退職者がいる際に書く機会のある「寄せ書き」。親しくしている場合も、あまり関わりのない場合も、メッセージを求められることがあります。何を書くべきなのか迷うことも多いでしょう。
そこで本記事では、そんな寄せ書きメッセージの文例をご紹介。心のこもったメッセージを贈り、今までの苦労を労ったり、感謝を伝えたりする文面を確認してみてください。
- 寄せ書きにメッセージを書くときの注意点を解説
- 相手別の送別メッセージをご紹介
- 寄せ書きにプラスして贈りたい心に残る送別内容
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときのポイント
退職される方へのメッセージは、相手によって内容を変えるためなかなか書き慣れないものです。内容に不安がある場合でも、失礼がないようにポイントを抑えておけば大丈夫。寄せ書きに退職者への送別メッセージを書く時の5つのポイントをご紹介します。
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときのポイント
- ポイント1.具体的なエピソードを交えた、感謝の気持ちを書く
- ポイント2.初対面と現在の印象や人柄を比べる
- ポイント3.今後の幸せをお祈りする
- ポイント4.ネガティブなことは書かない
- ポイント5.適切な距離感を守って記入する
ポイント1.具体的なエピソードを交えた、感謝の気持ちを書く
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときの1つ目のポイントは、具体的なエピソードを交えた、感謝の気持ちを書くことです。
寄せ書きは1人分のコメントスペースが限られているため、どうしても他の方と似たような文章になってしまいがちです。定型のようなメッセージだと、相手にも感謝の気持ちが伝わりません。冗長的な表現はなるべく削り、具体的なエピソードを交えてお世話になった感謝の気持ちを書きましょう。
ポイント2.初対面と現在の印象や人柄を比べる
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときの2つ目のポイントは、初対面と現在の印象や人柄を比べて書くことです。
付き合いのなかで大きく変わった点や印象を述べると、相手は自分を見てくれていたんだという嬉しい気持ちになります。その場合、なるべくポジティブな面を書き出しましょう。
ポイント3.今後の幸せをお祈りする
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときの3つ目のポイントは、今後の幸せをお祈りすることです。
メッセージを締める一言として、退職者の幸せをお祈りする言葉を入れるのもおすすめです。新しい職場での活躍についてや健康面など、退職者に合わせて幸福をお祈りしていることを伝えましょう。
ポイント4.ネガティブなことは書かない
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときの4つ目のポイントは、ネガティブなことは書かないことです。
ネガティブなこととは、相手に失礼だったり、気分を悪くしたりする内容のことです。転職の否定、過去の嫌な出来事などを書くのはやめましょう。
ちなみに、相手の退職を「悲しい」「残念」と思う気持ちはごく自然なことです。そう思ってもらえたということを伝えるのは、相手にとって嬉しく感じられるはずなので失礼がない程度にメッセージに含みましょう。
ポイント5.適切な距離感を守って記入する
寄せ書きに退職者への送別メッセージを書くときの5つ目のポイントは、適切な距離感を守って記入することです。
上司・先輩・同期・部下など、退職者との関係性によってメッセージの内容は変えましょう。例えば、上司や先輩宛なのであれば目上の方に対する敬意を示すことが大切。やや堅苦しく感じるくらいの丁寧な文面がベターです。
同期や部下は、ややカジュアルな内容でも問題ないとされています。しかし、接点が少なかった相手に対してはフランクすぎても良くないので、そこも距離感を確かめてからメッセージを考えるようにしましょう。
寄せ書きに書く退職者への送別メッセージ15選
寄せ書きに書くメッセージは、退職者別に書き分けるようにしましょう。定型文を使い回ししていることは、受け取った側には意外にも感じ取られてしまうものです。基本的なメッセージをいくつかご紹介するので、文章を考える際の参考にしてみてください。
