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レジリエンスとは?高い人・低い人の特徴と6つの構成要素、今すぐできる高め方

U-NOTE編集部

2023/07/14(最終更新日:2023/08/27)


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レジリエンスとは心の回復力のことで、ビジネスシーンでは「困難や危機的状況から立ち直る力」「状況を受け入れ柔軟に適応する力」として注目されています。

本記事ではレジリエンスとは何か、なぜ注目されているのかを解説。レジリエンスの高い人・低い人の特徴や6つの構成要素、今すぐできるレジリエンスの高め方も紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • レジリエンスとは何か、注目される理由は?
  • レジリエンスが高い人と低い人の特徴
  • レジリエンスを高める6つの要素と具体的な方法

 

レジリエンスとは?

レジリエンス(Resilience)は「回復力」「弾力性」を意味する言葉で、心理学の世界では特に「困難や危機的状況から立ち直り、適応していく力」を指します。

変化が激しく、困難な危機も多いビジネスの世界でも、レジリエンスは注目されています。

自己肯定感や自己効力感との違い

レジリエンスと混同されやすい言葉に「自己肯定感」や「自己効力感」があります。自己肯定感と自己効力感は特に混同されやすく、この2つの意味を正確に捉えている人は少ないです。

自己肯定感とはありのままの自分を受け入れられていることで、これが高い人は状況や周りからの評価にかかわらず、「今の自分」を自分自身で認めてあげられます。自分を尊重する力が高い人ともいえるでしょう。

自己効力感とは、目標を果たすための力を自分が持っていると思えることです。これが高い人は困難な状況でも「自分ならできる」と思うことができ、状況に屈することなく活路を見出そうとできるでしょう。

自己肯定感や自己効力感が高まれば、レジリエンスも高まります。自分を認め尊重する自己肯定感は、精神の回復力を高めてくれるでしょう。困難があっても「自分ならできる」と思える力は、状況に適応する力を高めます。

レジリエンスが注目される背景

レジリエンスが注目される背景にはさまざまな要素がありますが、大きな一因として「変化のスピードが早くなったこと」が挙げられます。

インターネットの登場やグローバル化により、社会が変化するスピードが早くなりました。特に近年ではコロナ禍による新しい生活様式の普及もあり、大きな変化がいつ訪れるかわからないことに、多くの人が気付きました。

コロナ禍の例でいえば、飲食店ならデリバリーやテイクアウトにいち早く対応したお店が、小売ではECの重要性にいち早く気付いた企業が生き残りやすい状況にあったといえます。

レジリエンスを高めることで、困難や危機的状況に直面しても立ち直り、活路を見出すための試行錯誤ができるでしょう。

これはお店や企業だけでなく、個人レベルでも大切なことです。個人のレジリエンスが高まれば組織のレジリエンスも高まります。

 

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスが高いとはどういうことなのか、レジリエンスの高い人のメンタル・習慣・行動の面から見ていきましょう。

メンタル面の特徴

レジリエンスが高い人のメンタルは非常に安定しています。メンタルを安定させるためには、先述の「自己肯定感」「自己効力感」などが大切です。

誤解されがちなのが、レジリエンスが高い人はメンタルが強く、滅多なことではネガティブにならないということです。たしかにこのような人もいますが、レジリエンスの高い人でも当然落ち込むこともあります。

大切なのは落ち込んだ状態から元に戻る力です。わかりやすくするために、人の心をボールに例えてみましょう。

硬い材質でできたボールは滅多なことではへこみませんが、強い衝撃を与えると割れてしまい、二度と元には戻りません。人の心でいえば我慢強い人、妥協ができない人がこれにあたります。耐えている間は良くても、一度挫けるとなかなか立ち直ることができません。

反対に、やわらかい材質でできたボールはすぐにへこみますが、元に戻るのも早いです。高いところから落としてもポヨンと弾み、壊れることはありません。

人の心でいえば、これがレジリエンスが高いということです。困難や危機的状況にへこむことはあっても、状況を受け入れ、「じゃあ、どうしようかな?」とへこんだ心がポヨンと元に戻るのです。

習慣面の特徴

レジリエンスが高いと、心がへこんでしまってもすぐに元の状態に戻れます。このような精神を維持するには、健康的な生活習慣が大切です。具体的には、レジリエンスが高い人は次のような習慣があります。

  • 栄養バランスの取れた食事を摂る

  • 7時間半以上の睡眠を取る

  • 早寝早起きをしている

  • 生活リズムが安定している

  • 軽いものでいいので、定期的に運動をしている など

昔から「健全な精神は健全な肉体に宿る」といいます。このような肉体的なアプローチが、結果的に精神の安定につながるのです。

行動面の特徴

レジリエンスの高い人の行動には次のような特徴があります。

  • 思い立ってから行動に移すまでが早い

  • 自分にとっての価値を大切にする

  • 自分と他人を比較しない

  • 過程を大切にする など

これらの行動は安定した精神の表れであり、精神を安定させるには健康的な習慣を心がけるのが近道です。「習慣→精神→行動」の順番を意識することで、レジリエンスを高めやすくなるでしょう。

