

肯定的ダブル・バインドの使い方は、具体的な選択肢を2つ出すことです。例えば「白と黒、どちらの製品を購入しますか?」と質問を出すと、質問された側はどちらかを選ばなければいけません。

肯定的とはいえ相手にある程度のストレスを与える方法には他ならないので、あまり積極的に利用しないように注意してください。

ゲームズマンシップ

「ゲームズマンシップ」は、相手の判断能力を奪って有利に交渉を進める場合に使われるテクニックです。

相手がイライラしたり、自信がなくなったりするような言動や態度で、交渉に圧力をかけます。穏やかな態度から高圧的な態度に切り替えるなど、相手に揺さぶりをかけるのが特徴です。

交渉を有利に進めるテクニックとして使えるかもしれませんが、相手とのWin-Winな関係の構築はできません。知識として知っておく程度にとどめましょう。

グッドガイ・バッドガイ

「グッドガイ・バッドガイ」は、2人組みで交渉する際に使えるテクニックです。相手の心を揺さぶることで交渉を有利に進めます。

グッドガイ・バッドガイは、1人が相手に厳しくし、もう1人が相手に優しく接します。厳しさを見せる人物をなだめるような形で仲裁に入りつつ、交渉相手に穏やかに接することで、相手に要求を受け入れさせる方法です。

犯人に自白を求めたり、罪を認めさせたりするようなシーンで使われるのは良いかもしれませんが、ビジネスシーンには不向きです。知っておくにとどめて実際の交渉時に使うことは避けたほうが賢明です。

 

ビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本

闇雲に交渉しても相手を納得させ、良い結論を導くことはできません。交渉に臨む前は必ず準備として交渉の原理原則や、交渉パターンを学んでおきましょう。ベストセラーになった名著から、交渉のプロが書いた書籍まで、ビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本をご紹介します。

本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」

『本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」』は、交渉術に関するセミナーや研修で講師を勤めるロジャー・ドーソン氏が執筆した、ビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本です。全米でベストセラーになり、それ以来25年以上読み継がれている交渉術の名著の邦訳です。

交渉の原理原則が学べる他、交渉術の応用の仕方もわかりやすく解説されています。日本国内だけでなく外国の方と交渉する方法も書かれているので、仕事で国外とのやりとりが多い方におすすめです。

交渉時のスタンスから技術、1人のビジネスパーソンとして相手とどんなやりとりを行うか、交渉術以外に社会人としての学びも多い1冊です。

ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!

ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!』はタイトルの通り「ハーバード流」の交渉術について書かれた、ビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本です。全世界で30年以上読み継がれてきた名著で、原著は200万部を超えるベストセラー。本書はその新装・新訳版です。

ハーバード大学交渉学研究所で開発された「交渉学」について書かれています。ソフト型やハード型など従来の交渉術ではなく、ハーバード流の交渉術を学べるのが本書の特徴です。

複雑な利害がある場合、相手を立てながら自分の要求を通したい場合、理屈が通じない場合など、交渉時に考え得るさまざまなシーンに対応できる交渉術とは何か。交渉術の本質を知りたい方におすすめの1冊です。

ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則

ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則』は、先に紹介した『ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!』を超える次世代の交渉術が学べるおすすめの本です。Win-Winの関係を目指すハーバード流交渉術の問題点に対応し、複雑な交渉事情にも使える技術が6章にわたって解説されています。

個人ですぐに使える交渉術だけでなく、組織の交渉術を高める方法についても知ることができるのが本書の特徴。現代の複雑な事情に適合し、両者にとって最良の結果を引き出すための交渉術が身に付くおすすめの1冊です。

7タイプ別交渉術

7タイプ別交渉術』は交渉相手の性格を7タイプに分け、タイプごとに有効な交渉術を解説したビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本です。著者は、みらい総合法律事務所の代表パートナーである谷原誠氏。本書の最後には弁護士の交渉術も掲載されており、すぐに実践できるのが特徴です。

本書によれば、人の価値観は損得・成功追求・快楽追求・平和主義・ロジカル・勝敗・人助けの7種類に分けられるといいます。相手が7つのうちどのタイプに当てはまるのかを見極めることが、交渉を成功に導く第一歩。あとは7タイプごとに納得しやすいポイントを把握して交渉するだけです。

相手を性格で分けて説得を試みようと促す異色の交渉術。難しいことは考えず、まずは基本的な交渉術を身につけたい方におすすめの1冊です。

逆転交渉術 まずは「ノー」を引き出せ

24年にわたってFBIの交渉人として事件を解決に導いてきたクリス・ヴォス氏の極秘テクニックが書かれた、ビジネスでの交渉時に役立つおすすめの本『逆転交渉術 まずは「ノー」を引き出せ』。本書で提案されているのは、あえて相手に「ノー」と言わせ、最終的に「イエス」を引き出すための交渉術です。

著者が交渉人として携わった事件のことを交えて構成されており、テクニックを使用する流れを把握できるのが本書の特徴。相手が本当に要求したいものを理解することが交渉成功につながるとして、交渉を行うことが大切だと書かれています。

あえて「ノー」と言わせると、相手に自分が主導権を握っていると錯覚させることができます。その上で、こちらが求めるゴールに向けて相手を誘導させます。ポイントは、両者の間で“相手への理解”を基点とした関係性を構築することです。

会社間の大きなやりとりで活かせる交渉術を学べるおすすめの1冊です。

 

ビジネスシーンでの交渉はWin-Winを目指すことが鉄則

本記事のまとめ
  • 交渉を成功させるポイントは事前準備とシミュレーション
  • 交渉術は場面と相手を見極めて使用する
  • さまざまな交渉術を体系的に学ぶには書籍が便利

実際、交渉の場面になるとWin-Winの関係が大切であることをつい忘れそうになってしまいます。自社の利益を最大化するのは社会人としては正しい姿勢ですが、相手との信頼関係を続ける上ではデメリットに繋がりかねません。

Win-Winの実現が鉄則であることを念頭に入れ、両者の利益を得られる交渉の着地点を見つけましょう。

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