上司
上司への送別メッセージは、細部の言葉遣いまで気を配ることが大切です。失礼にならないように注意を払いつつ、退職理由にあった内容の文章を考えます。
<親しい上司の場合>
◯◯部長、長い間大変お世話になりました。新卒で入社した自分が社会人として一人前に成長できたのは、◯◯部長のフォローがあったからです。
◯◯部長から教わったことをいつも思い出し、今後も業務に励みます。本当にありがとうございました。
<あまり親しくない上司の場合>
◯◯部長、長い間お疲れ様でした。◯◯部長の◯◯なところを陰ながら尊敬しておりました。
◯◯部長がご退職されるのは非常に寂しいですが、◯◯部長のようになれるように今後も業務に励みます。◯年間、本当にありがとうございました。
<転職する上司の場合>
◯◯部長、この度は転職おめでとうございます。◯◯部長の◯◯な姿は、私の一番の目標でした。◯◯部長の新天地でのご活躍を心からお祈りしています。
◯年間、本当にありがとうございました。
先輩
先輩への送別メッセージは、親しい間柄でも敬語を使うことを忘れないように注意しましょう。上司へのメッセージほど堅い言葉遣いではなくても問題ありません。
<お世話になった先輩の場合>
◯◯さん、今までお疲れ様でした。先輩の業務への向き合い方を尊敬し、自身の目標としておりました。
先輩がいなくなってしまうのは寂しいですが、教わったことを忘れずに今後も頑張ります。新天地でのさらなるご活躍をお祈りしています。
<異動する先輩の場合>
◯◯さん、ご栄転おめでとうございます。短い間でしたが、◯◯さんの元で働けた◯ヶ月は自分にとって貴重な経験となりました。
ご一緒する機会は少なくなると伺っております。どうかお身体にはお気をつけてくださいね。さらなるご活躍をお祈りしています。
<退職する先輩の場合>
◯◯さん、ご勇退おめでとうございます。右も左もわからなかった私に、優しく時には厳しくご指導してくださったおかげで、今の私があります。
健康に留意して、第二の人生も◯◯さんらしくお過ごしください。
同僚
同僚への送別メッセージは、湿っぽくならないようフランクな内容にするのがポイント。同僚は先輩や上司に比べて、退職後も交流しやすい相手なので、そうした一言も入れて問題ありません。
<異動する同僚の場合>
◯◯さん、入社からの◯年間お疲れ様でした。◯◯さんは非常に仕事が早く、自身の意見もきっぱりと話せるところが私の憧れでした。
異動先での関わりは少なくなるけれど、お互いに違う場所でも頑張っていきましょう。こちらに来ることがあれば、ご飯に行きたいので声を掛けてね。
<転職する同僚の場合>
◯◯さん、お疲れ様でした。トラブルが起きたときに二人で対応したり、企画をじっくりと考えたり、◯◯さんが同期だったからこそできたことがたくさんありました。
別の場所で新たなスタートを切るわけだけど、これからも一緒に頑張っていこう。またランチ行こうね。
<あまり関わりのない同僚の場合>
◯◯さん、◯年間お疲れ様でした。他部署だったけれど、◯◯さんの仕事の評判は聞いていて、自分の刺激になっていました。
新天地でも◯◯さんらしく頑張ってね。落ち着いたら同期会を企画して、また美味しいご飯を食べに行こう。
後輩
後輩への送別メッセージは、先輩としてサポートしてきたからこそ言える内容を入れましょう。初対面の印象からどんな風に変わったかや、今までの活躍に触れます。
<転職する後輩の場合>
◯◯さん、今までお疲れ様でした。入社時は業務の一つひとつに対して丁寧に取り組む姿が印象的でした。今はその丁寧さに加えて、成果を出す積極性も備わり、見ていてとても安心感がありました。
転職先で一緒に仕事をする機会があるかもしれないですね。その時を楽しみにしています!お元気で。
<退職する後輩の場合>
◯◯さん、◯年間お疲れ様でした。今とは別の分野に進むための前向きな退職、とても◯◯さんらしい決断だと感じました。新たなキャリアも持ち前の度胸と真面目さで切り拓いていくことを楽しみにしています。◯◯さんのチャレンジを応援しています。
<あまり関わりのない後輩の場合>
◯◯さん、今までお疲れ様でした。人一倍責任感が強い◯◯さんの仕事への取り組み方から、私も学べることが多くありました。
新しい職場でも◯◯さんの良さを生かしつつ、周囲に刺激を与えるような存在でいてください。これからも頑張ってください!
