ビジネスシーンで「結構です」という意味を伝えたいのに、言い換え表現が思いつかないという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、冷たい印象を与えない「結構です」の言い換え表現を紹介。肯定するときや、否定するときに分けて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- ビジネスシーンで「結構です」を使う際のポイント
- 「結構です」を使うときの文例
- 肯定・否定するときの「結構です」の言い換え表現
「結構です」の2つの意味
「結構です」は、肯定と否定の2つの意味を持っています。
以下では、「結構です」の2つの意味を詳しくご紹介します。
肯定するとき
「〇〇について確認いただけますか」に対して「(こちらで)結構です」と使用するように、「結構です」は肯定の意味でも使用できます。
否定するとき
「コーヒーのおかわりはいかがでしょうか」などの質問に対して「(もう)結構です」と使用するように、否定の意味でも使用されています。
肯定と否定の反対の意味を持つ「結構です」を使用する際は、相手にどちらの意味で言っているか正確に伝えることを意識しましょう。
ビジネスシーンで「結構です」を使う際のポイント
「結構です」という言葉を使う際は、いくつかのポイントがあります。
以下では、ビジネスシーンで「結構です」を使う際のポイントを紹介。「結構です」を使うときに思い出してくださいね。
冷たい印象を与えないようにする
ビジネスシーンで「結構です」を使う際の1つ目のポイントは、冷たい印象を与えないようにすることです。
特に否定の意味で「結構です」という言葉を使うと、相手は突き放された気持ちになってしまう恐れがあります。
「結構です」が誤解を招きやすい言葉であることを押さえ、口に出すときは、口調や声のトーン、表情など気を付けることをおすすめします。
失礼にならないように言葉を添える
ビジネスシーンで「結構です」を使う際の2つ目のポイントは、失礼にならないように言葉を添えることです。
「結構です」だけ伝えると冷たい印象を与えるだけではなく、失礼になるかもしれません。「申し訳ありませんが、結構です」「恐れ入りますが、結構です」などと、クッション言葉を意識しましょう。目上の人に使いたい場合は、言い換えるのも一案です。
どちらの意味の「結構です」なのかわかるように伝える
ビジネスシーンで「結構です」を使う際の3つ目のポイントは、どちらの意味の「結構です」なのかわかるように伝えることです。
自分は「(もう)結構です」と思っていても、相手は「(進めてもらって)結構です」と誤解してしまうことも。
ビジネスシーンについて「YES」「NO」を正確に伝えることは非常に大切です。重大なミスを起こさないように、肯定か否定かをわかるように伝えましょう。
「結構ですか?」とは使用しない
ビジネスシーンで「結構です」を使う際の4つ目のポイントは、「結構ですか?」とは使用しないことです。
「結構です」という言葉は、「満足である」という意味合いを持っています。
「結構ですか?」と聞くのは、相手に「満足ですか?」と聞いているのと同じこと。基本的に、「結構です」は自分が主語のときに使用する言葉なので、相手に対して使うことは避けましょう。
「結構です」を使うときの文例
「結構です」の使用する際のポイントを押さえた上で、「結構です」を使うときの文例を紹介します。
- A:会議を進めてもよろしいでしょうか。
B:結構です。どんどん進めましょう。
- A:会議を進めてもよろしいでしょうか。
B:はい。私に話は振らなくて結構です。自分たちで考えて進めてください。
肯定するときの「結構です」の言い換え表現
色々誤解を招いてしまう「結構です」には、より使いやすい言い換え表現が多々あります。
以下では、肯定するときの「結構です」の言い換え表現をご紹介します。
「問題ございません」
「問題ございません」は、「問題ない」ことを丁寧に伝えた表現です。
「問題ございません」は、「結構です」よりも丁寧な響きがあります。しかし、メールや書面では、冷たく見えることもあるので注意して使用しましょう。
- A:商品Aは販売中止になっていたので、プロジェクトAの書類には入れていませんが、よろしいでしょうか?
B:問題ございません。後ほど、書類を確認いたします。
より詳細に「問題ございません」の使用例を知りたい人は「ビジネスシーンで使える「問題ない」の言い換え表現や文例を紹介」を参考にしてくださいね。
「差し支えございません」
「差し支えございません」は、「問題ない」「結構です」の言い換え表現です。
ビジネスシーンではよく使用される言葉なので、まだ覚えていない人はこれを機会に覚えましょう。
- A:納期を1日前倒しにしてもよろしいでしょうか。
B:そちらで、差し支えございません。作業を進めてください。
「お願いいたします」
「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語表現。丁寧な言葉なので、上司や取引先などの目上の人に使用しても問題ありません。
- A:〇〇くんには、新しく始まるプロジェクトに参加して欲しいのだけど
B:こちらこそ、お願いいたします。
否定するときの「結構です」の言い換え表現
次は、否定するときの「結構です」の言い換え表現をご紹介します。
「お気持ちだけ受け取っておきます」 「お気持ちだけで十分です」
「お気持ちだけ受け取っておきます」「お気持ちだけで十分です」は、必要ないことを遠回しにぼかした表現です。
ビジネスシーンでは、NOと伝えるときは、日本人らしく曖昧に伝えるほうがいいシーンもあります。強い言葉を使いにくいときに、非常に便利なフレーズなので覚えておきましょう。
- A:お飲み物のおかわりはいかがでしょうか。
B:お気持ちだけ受け取っておきます。お気遣いありがとうございます。
「どうかお気遣いなく」
「どうかお気遣いなく」は、「気を使わないでいい」ということをダイレクトに表した表現です。
「どうか」を添えることでより丁寧な印象になりますよ。
- A:東京出張のお土産は何がいいですか?
B:どうかお気遣いなく。いつもありがとうございます。
「遠慮させていただきます」
「遠慮させていただきます」は、「遠慮する」を丁寧に表した敬語表現です。
気を使いながら断っていることがわかるので、「結構です」よりも相手に良い印象を与えられるでしょう。
- A:今日は、金曜日だから飲みに行かない?
B:今日は予定があるので、遠慮させていただきます。
「お断りします」
「お断りします」は、断ることを明言しているため、誤解が生じないところがポイント。
「お断りします」だけでは、冷たく感じさせてしまうので、「恐縮ですが」「申し訳ありませんが」などのクッション言葉を添えることをおすすめします。
- A:明日の昼、勉強会があるんだけど参加しない?
B:申し訳ありませんがお断りします。すでにA社とのミーティングが入っています。
「結構です」を失礼にならないように伝えよう
- 「結構です」には肯定と否定のふたつの意味がある
- 「結構です」の後には理由や謝罪を付け加える
- 否定するときや肯定するときの「結構です」の言い換え表現を覚えよう
本記事では、「結構です」の使い方や文例、言い換え表現などをご紹介しました。
「結構です」は、肯定と否定の2つの意味を持っている言葉なので、ビジネスシーンではどちらの意味で使っているのか誤解を招かないように気を付ける必要があります。
本記事を参考に、正確に意味が伝わる言い換え表現を使ってみてはいかがでしょうか。
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