インボイス制度に関するさまざまな情報発信を行う有志団体・インボイス制度を考えるフリーランスの会が、企業の経理業務担当者を対象に、意識調査を実施しました。
本調査では、多くの経理担当者が、制度導入を機に業務負荷が増えた場合には経理業務から離れたいと考えていることが示唆されています。
また、制度の賛否について相当数の担当者が否定的にとらえていることも明らかになりました。
709人の経理担当者にインボイス制度導入を理由として現職を離れたいと思ったことがあるかとたずねた設問では、33.3%の人が「(業務が増えたら)異動・退職・転職したい」と回答しています。
同団体が行ったこの調査・レポート詳細はこちらから
離職を考えるほど過酷!? インボイス対応
法人向け支出管理サービス「バクラク」を提供する株式会社LayerXが公開した10月からのインボイス制度導入について、業務負担が増える見込みであることを試算した調査結果をU-NOTEでも先日、紹介しました(記事はこちら)。
その調査では、<経理担当者1人あたり月間約1〜2営業日分の「インボイス残業」が発生する>こと、対応をすべて手作業で行った場合には<人件費として月に約3,413億円>の対応コストが生じることが予測されました。
20代・30代担当者の意向
この調査では、回答者の年代に分類して回答をまとめたものも公開しています。
20代では38.0%、30代で40.5%が離職を検討しています。経理業務の将来性をやや否定的にとらえ、働き盛りもしくはこれから働き盛りを迎えるであろうことから、ほか業務領域・業種での再チャレンジができる可能性にかけようとする人がみられることがわかります。
回答者の8割超が「将来的にも導入するべきでない」
実際に新制度の対応を主に行う経理担当者の大多数が、インボイス制度を否定的にとらえていることがわかりました。
理由としては、「事務負担の増加(82.9%)」「免税事業者の経済的負担の増加(74.6%)」が主となっていますが、「インボイス制度の内容についてよく理解できていないから(16.0%)」という理由も挙げられています。
全体像を把握できずとても複雑で難解だ、と不安に感じている人が多いとされるインボイス制度。日ごろから税務に携わっている経理担当者からの「よく理解できていない」という声です。
2022年12月から2023年8月という長期間にわたって行われた調査であることを加味して、導入を目前に控えた現時点でも同じ結果を示すとは断定できませんが、やはり複雑で難しい制度であるようです。
また、制度が導入される前で困っていることを自由回答でたずね、寄せられた回答は以下の通りでした。
調査概要
調査期間:2022年12月26日(月)~2023年8月2日(水)
調査主体:インボイス制度を考えるフリーランスの会(通称:STOP!インボイス)
調査対象:経理専任・経理兼任・経営者兼経理などを含めて、経理実務に携わっている人
有効回答数:709件
調査方法:Webアンケートツールを用いたオンライン調査
※本調査のグラフは小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計が100とはなりません。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000110508.html
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