企業におけるリスキリング施策の実態調査が公開されました。リスキリング支援サービス「学びのコーチ」(運営:パーソルイノベーション株式会社)が、4半期ごとに実施している調査です。
この調査では、従業員数300人以上の法人を大企業、300人未満を中小企業・スタートアップと定めています。また、大企業の子会社やグループ企業は含まないということです。
企業の約半数がリスキリング施策を実施
「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか」という設問では「実施した」という回答が49.1%を占めました。2023年2月に実施した調査では、39.1%。およそ半年で10ポイント増を示しています。
従業員数を軸に回答者が所属する企業規模で分類すると、大企業勤務者の「実施した」という回答は、64.3%。一方、中小ならびにスタートアップ企業勤務者の同回答は、中小企業で41.5%、スタートアップでは34.0%でした。
※パーソルイノベーション株式会社「学びのコーチ」|リスキリング調査レポート「リスキリング」のリアルと展望ー2023年9月版から画像を引用
データ・AI活用の施策が主流
具体的にどのような施策が取り組まれているかをたずねると「データ活用(35.6%)」・「AI活用(ChatGPTなど)(34.7%)」・「業務プロセス設計(31.5%)」という回答が続きます。
前回比では、「データ活用」がトップであることは変わらないもの、「AI活用(ChatGPTなど)」が前回の4位(30.3%)よりも向上。業務でAIを導入もしくは活用を検討している企業が増えているようです。
リスキリング施策の年間予算は?
施策における年間予算を問うと、回答の首位に「500万円~1千万円未満(28.1%)」、「1千万円以上~3千万未満(25.9%)」が続きました。企業規模別では中小/スタートアップ企業所属者では「500万円~1千万円未満」との回答が1位(39.9%)です。
リスキリングの課題
企業はどのようなことを重視してリスキリング施策を行っているのでしょうか。また、課題についても見ていきましょう。
従業員が獲得したスキルを新たな業務で活用できることが、企業に重視されていることがわかります。
そのための課題としては、「施策の企画リソース(体制)が足りない(23.1%)」、「施策の運用リソース(体制)が足りない(21.0%)」、「習得すべきスキルを明確にできない(19.9%)」「スキル習得に適したカリキュラムが用意できない(19.9%)」などが並びました。
調査概要
調査手法:
インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業で就労中の662人
調査期間:2023年8月28日~2023年9月1日
調査主体:パーソルイノベーション株式会社「学びのコーチ」
企業属性:
※大企業
従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ
従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まない
調査レポート:https://www.manabicoach.jp/useful
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000301.000071591.html
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