HOMEライフスタイル 海外と比べて「日本は不便」? 国内でのライドシェアの認知は70%超、安全性への考えは……?

海外と比べて「日本は不便」? 国内でのライドシェアの認知は70%超、安全性への考えは……?

服部真由子

2023/09/26(最終更新日:2023/09/26)


このエントリーをはてなブックマークに追加

菅義偉前首相や、河野太郎デジタル相らの言及により、ライドシェア解禁に関する議論が、にわかに活発化しています。

「ライドシェア」(相乗り)は、世界各国で広がりをみせ、その市場規模は、2020年に764.8億ドル(約9兆円)、2021年から2028年までの年間平均成長率(CAGR)は16.3%を示したそうです。また、2028年には2,427.3億ドル(約30兆円)規模に達すると予測が行われているようです。

※Fortune Business Insightsのレポート「ライドシェアリング市場規模、シェア、成長、予測【2028年】」

ライドシェアサービスを生活に取り入れているという海外在住者に株式会社ロコタビがおこなった聞き取り調査の結果と、ナイル株式会社がスマートフォンユーザー向けアプリ紹介サービス「Appliv(アプリヴ)」を通して、20~60代のビジネスパーソンを対象に行った調査結果をそれぞれ紹介します。

ライドシェアとは?

ライドシェアを日本語に訳せば、文字通り「相乗り」を指します。

従来からアメリカ合衆国では、出発/目的地を同じくする人が通勤時間帯に自家用車を相乗りする「カープール型」をはじめとして「バンプール型」「カジュアルカープール型」など「相乗り」も交通手段となっていました。

現在、解禁するか議論されているライドシェアは、近年、海外で主流となっている有償サービス「TNCサービス型」を指します。

このTNCサービス型ライドシェアは、事業者が提供するスマートフォンアプリなどプラットフォーム上で、ドライバーと乗客をマッチングします。ドライバーは所有する自家用車をもって、有償で運転サービスを提供するという仕組みです。

すでに海外では広く浸透していて、米・Uber(ウーバー)、中国・DiDi(滴滴/ディディ)などが知られています。

国土交通省・国土交通政策研究所(PRI Review)資料|ライドシェアとは何か?

認知度は7割超

日常生活でタクシーを利用するビジネスパーソン463人に「ライドシェア」を知っているかをたずねると73%(338人)が「知っている」と答えています。

また、知っていると回答した338人の38.2%は、海外で利用した経験があるといいます。

ライドシェアの安全性は?

ライドシェアの安全性については、「安全だと思う(8.6%)」「比較的安全だと思う(32.8%)」と考える人が41.4%を示しました。一方で、およそ20%の人が「危険だと思う(5.0%)」 「比較的危険だと思う(15.7%)」と考えていることもわかりました。

利用者の観点で「見知らぬ人」と同乗して、万が一トラブルが発生したときや、一定の運転技術やマナーが保証されていないことなどが気にかかるという人がいても不思議ではありません。

また、実際にサービスを提供するドライバーとなったときにも不安を感じる人が、少なからずいることでしょう。

海外在住日本人の声

海外在住日本人によるタウンガイドサービス「ロコタビ」が独自に行った調査から、海外在住者たちがどのようにライドシェアサービスを利用しているか、日本の現状をとらえているかを見ていきましょう。

上海在住者・少なくとも月に2回利用

この調査に協力した人は、少なくとも月に2回、多い時には週に2回程配車アプリを利用するそうです。

ライドシェアサービスを解禁するか否かの議論を続けている日本については、「中国ではDiDiが出来た当初、運転手が乗客女性を殺害する事件が続けて発生したので、日本がサービスを解禁を検討する理由がとても理解できます。また、そもそも中国は白タク文化があり、政府としても彼らを管理できるという理由で、配車アプリの推進をした背景もあると思うので、日本とはすこし事情も異なるようにも感じますね」というコメントを寄せています。

「日本の不便は想像を絶する」ブラジル在住者

週に4回程度、家と最寄駅の移動でUberを利用するというブラジル在住日本人は「ライドシェアが普及している国の人にとって、日本の不便さは想像を絶するものです。たとえば、海外からの旅行者が"Uberありき”で頭が切り替えられず、うっかり遠出をしてしまって取り残される状況も起こり得ます」「気軽に・安全に・低コストで移動できる社会インフラだ」といいます。

現地での言葉に不自由していても、アプリでやりとりが完結することや、タクシーと比較してリーズナブルな金額で利用できることをメリットだと考えていることがうかがえるコメントです。

調査概要

調査対象:日常生活でタクシーを利用する20~60代の会社員男女463人
調査機関:株式会社ジャストシステム
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年9月20日(水)~2023年9月24日(日)
調査主体:「Appliv(アプリヴ)」
調査公開URL:https://app-liv.jp/articles/145668/
有効回答数:463人
回答者の性別内訳:男性220人・女性243人
回答者の年齢内訳:
20歳~29歳・132人、30歳~39歳・114人
40歳~49歳・80人、50歳~59歳・68人、60歳~69歳・69人

調査方法:ロコタビ登録の海外5カ国在住者への調査・ヒアリング取材
調査実施日:2023年9月18日(月)~9月21日(木)
調査主体:株式会社ロコタビ
調査国:ベトナム、台湾、中国、ブラジル、ケニア

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000413.000055900.html

      https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000146.000024321.html

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード