就活の選考方法のひとつである「グループディスカッション」。最近では、取り入れる企業も増えてきました。
本記事では、そんな「グループディスカッション」の対策とコツを解説。シーン別にトラブルが発生した際の対処法もご紹介しているので、これからグループディスカッションが控えている就活生はぜひ参考にしてみてください。
- グループディスカッション前にしておきたい7つの対策を解説
- グループディスカッションで発生したトラブルへの対処法
- オンラインでのグループディスカッションで注意するポイント
就活でのグループディスカッション対策をする際に知っておきたい評価のポイント
就活でのグループディスカッションでは、採用面接官が評価するポイントがいくつかあります。グループ内での言動は、これらの点を意識しておけばマイナスイメージを与える可能性を減らせます。グループディスカッション対策前に知っておきたい評価のポイントを解説します。
- 協調性やコミュニケーション能力はあるのか
- 積極的に議論に参加しているのか
- 自分の考えを持ち、論理的にわかりやすく会話できるのか
協調性やコミュニケーション能力はあるのか
グループディスカッションでは、主に協調性やコミュニケーション能力がチェックされています。社会人として社内外のビジネスパーソンとやりとりする際、この2つが欠けているとスムーズな業務進行が難しくなってしまうからです。
協調性やコミュニケーション能力は、周囲に配慮することでアピールできます。発言量が少ない学生に意見を求めたり、メンバーの目を見て話を聞いたりと良い雰囲気づくりを心がけた言動を意識してみてください。
積極的に議論に参加しているのか
グループディスカッションでは、議論への積極性も評価のポイントです。多角的な視点で意見を出したり、議論が脱線しそうになったら軌道修正したりと、素早い行動と発言量は積極性があるとして評価されます。
ただし、発言量やリーダーシップの取り方には注意が必要。発言量が多すぎると独善的だと思われ、マイナスのイメージに繋がりかねません。協調性と積極性の良いバランスを意識してください。
自分の考えを持ち、論理的にわかりやすく会話できるのか
グループディスカッションでは、論理的な説明能力も重要な評価ポイントです。論理的とは、矛盾や飛躍がないように物事を体系的に整理することです。与えられたテーマに対して、事実やデータを根拠に発言できているかどうかがチェックされます。
自分の考えとして意見できているかどうかも大切なポイント。「○○さんが言っていたので○○だと思う」という考え方は、マイナスなイメージを与えかねません。発言の正解・不正解は重要ではなく、採用担当者は事実やデータを根拠に自分の考えを論理的に話せるかどうかを見ているという点は忘れないようにしましょう。
グループディスカッション前にしておきたい7つの対策とコツ
グループディスカッションは、事前の準備や対策が結果を左右します。気をつける点は多いですが、1つずつ確実に行えば採用担当者に好印象を与えられます。7つのコツと対策ポイントを解説するので参考にしてみてください。
グループディスカッション前にしておきたい7つの対策とコツ
- 疑問や不明点は開始前に必ず質問をする
- 話を聞く、参加する姿勢・態度・振る舞いになっているのか気を配る
- 声の大きさ・スピード・トーンは適切か気を配る
- 役割に求められることを把握する
- 自分の強みを活かせる役割を見つける
- いきなり話し始めるのではなく定義づけから行う
- 実践を積み、振り返りを行う
1.疑問や不明点は開始前に必ず質問をする
グループディスカッションの説明を受けた際、疑問や不明点があれば開始前に必ず質問して不明点をクリアにしておきましょう。
開始後に質問をしてしまうと時間の無駄使いになります。採用担当者は回答している間、他のグループの議論の内容を確認ができないので、仕事の妨げにも繋がりマイナスイメージを持たれてしまいます。
2.話を聞く、参加する姿勢・態度・振る舞いになっているのか気を配る
グループディスカッション前にしておきたい2つ目の対策は、話を聞く姿勢や参加する際の姿勢・態度・振る舞いに気を配ることです。
グループディスカッションで特に重要視されるのは、協調性と積極性、そして論理的思考力の有無です。論理的思考力は発言時にチェックされますが、協調性や積極性はグループディスカッション中の態度に現れるため、採用担当者は常に確認しています。
