通信機器の裏側に貼ってあるラベルで確認できる「MACアドレス」。12ケタの英数字で構成されているのが特徴です。実は、インターネットを通じてデータのやり取りをする際、このMACアドレスは重要な役割を果たしています。
本記事では、そんな「MACアドレス」について基本的な知識を解説します。IPアドレスとの違いや各機器での調べ方などもご紹介します。
- MACアドレスの数字の意味やIPアドレス・物理アドレスとの違い
- Windows・macOS・ルーターでMACアドレスを調べる方法
- MACアドレスは変更できるのか解説
MACアドレスとは?
MACアドレスとは「XX-XX-XX-XX-XX-XX」と12個の英数字で表されるアドレスのことです。ネットワークに接続する全ての機器に割り当てられています。知っておいて損はないIT知識のひとつなので、この機会に基本を学んでおきましょう。
MACアドレスはベンダーに与えられているもの
MACアドレスは、「Media Access Control Adress」の略で、通常ベンダーに対して与えられています。ベンダーとは、Webシステムなどのサービスを販売・提供している会社のことです。
MACアドレスはベンダーに与えられ、ベンダーがパソコンやルーターなどのネットワーク機器に割り振ります。有線LAN・無線LAN・スマートフォンなど、さまざまな機器がそれぞれのMACアドレスを持っており、基本的に重複することはありません。
物理アドレスとMACアドレスとの違い
MACアドレスは、別名「物理アドレス」とも呼ばれています。両者に違いはなく、ハードウェア固有の番号として、全ての通信機器にはMACアドレスもしくは物理アドレスが割り当てられています。
IPアドレスとMACアドレスとの違い
MACアドレスがインターネット機器の識別番号だとしたら、「IPアドレス」はインターネットを利用する時の通信機器の住所を表す番号だと言われています。
MACアドレスが次にどこに情報を届けるのかを示す際に使われるのに対して、IPアドレスは最終的にどこに情報を届けるのかを示す際に使われます。
例えば、郵便を送る場合に目的とする住所はずっと変わりませんが、届けるまでに郵便局や配達を担当する営業所などを経由します。この時、最終的な送り先は「IPアドレス」であり、途中経由される荷物の渡し先の情報は「MACアドレス」が使われるのです。
MACアドレスが存在する理由
MACアドレスは、ネットワーク機器同士でやり取りをする際に使われます。例えば、Youtubeで動画を観たり、友達に画像をシェアしたりと、インターネットを介して行われる行為には、必ずMACアドレスが使用されています。
ネットワーク機器は固有のMACアドレスを元にデータのやり取りをする先を決めているので、MACアドレスがなければ届けたい相手に届けたい内容を届けることができなくなってしまいます。
MACアドレスの数字の意味
MACアドレスは12個の英数字から成り立っています。数字は0〜9まで、ローマ字はA〜Fまでと決まっており、第1オクテットから第6オクテットまでにより構成されています。
この第1オクテットから第3オクテットまで、前半の6ケタは「ベンダー識別子」と呼ばれ、ネットワーク機器の製造会社を表します。一方、第4オクテットから第6オクテットまでの後半の6ケタは「ベンダー内管理番号」を表しています。これはベンダーが重複しないように管理している番号のことです。
MACアドレスはこの2つの組み合わせにより構成されている番号です。
MACアドレスの調べ方
MACアドレスはインターネット通信を行う全ての機器に与えられています。情報が必要な時にさっと調べられるよう、Windows・macOS・ルーターそれぞれのMACアドレスの調べ方を覚えておきましょう。
Windows
WindowsでMACアドレスを調べるには、まずスタートメニューから「設定」をクリックします。その後、Windowsの設定メニューから「ネットワークとインターネット」を選択。「ネットワークのプロパティを表示」を選んだら、MACアドレスがわかります。
Windowsの場合、「物理アドレス(MAC):」の項目に書かれているのがその機器のMACアドレスです。
macOS
macOSでMACアドレスを調べるには、まず左上のアップルメニューの画面で「システム環境設定」のボタンをクリックします。
設定メニューが表示されたら「ネットワーク」を選択します。
Wi-Fiが表示されている画面で一番下までスクロールし、右下にある「詳細設定」をクリックしましょう。
これでMACアドレスが表示されます。
ルーター
ルーターのMACアドレスを確認する方法は、非常に簡単です。ルーターの場合、MACアドレスは下部や背面に記載されていることがほとんど。製品名やMACアドレスが印字されたラベルが貼り付けてあるので、すぐに確認することができます。
MACアドレスはふたつ存在することもある
基本的に、MACアドレスは1つの通信機器につき1つのみ与えられるので重複することはありません。使用しているパソコンやスマートフォンで2つのMACアドレスが確認できる場合、有線LANと無線LANの両方のMACアドレスが表記されていると考えましょう。
MACアドレスの変更方法
Windowsの場合は、MACアドレスは変更可能です。システムのプロパティを開き、続いて「デバイスマネージャー」を選択します。すると、ネットワークアダプターが表示されます。「詳細設定」のタブを開き、その中からネットワークに接続しているものを選んだら、「構成」をクリック。
次に「ローカル管理されるアドレス」を選択します。すると、右に「値」の枠が表示されるので、使いたいMACアドレスを入力しましょう。これでMACアドレスの変更完了です。
ただし、MACアドレスは通常、変更はしないものです。ベンダーにより重複しないよう数字を与えられており、変更してしまうとインターネットにアクセスできなくなる可能性があります。どうしても変更が必要な場合のみ、自己責任で行いましょう。
MACアドレスについての正確な知識を持とう
- MACアドレスは通信機器一つひとつに重複しないよう割り当てられている
- MACアドレスはネットを介してやり取りをするのに欠かせない
- MACアドレスの確認方法は機器によって異なる
MACアドレスは知っておきたいIT知識のひとつです。特に、システムエンジニアを目指す場合には必ず正確な知識を得ておきましょう。MACアドレスだけでなく、IPアドレスとの違いやその確認方法なども押さえておくと、問題が起きた時にもスムーズに解決することができます。
本記事を参考に、一度自分が使用している機器のMACアドレスを確認してみてはいかがでしょうか。
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