関わりが少なかった相手
関わりが少なかった相手への送別メッセージは、何を書いたら良いか迷ってしまうもの。無理に話を膨らませて書いてしまうと、それは相手にも伝わります。正直かつ簡潔に感謝の気持ちや応援している気持ちを伝えるよう意識しましょう。
<あまり関わりのない先輩の場合>
◯◯さん、◯年間お疲れ様でした。先輩には入社式後の懇親会で優しく話しかけていただいたことを覚えています。声をかけてくださったおかげで緊張がほぐれ、すぐに馴染むことができました。
関わる期間は短かったですが、お世話になりました。先輩の今後のご活躍をお祈りしています。
<あまり関わりのない方が異動する場合>
◯◯さん、ご栄転おめでとうございます。◯◯さんの元で仕事ができる同期のことを羨ましく思っておりました。
私自身も◯◯さんのようになれるように精進いたします。新天地でのご活躍を陰ながらお祈りしています。
<あまり関わりのない方が退職する場合>
◯◯さん、今までお疲れ様でした。一緒のプロジェクトに参加することはほとんどありませんでしたが、同僚から◯◯さんが活躍される様子をいつも聞いていました。
新たな門出を心から応援しています。またいつかお会いできる日を楽しみにしています。
お世話になった人の心に残る送別方法
お世話になった方の心に残る送別方法もあります。寄せ書きに加えてこれらを一緒に贈ることで、この会社で働いてよかったなと最後に思ってもらうことが可能です。退職日までに時間がある場合は、寄せ書き以外の送別方法も検討してみてください。
思い出の写真を使う
お世話になった人との思い出の写真があれば、寄せ書きとは別にアルバムを作るのもおすすめ。画用紙やフリーのアルバムを購入して自作すれば心がこもって相手に喜ばれます。手間はかかるものの、制作の背景込みで思い出になるため、時間に余裕がある場合はなるべく手作りにしましょう。
送別のタイミングまであまり時間がない場合は、ツールを使うのもおすすめ。写真はツールで入れて、メッセージは手書きにするなどの方法があります。
簡単な動画を作る
お世話になった方が多い場合は、アルバムではなく動画メッセージにしても良いかもしれません。撮影や編集の時間はかかるものの、退職される方への気持ちが伝わりやすく、手間をかけた分喜ばれる可能性があります。
動画を作る場合は、1人あたりのメッセージの長さはきちんと決めておきましょう。撮影スケジュールを組んだり、動画の構成をあらかじめ決めておいたりすることでスムーズに動画を作ることが可能です。
プレゼントを贈る
退職者へのプレゼントは、関係性によって渡すかどうかを決めます。花束だけでも喜ばれますが、親しい方の場合にはちょっとしたギフトを贈ることも検討しましょう。
その際、自分ひとりからのプレゼントとするのではなく、会社や部署、チーム単位でギフトを手渡すのがおすすめ。自分ひとりから手渡す場合には、他の方に気を遣わせないよう、個別に贈りましょう。
似顔絵を準備する
送別会の思い出をより特別なものにするのなら、似顔絵を準備することも検討してみてください。メッセージを入れた似顔絵を贈れば、部屋や玄関に飾ったりできます。
そっくりに描いてもらえる似顔絵サービスや、ユニークな表現の似顔絵サービスなど、さまざまあります。退職者が喜んでくれそうなテイストで選びましょう。
お花を送る
退職される方がいる場合、感謝の気持ちや卒業の記念としてお花を贈るのは一般的。華やかですし、部屋に飾ってしばらく楽しめます。退職日に手渡すことができるよう、事前に花束を用意しておきましょう。
花束のサイズは派手すぎないものがベター。荷物にならないように配慮しつつ、程よく華やかな大きさのものがおすすめです。一般的には、退職者のイメージカラーが選ばれます。
退職者に贈る寄せ書きに素敵な送別メッセージを書こう
- 送別メッセージはポジティブな文面を心がける
- 関係性に関係なく、定型文ではない送別メッセージを考える
- 寄せ書きに加えて写真や動画、お花などのプレゼントも贈るとより感謝が伝わる
退職はどんな理由であれ、明るい気持ちで送り出すのが基本。これまでの頑張りを労う他、退職される方のどんな部分に感謝しているのか、具体的なエピソードも交えると相手に喜ばれます。退職者のこれからが幸せなものになるよう、思いを込めて素敵なメッセージを書きましょう。
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