同じグループの学生が話をしているときは、相手の方を見て内容に耳を傾け、自身が発言するときは威圧的・好戦的な態度にならないように穏やかに話すことが大切です。
腕組みや足組み、貧乏揺すりなどは評価のマイナスに繋がりますし、同じグループのメンバーへの印象も良くありません。クセづいている方は気を付けましょう。
3.声の大きさ・スピード・トーンは適切か気を配る
グループディスカッションで発言する際は、声の大きさやスピード、トーンにも気を配ることが大切です。声は大きすぎず、小さすぎず、グループのメンバーが聞き取りやすい音量がベター。特に、声が小さいと聞き返す手間が発生し、時間を無駄にしてしまいます。
スピードは、早口にならないように注意してください。メンバーが内容を理解しにくいだけでなく、書記がメモを取り逃がす可能性があります。普段から早口を指摘される方は、練習を重ねてちょうど良いスピードを身に付けましょう。
声のトーンは明るめを意識します。暗いと威圧感や怖い印象を与えたりしてしまいます。明るく、活発な話し方をするとメンバーから受け入れられやすく、またグループを良い雰囲気にできます。適切な音量・早さ・トーンを意識して、円滑なグループディスカッションを実現しましょう。
4.役割に求められることを把握する
グループディスカッション前にしておきたい対策として、各役割に求められる働きを把握しておくことも大切です。グループディスカッションにおける主な役割は、ファシリテーター・タイムキーパー・書記・発表者があります。人数によってはアイデアマンや監視者などの役割も割り当てられます。
例えば、ファシリテーターはメンバー全員に配慮しつつ、多様な意見を引き出す働きが求められます。書記であれば、議論で出た意見をわかりやすくメモすることが求められます。役割によって、協調性や積極性、論理的思考力にプラスαで求められる内容が異なるので、どの役割を振られても対応できるようにしておきましょう。
関連記事:グループディスカッションの進め方と役割|役割別の評価ポイントも解説
5.自分の強みを活かせる役割を見つける
自分の強みを活かせる役割を見つけておくことも、グループディスカッション前の対策として有効です。
基本的に役割は立候補制の形が取られます。どの役割が良いか聞かれた際、「自分は人の話を聞きながら、意見を構造化してまとめるのが得意だから書記に立候補したい」と理由を添えて立候補できると、同じグループ内のメンバーも安心してその役割を任せられます。
グループディスカッション本番前には全ての役割で練習を重ねて、自分の強みを活かせる役割を見つけておきましょう。
6.いきなり話し始めるのではなく定義づけから行う
グループディスカッションで非常に重要なのが、議論の前に定義づけを行うことです。定義づけは認識をすり合わせ、議論の方向性がズレないようにする作業です。議論の前提を共通認識として持っておくことで、話が逸れそうになった場合にすぐ軌道修正ができます。
与えられたテーマの認識とゴールの形の両方をすり合わせます。テーマが「若者にウケる今までにないマーケティング施策の提案」だった場合、同じ若者でもある人は10代を、別の人は20代を思い浮かべる可能性があります。「20代前半の大学生」と決めてしまうのが定義づけの作業でやりたいことです。
7.実践を積み、振り返りを行う
グループディスカッション成功の鍵は、実践の回数と振り返りです。グループのメンバーは初対面の学生です。どんなタイプの学生とも協力してグループディスカッションを進められるようにするには、実践と練習の積み重ねが大切です。
実践後は必ず振り返りも行いましょう。時間内に全ての作業が満足に行えなかったのであれば、何に時間がかかりすぎていたのか、どのように発言すればスムーズにメンバーの意見を引き出せたのかなど具体的に振り返ります。
グループディスカッションの練習で他のメンバーから得たフィードバックを元に、振り返りを行うこともおすすめです。
シーン別グループディスカッションに困ったときの対処法
グループディスカッションにはトラブルがつきものです。発生し得る問題を想定して、対処法を考えておくと慌てずに対応できます。シーン別にグループディスカッションで困ったときの対処法を解説するので、参考にしてみてください。
課題やテーマについての知識がない場合の対処法
グループディスカッションで与えられた課題やテーマについての知識がない場合、知っているふりをして無理に議論を行うことは避けましょう。知識の有無は評価ポイントではなく、知識がない状態でどのようにして結論を導こうとするのか、そのプロセスが大切だからです。
