法人向け支出管理サービス「バクラク」を提供する株式会社LayerXは、インボイス制度導入で経理業務負担が増加し、業務担当者1人あたり月間約1〜2営業日分の「インボイス残業」が発生するという予測を公開しました。
同社が提供する「インボイス制度対応 体験キット」を使用して、社内研修を行った企業40社・200人の経理担当者が要した作業時間から、請求書の支払処理と経費精算処理の平均時間を算出。その結果に基づいた試算です。
インボイス制度とは
2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式のことです。この制度の導入は業種や事業規模の大小、営業形態に関係なく、すべての事業主に影響を与えるとされています。
国税庁|インボイス制度の概要
請求書・経費精算それぞれの追加処理時間
この調査によると、制度対応により請求書支払処理で15分/1件、経費精算の処理で5分/1件の増加が見込まれると算出されています。
算出した作業時間と企業規模(大企業・中規模企業・小規模事業者)ごとの請求書枚数、経費明細件数・領収書枚数と企業数、従業員数のデータをもとに制度対応で増える経理担当者の業務量を試算すると、担当者1人あたり月間約1〜2営業日分の負担増が示されたそうです。
負担増は経理担当者だけではない
インボイス制度は、経理業務に従事しない従業員の業務にも大きな影響・負担を及ぼします。
取引先への発注や、店舗などの利用で発行される証憑(しょうひょう・ここでは領収書・請求書など)を用意する際に、先方が適格請求書発行事業者か否かを確認するなど、法対応や確認要件などの変化による負担が増えることを予測。この場合、従業員1人あたり約7分/月の増加につながるといいます。
さらに同社は、すべてを手作業で行った場合には人件費として月に約3,413億円が‟インボイス対応コスト”として発生すると見込んでいます。
この試算において、参照したデータは以下の資料に基づいているということです。
インボイス制度対応力を向上させる取り組み
経理担当者ならびに従業員の業務負担が増えるポイントや、業務上の重要な論点ポイントなどを網羅して、試算情報が詳細にまとめられたレポートはこちらからダウンロード可能です。
さらに、株式会社LayerXは、全国の税理士・会計事務所とともに「企業のインボイス対応力向上プロジェクト」を立ち上げています。
企業に向けた「インボイス対応事前研修」の実施、インボイス制度開始後の業務が体験できる研修キット、制度理解のための解説資料の配布などで、この新制度への対応をサポートしています。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000280.000036528.html
【関連記事】
インボイス制度10月から開始 悩める‟ひとり社長”にむけた経理ガイドブック発売
会社設立を単独で行い、社員を雇うことなく全業務をひとりでこなす経営者に向けたロングセラー書籍『ひとり社長の経理の基本』。2023年10月から開始するインボイス制度に対応した新版が、8月2日(水)...
会計・税務のプロフェッショナルが個人事業主を無償サポート! 東京・下北沢のシェアオフィス「LUPO」
東京・下北沢にある「シェアオフィスLUPO」(会計事務所・株式会社LOOK UP運営)では、8月1日からシェアオフィス利用者に対して「税務・会計支援サービス」を開始します。 個人事業主や中...
証憑(しょうひょう)とは?種類や保存期間、電子保存の要件を解説
証憑(しょうひょう)とは、社内外で行われるあらゆる取引の成立を証明する書類です。証憑は売上・仕入れ・従業員にかかわるものと、それ以外のものの4種類に大別できます。 日常では使うことがない言...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう