2023年6月に決定された「女性版骨太の方針2023」では、プライム市場に上場する企業の女性役員の割合を2030年までに30%以上にする目標を掲げるなど、政府は女性がその能力を十分に発揮できる雇用環境づくりを目指しています。
株式会社帝国データバンク(以下、TBD)が7月に行った女性登用に関する調査の結果を公開。政府目標である「管理職の30%超が女性」だと回答した企業は9.8%でした。この結果は、同社が2013年に同様の調査を開始して以来、最高の水準を示したということです。
このように状況が変化している一方で、管理職が全員男性だという企業が全体の4割(45.1%)を占め、全項目のうち最も高い結果に。理想にはまだ追いつけていない‟職場のリアル”が数字に表れました。
内閣府男女共同参画局|資料・女性版骨太の方針2023
この記事は株式会社帝国データバンクが実施した調査結果に基づいています。
管理職への女性登用、小規模企業が高い平均を示す
女性管理職の割合は、「小規模企業」が平均12.6%で最も高く、規模が小さい企業ほど女性管理職割合の平均が高いことがわかります。
業界ごとにみていくと「小売」が18.6%で全体(9.8%)を8.8ポイント上回り、トップに。これは、小売業に従事する女性が多いことが理由で、女性従事者が比較的少ない「製造」「運輸・倉庫」「建設」では低水準にとどまっているからだ、と調査をおこなったTBDは見解を示しています。
今後、女性管理職は増加する……?
女性管理職の割合を今後増加させようという動きはみられるのでしょうか。
企業からの回答は、今後「増加する」と見込んでいる企業は32.9%。「変わらない」が41.6%という結果でした。
性別を問わず、家庭と仕事を両立するための支援も
女性の活躍を拡大させるために企業はどのような支援・推進策を講じているのでしょうか。
回答のトップは「性別に関わらず成果で評価」でしたが、「就業時間の柔軟化(27.8%)」「女性の育児・介護休業を取りやすくする(40.1%)」「時短勤務の対応(25.5%)」「男性の育児・介護休業の推進(15.7%)」など性別を問わず「家庭と仕事の両立への支援」となる回答が並びました。
男性育休の取得率は平均11.4%
2023年4月から従業員1000人を超える企業を対象に、育児休業について男性の取得率を公表することが義務化されたことを受けてか、企業規模が大きいほど取得率が高い傾向(20.8%で最も高く、全体を9.4ポイント上回る)が見受けられました。
「女性活躍に関する課題」として、回答企業担当者からは
「比較的年齢層の高い経営側には従来からの『女性の仕事』『男性の仕事』の固定観念があり男女間の仕事の垣根の取り除きが進まない。一方で求職側にも同様な職業観が根強く残っている(飲食料品・飼料製造)」
「 経営者が高齢であるほど男尊女卑が強く、固定観念があるため女性が管理職につきにくい (家具類小売)」
「女性管理職候補者への教育をほとんど実施していなかったためか、社員が昇進にやや消極的(機械製造)」
「男性の育休推進の必要性は分かるが、実質的に生産活動に支障をきたしてしまう。国は育休を取得させた会社に対する補助を強化するべき(輸送用機械・器具製造)」
といったコメントが寄せられたそうです。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000719.000043465.html
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