知識がない場合、仮説を立てて考えます。その仮定を前提として議論を行いましょう。
役割が決まらないときの対処法
グループディスカッションで役割決めに時間がかかってしまいそうなときは、積極的に動きましょう。「自分がファシリテーターをやります。サポートするので、○○さんは書記をやってくれませんか?」とメンバーに提案してみましょう。
役割が決まらない理由のひとつは、メンバーの準備不足が関係しています。役割の有無で評価されることは基本的にないため、自信のない役割を担当するのであれば、役割なしの方が良いと考える学生もなかにはいます。
役割が決まらないままディスカッションを始めてしまうのは、一番避けたいことです。自分がサポートするから役割をお願いできないかと提案すれば、役割決めに必要以上の時間がかかってしまうトラブルを避けられます。
発言する人がいないときの対処法
消極的な性格の学生が多いと、議論が前に進まないことがあります。グループディスカッションで発言する人がいない場合、自身の役割に関係なくまずは自分が発言することを心がけましょう。
ただし、自分だけが意見している状態にならないよう注意が必要です。採用担当者に、周囲の意見を聞かないで進めてしまう学生だと思われかねません。発言時には、まず自分の意見を言ってから「皆さんの意見も聞きたいです。○○さんは率直にどう考えていますか?」と質問して、メンバーの発言を自然な形で促しましょう。
議論がまとまらないときの対処法
グループディスカッションで議論がまとまらないときの対処法は、定義を改めて確認することです。議論の前に課題を深掘り定義のすり合わせを行っていますが、その内容を再度グループ内で確認し、アウトプットの形とのズレを修正します。
書記のメモを参考に、関係がなさそうな意見や実現可能性が低そうな意見を除外することも対処法のひとつです。
焦って多数決で意見をまとめようとすると結論に納得できないメンバーが生まれてしまいます。全員が納得した結論として発表できるように、伝え方や使う言葉に注意しながらゴールに対して参考にできそうな意見を集約し、議論をまとめましょう。
クラッシャーがいる場合の対処法
グループディスカッションを行う際、「クラッシャー」と呼ばれる議論を破壊する言動をする学生がいることがあります。
クラッシャー行為の例としては、進行を妨げたり、他の学生の意見を否定・批判したり、自分の意見を強引に押し通そうとしたりなどがあげられます。態度が悪く、グループの雰囲気を壊すこともクラッシャー行為に含まれます。
クラッシャーを放置すると議論がまとまらないので、対処する必要があります。クラッシャーの意見を否定することはクラッシャー行為と同様にみなされてしまうので注意が必要。クラッシャーの意見も聞きつつ、議論の方向性をさりげなく修正するのがコツです。
「○○さんはそう思うんですね。他のメンバーの意見も聞きたいのですが、○○さんはどう思いますか?」とグループ全員の意見を引き出すことに繋げたり、「では、○○について意見をまとめたいと思います」と流れを変えたり、柔軟な対応が求められます。
オンラインのグループディスカッション対策
オンラインのグループディスカッション対策は、オフラインのときと同様です。オンラインだと声が聞き取りにくかったり、暗く聞こえてしまったりしやすいので、よりハキハキと発言するように心がけてください。リアクションも少し大袈裟なくらいで問題ありません。
発言のタイミングは注意ポイントです。他の学生の様子をよく観察して、発言がかぶったりしないようにしてください。発言のタイミングをうまくつかめていないメンバーがいれば話を振ると、採用担当者に好印象を与えられます。
対策とコツを知ってグループディスカッションに挑もう
- グループディスカッションは評価されるポイントが決まっている
- トラブル発生を想定してシーン別の対処法を考えておこう
- オンラインのグループディスカッションの対策は、対面時と基本的には同じ
グループディスカッションは、練習と実践あるのみといわれています。グループのメンバーも与えられるテーマも当日にならないとわからないため、焦らず対応するためには慣れが必要。対策とコツは頭に入れつつも練習を重ねて、当日のグループディスカッションに挑みましょう。
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