 

レジリエンスが低い人の特徴

レジリエンスが低い人の特徴を紹介するので、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

メンタル面の特徴

レジリエンスが低い人のメンタルには、次のような特徴があります。

  • 他人と自分を比較し、自分を卑下する

  • 心の中で使う言葉にマイナスなものが多い

  • 不安になったとき、なぜ不安なのか原因を考えない

  • 自分の価値を自分で決められず、周囲からの評価ばかり気にする など

習慣面の特徴

レジリエンスが低い人の習慣には、次のような特徴があります。

  • 睡眠時間が短い

  • 全く運動をしない

  • ジャンクフードを好み、よく食べる

  • 偏食であり、栄養バランスが偏っている

  • 生活リズムがバラバラで、特に嫌なことがあると乱れやすい

行動面の特徴

レジリエンスが低い人の行動には、次のような特徴があります。

  • やりたくないことを後回しにすることが多い

  • 人に聞くことが多く、自分で考えようとしない

  • 不安になると何も手をつけられなくなる

  • 姿勢が悪く、身体のどこかが常に痛い

  • 自ら主体的に行動することが少ない など

 

6つのレジリエンスコンピテンシー

レジリエンスには6つの「レジリエンスコンピテンシー」があります。コンピテンシーとはパフォーマンスが高い人に共通する行動特性のことです。

6つのレジリエンスコンピテンシーについて知ることで、どんな能力を、どう鍛えていけばいいのかが見えてきます。

自己認識

1つ目のレジリエンスコンピテンシーは「自己認識」、つまり自分のことをきちんと理解していることです。

自分の思考や行動のパターン、どんなときにどんな気持ちになるのかを把握できれば、自己コントロールがしやすくなります。

自己認識を高めるには周りの人に自分について聞いてみたり、お風呂や自然の中で自分について見つめなおす時間を設けたりするのが有効です。

セルフコントロール

2つ目のレジリエンスコンピテンシーは「セルフコントロール」です。自分を律したり、ネガティブな感情から意識的に立ち直ったりする力のことです。

セルフコントロール力を高めるには、規則正しく健康的な生活習慣が欠かせません。糖分や脂質の多い食事、特にジャンクフードを避けること、少しきつめの運動を習慣化することも役立ちます。

特に運動の習慣化は効果的で、物事の先延ばしと、それによる精神的な落ち込みを防ぎやすくなるでしょう。

精神的柔軟性

3つ目のレジリエンスコンピテンシーは「精神的柔軟性」です。精神的柔軟性とは、こだわりを捨てて物事を受け入れ、柔軟に対応したり冷静に判断したりする力を指します。

精神的柔軟性を高めるにはいくつかの方法がありますが、手っ取り早いのが「心の中の独り言では一人称ではなく、二人称や三人称を使う」というものです。

たとえば「イライラするなぁ」「もう疲れた…」ではなく、「あなた今イライラしてませんか?」「太郎さん、疲れがたまってるみたいだね」などと、他人に話しかけるように自分に話しかけましょう。

こうすることで自らの思考と距離を置くことができ、自分を客観視できるようになります。人間は自分のことよりも他人のことの方が冷静な判断が下せるため、このような方法で自分を客観視することが有効なのです。

現実的楽観性

4つ目のレジリエンスコンピテンシーは「現実的楽観性」です。楽観性は物事をポジティブに捉えることですが、何でもかんでもポジティブに捉えるのではなく、現実的な根拠を持って楽観視するのが現実的楽観性です。

現実的楽観性を高めるうえで大切なのは、物事のポジティブな面とネガティブな面の両方に注目することです。ネガティブ面を認識したうえでポジティブ面に意識的に注目し続けることで、悲観的になることも、非現実的になり判断を誤るリスクも避けられます。

自己効力感

5つ目のレジリエンスコンピテンシーは「自己効力感」です。先述の通り、自分の力で状況を何とかできると思う力で、自己効力感の高さはレジリエンスの土台ともいえます。自己効力感を高めるうえでも習慣化は役立ちます。

人とのつながり

6つ目のレジリエンスコンピテンシーは「人とのつながり」です。人と信頼関係を築く力、それを維持する力がこれにあたります。

人とのつながりを深めるには、相手の良い面に注目することが大切です。良い面に注目し、相手への好感を高めることで、良いコミュニケーションが自然とできます。

もっと簡単にできる方法として、どんな小さなことでも人から何かしてもらったら「ありがとう」と伝えるのもおすすめです。

相手の目を見てありがとうと言うことで、感謝の気持ちが自然とわき上がってきます。感謝の気持ちは人間関係を円滑にする、潤滑油のような働きをしてくれるでしょう。

 

