ビジネスシーンで「できない」と伝えるときは、その伝え方や言葉遣いに注意する必要があります。
本記事では、「できない」という気持ちを伝える際のポイントや、「できない」の言い換え表現・例文をご紹介します。相手にやる気がないという印象を与えない、「できない」の言い換え表現を学んでいきましょう。
- ビジネスシーンでは「できない」は使わないほうがいい表現
- 「できない」という気持ちを伝える際のポイント
- 「できない」の言い換え表現・例文
ビジネスシーンでは「できない」は使わないほうがいい表現
ビジネスシーンにおいて「自分の能力やスケジュール的にできないな」と思う仕事があるのは当然です。
しかし、ビジネスシーンでは、「XXはできません」「できません……」のように、言葉を選ばずにそのまま伝えるのは避けたいもの。
日常生活でも使うカジュアルな表現なので、幼稚な印象を与えかねません。また、「できない」は敬語でないため、相手は不快に思ってしまうおそれがあります。
対処できないようなタスクを振られたときは、「できない」ではなく、言い換え表現を使って丁寧にお断りしましょう。
「できない」という気持ちを伝える際のポイント
「できない」ことを他の言葉でどうやって伝えればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
以下では、「できない」という気持ちを伝える際のポイントをご紹介します。
1.「〜できません」と伝えるのはNG
「できない」という気持ちを伝える際の1つ目のポイントは、「〜できません」と言わないことです。
すでにご紹介した通り、「〜できません」と直接的にNOを伝えるのは、社会人としてふさわしくありません。直接的な表現を避け、柔らかい言い換え表現や、代替案を提案するのが吉。
「言葉の伝え方を変えても言っていることは同じではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、『人は話し方が9割』という本にもあるように、話し方や伝え方を変えるだけで驚くほど人間関係は良好になります。
話し方を改善して、人に好印象を与えたいと願う人は「audiobook.jp」で3月の人気ランキング1位の『人は話し方が9割』を読んでみてはいかがでしょうか。
参考:【オーディオブック3月人気ランキング】会話のコツを学べる『人は話し方が9割』が1位を獲得!上位は「自己啓発」テーマが集結。
2.できないことだけではなく、理由や謝罪を伝える
「できない」という気持ちを伝える際の2つ目のポイントは、できないことだけではなく、理由や謝罪を伝えることです。
例えば「〇〇はいたしかねます」と丁寧な表現でできないことを伝えても、相手は拒絶されたと感じてしまうこともあるでしょう。
相手の依頼を叶えられないことに対して、申し訳なく思っている気持ちや、依頼を断る理由などを丁寧に伝えると、相手もそれほど不快な気持ちにならないはずです。また、できない理由を丁寧に伝えることで、お互いの妥協点を見いだせる可能性があります。
例えば「残念ですが、X日はスケジュールが埋まっているため、ミーティングには参加いたしかねます。」などと、丁寧に伝えられるといいですね。
3.クッション言葉を使用する
「できない」という気持ちを伝える際の3つ目のポイントは、クッション言葉を使用することです。
クッション言葉とは「申し訳ありませんが」「お忙しい中恐縮ですが」などの、話の本題に入る前に使用するクッションのような言葉のことをいいます。
「できない」ことを伝える際に、クッション言葉を使うと柔らかく聞こえますよ。
クッション言葉を学びたい人は「ビジネス枕詞とは?クッション言葉一覧をシーン別に紹介」を参考にしてください。
4.代替案を提案する
「できない」という気持ちを伝える際の4つ目のポイントは、代替案を提案することです。
代替案を伝えることで、やる気がある・積極的だという印象を与えられます。代替案を提案する際は、できるだけ具体的に伝えると説得力が高まりますよ。
- 〇〇に関するプロジェクトが終了目前で、XXに関するプロジェクトには対応致しかねます。〇〇に関するプロジェクトが終了する6月中旬頃なら、スケジュールは空いていますが、いかがでしょうか。
「できない」の言い換え表現・例文
「できない」には、「できかねる」「お断りせざるを得ない」など様々な言い換え表現があります。
すべての表現を覚える必要はありません。使ってみたいなと思うフレーズを押さえて、実際にビジネスシーンで使用してみましょう。
できかねる
「できかねる」は、「できない」を丁寧に言い表す表現。少し語尾を変えるだけで、社会人らしい言葉遣いに変わります。
- 申し訳ありませんが、本日分のチケットは売り切れてしまいました。購入はできかねますので、なにとぞご容赦のほどをよろしくお願いいたします。
- 誠に申し訳ありませんが、お客様都合での返品はお受けできかねます。
お断りせざるを得ない
「お断りせざるを得ない」は、相手の依頼やお願いを断るときに使用する表現です。
- ご提案いただいたプロジェクトに関して、弊社としてはお断りせざるを得ない状況です。
- 予算が限られているため、お断りせざるを得ません。
見送る
「見送る」は、相手の依頼やお願いを断ることを遠回しに伝える表現です。
特に、ビジネスシーンでは「見送らせていただきます」というフレーズが頻繁に使われるので、覚えておくことをおすすめします。
- 大変申し訳ありませんが、今回は予算の関係から見送らせていただきます。
- 他に優先するべき案件があるため、〇〇プロジェクトの参加は見送ることにしました。
辞退させていただきます/辞退いたします
「辞退させていただきます」「辞退いたします」は、遠慮しながら断るときに使用する表現です。
「辞退させていただきます」を二重敬語であり間違った言葉遣いではないかと思う人もいるのではないでしょうか。
「辞退させていただきます」は、「辞退する」+「させていただく(させてもらうの尊敬語)」であるため、二重敬語ではありません。
「辞退させていただきます」に違和感がある人は、「辞退いたします」「ご辞退申し上げます」などを使用するといいでしょう。
- ご招待いただき大変光栄ですが、今回は参加を辞退させていただきます。
- スケジュールの都合上、申し訳ありませんが、参加をご辞退申し上げます。
対応いたしかねます
「対応いたしかねます」は、対応できないことを伝える丁寧な表現です。
「対応いたしかねます」は「ご対応いたしかねます」と表現することもあります。どちらのフレーズも間違いではないため、安心してビジネスシーンで使用できます。
- 誠に申し訳ありませんが、商品Aはすでに廃盤となっているため、対応いたしかねます。類似商品であればご準備できますが、いかがでしょうか。
- 現在、リソースが不足しておりまして、新たなプロジェクトには対応いたしかねます。
「できない」を正しい敬語で伝えよう
- 「〜できない」ではなく「できかねる」「見送る」などの言葉を使おう
- クッション言葉を使用したり、代替案を提案したりすることを意識しよう
- できないことだけではなく、理由や謝罪もあわせて伝えよう
本記事では、「できない」の言い換え表現や、「できないこと」を伝える際のポイントなどをご紹介しました。
ビジネスシーンでは、できないものであっても率直に「できません」というのは避けたいもの。すぐに言葉に出すのではなく、どう伝えたら印象を悪くしないのか考えてみましょう。
本記事を参考に、「できない」の正しい敬語を学び、ビジネスシーンで使ってみてはいかがでしょうか。
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