レジリエンスを高める方法

最後に、レジリエンスを高める方法を紹介します。

まずは規則正しい生活を

レジリエンスを高めるために、まずは規則正しい生活を心がけましょう。規則正しい生活は精神を安定させ、安定した精神の上に高いレジリエンスが築かれます。

毎日同じ時間に寝起きすること、遅くとも0時までには床に就き、7時間半以上は眠るようにしましょう。

食事は適切な栄養バランスと、自分に合った回数で

精神を安定させるためには食事も重要です。肉・野菜・魚などをバランスよく食べること、過剰な塩分や糖分、脂質は避けましょう。特にジャンクフードは避けるべきで、たまに食べるくらいにしておきたいです。

また、「1日3食」に固執することなく、自分に合った回数の食事を取ることが大切です。食事をすると消化に大きなエネルギーがかかり、血液も消化器官に集中します。胃を休める時間をつくってあげると脳に血液が行きわたりやすくなります。

これにより頭がすっきりとして、生産性高く1日を過ごせるでしょう。生産性の高い1日を送ることは、自己効力感のアップにつながります。

男性なら16時間、女性なら14時間の何も食べない時間をつくる「プチ断食」もおすすめです。ただし、断食には合う・合わないがあるので、様子を見ながら慎重に行ってください。

心の中の未解決な問題と向き合ってみる

レジリエンスを高めようとする前に、心の中に未解決な問題がないか探してみましょう。もし何か問題があるなら、それに向き合い、少しずつでも解決していくことが大切です。

「自分はこんな問題を抱えているのか」と気付き、それを受け止めることで、自己肯定感が高まります。問題と向き合い解決の道を探っていく過程で、自己効力感も育まれていくでしょう。

ただ、このような問題と向き合うのは辛いです。そこでおすすめなのが、森や山などの自然の中で、問題と向き合う時間をつくることです。

自然には人間の精神を癒す力があります。問題と向き合うことで疲れた精神が自然の力で回復し、より長く深く問題について考えられるでしょう。

小さな目標達成、習慣化を大切にする

レジリエンスを高めるうえで自己効力感は大切です。自己効力感は、小さな目標達成を積み重ねることで高めていけます。特におすすめなのが「習慣化」です。

何か新しい習慣を身につけるということは、「これを習慣にするんだ」と自分で決め、毎日それを実行することです。

言い換えれば、毎日小さな目標達成をすることであり、この積み重ねが「自分ならできる」という信念を強固にしてくれます。

失敗を経験と捉え、後悔ではなく反省する

レジリエンスは失敗をそのまま失敗として捉えるのではなく、「経験」と捉えます。「こうしたら失敗するということがわかった」「じゃあ、次はこのやり方を試してみよう」と考えることで、立ち直りが早くなります。

また、何かを失敗したときに後悔するのではなく、反省することも大切です。後悔とは「どうしてあんなことをしちゃったんだろう」「あのときこうしていれば…」と悔いることです。後悔ばかりしていてもネガティブな気持ちになるだけで、解決策や改善点などは見つけられません。

ただ、後悔には「同じ過ちをくり返さないぞ」という気持ちを強める力があります。失敗した直後に強く短く後悔し、十分に後悔したら気持ちを「反省」に切り替えることが大切です。

自己開示と他者理解を軸にコミュニケーションを見直す

レジリエンスの6つのコンピテンシーの中に「人とのつながり」があります。これを強化するためにはコミュニケーションの見直しが必要です。自己開示と他者理解を軸に、人との関わり方を見つめなおしてみましょう。

自己開示とは心をオープンにして、自分のことを相手に伝えることです。まずは自分から心を開き、自分の話をすることで、相手も心を開いてくれます。

相手が話をしているときは真摯に耳を傾け、相手がどんな人なのか、なぜこの話をしてくれたのか理解することに努めましょう。

広く浅いつながりも大切にする

レジリエンスでは人とのつながりが大切です。狭く深くもいいですが、広く浅いつながりも大切にしましょう。

人間関係が狭いと、困難や危機的状況に直面したときに相談できる相手も少なくなります。つながりの深い相手は真剣に話を聞いてくれるかもしれませんが、人数が少ないため、得られるフィードバックも限られます。

浅くても広い人間関係があれば、いろいろな人に相談し、より多くのフィードバックを得られるでしょう。ライトな関係だからこそ気軽に話せるということもあります。

 

レジリエンスの高い人はビジネスで成功しやすく、幸福になりやすい

本記事のまとめ
  • レジリエンスとは心の回復力のこと
  • レジリエンスが高い人の行動習慣を真似してみよう
  • レジリエンスが高い人は公私において充実した人生を送れる

レジリエンスとは心の回復力のことです。困難や危機的状況に直面したときの立ち直りの早さ、状況を受け入れそれに適応する力がレジリエンスです。

レジリエンスが高い人は規則正しく、健康的な生活習慣を持っています。健康的な生活習慣は精神の安定につながり、安定した精神は思考力や行動力を高めてくれます。

近年ではビジネスシーンでもレジリエンスが重視されるようになりました。レジリエンスが高い人は変化の激しい現代のビジネスシーンにおいて欠かせない力です。自分を受け入れ尊重する力も高いので、プライベートでも幸福感を得やすいでしょう。

本記事を参考に、自身のレジリエンスについて、見直し、高めるための行動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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