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お葬式のマナーは?男女の服装や全体の流れ、やってはいけないことを解説

U-NOTE編集部

2023/05/24(最終更新日:2023/08/27)


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お葬式はお通夜と異なり、通知から参列までに準備する時間が十分にあります。故人との最後の別れの場でもあるため、しっかりと準備し、マナーも一通り確認しておきたいです。

本記事ではお葬式のマナーについて、服装や香典などのポイントごとに解説します。お葬式の流れと立ち居振る舞い、NG行為やトラブルが起きたときの対処法も紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 葬式の服装や香典に関するマナー
  • お葬式の流れと、それに沿った立ち居振る舞い
  • お葬式のNG行為と、いざというときの対処法

 

お葬式に関する服装のマナー

お葬式は故人との最後の別れを済ませる場であり、遺族や故人と親しい関係者が集まる場でもあります。

ここで失礼があっては故人にも関係者にも申し訳が立ちません。何より遺族はお葬式や親族との相談事などに追われており、これ以上の心労をかけるわけにはいかないでしょう。

だからこそ、お葬式ではマナーが大切です。まずは、マナーの基本ともいうべき服装について解説します。

男性の服装

男性がお通夜やお葬式に参列する場合、喪服を着るのが一般的です。

喪服がない場合は黒のスーツに白のワイシャツ、黒ネクタイを着用しましょう。スーツで参列する場合は光沢や柄(うっすらと入ったシャドウストライプなども含む)のあるものは避け、落ち着いた雰囲気のものを選びます。ネクタイもなるべく太目のものがいいでしょう。

靴も同じように黒く、飾りや光沢がないものが好ましいです。そのため、お葬式に行く前の靴磨きも不要です。

控えめなデザインの革靴ならそれで構いませんが、持っているなら、ストレートチップ(つま先部分に一本線が入ったもの)の靴がいいでしょう。ストレートチップはもっともフォーマルな靴だからです。

女性の服装

女性もお通夜やお葬式に参列する場合、喪服を着るのが一般的です。

喪服がない場合は黒のスーツに白のブラウスまたは黒のインナーを着用しましょう。肌の露出が少なく落ち着いたデザインのものなら、黒のアンサンブルやワンピースでも構いません。

ストッキングは黒が好ましく、厚手のタイツなどは避けます。靴も黒で、光沢や飾りがないものが好ましいです。サンダルやブーツ、ヒールの高い靴などは避けましょう。

アクセサリーでは涙を表すといわれる真珠のネックレスをつけるのが一般的ですが、二連以上のものは避けます。不幸を重ねることを想起させるからです。

エンゲージリングや結婚指輪はつけていても構いませんが、華美なデザインのもの、大きな宝石がついたものなら外していきましょう。

子どもや学生の服装

子どもや学生が喪服を用意する必要はありません。制服があるなら制服で、学校が私服、未就学児など制服がない場合は黒くて落ち着いたデザインの服装で参列しましょう。幼児でそのような服を用意するのが大変であれば、落ち着いた黒っぽい服装でも構いません。

革製品と靴について

殺生を連想させるため、お通夜やお葬式では革製品はNGです。毛皮のコートやマフラー、ファーのついたコートは避けましょう。ファーの取り外しができるコートなら、ファーを外して着用すれば問題ありません。ただし、デザインは落ち着いたものを選びましょう。

ただ、靴だけは革靴で構いません。バッグについては本皮は避けるのがベストですが、落ち着いたデザインのものなら本皮でも構わないとする人もいます。もちろん人により意見は異なりますから、用意できるなら皮以外の素材でできた鞄を用意しましょう。

数珠について

数珠は本来、宗派によって形や持ち方が異なります。しかし、宗派に合った数珠を用意するのは大変です。本式の数珠はその宗派専用となってしまうため、どの宗派でも使える略式のものを用意しておくといいでしょう。

なお、数珠には魔除けや厄除けの意味合いがあり、一人ひとつ持つのが好ましいです。良い数珠は一生使えるので、略式のしっかりした数珠をひとつ持っておくと、いざというとき困らないでしょう。

 

お葬式の香典のマナー

お葬式で渡す香典のマナーや金額について解説します。

なお、お通夜とお葬式の両方に参列する場合でも、香典は一度だけ渡します。二度渡すことは不幸が重なることを連想させ、マナー違反とされているからです。

香典はお通夜とお葬式のどちらで渡しても構いませんが、出席しやすいお通夜で渡すのが一般的でしょう。ただ、地域により習慣も異なります。香典をいつ渡せばいいのかわからないときは、周囲の人に相談しましょう。

金額の目安

お通夜やお葬式で包む香典の金額について、関係性ごとの目安を紹介します。次の表と故人との関係の深さなどを軸に、包む金額を考えましょう。

関係性

金額目安

友人・知人

5,000~10,000円

会社関係者(自身が20~30代)

5,000~10,000円

会社関係者(自身が40代以上)

10,000~30,000円

兄弟・姉妹

30,000~50,000円

祖父母

10,000~30,000円

おじ・おば

10,000~30,000円

従兄弟

3,000~10,000円

※会社関係のお葬式では連名で香典を出すこともあります

 

袋や表書きについて

香典袋は香典の金額に合ったものを選びましょう。

金額

香典袋

~5,000円

水引が印刷された袋

5,000~20,000円

黒白の水引の袋

30,000円以上

高級和紙に双銀の水引の袋

香典袋の表書きは宗派により異なりますが、「御霊前」はどの宗派でも使えます。

ただし、浄土真宗では故人は亡くなったその日に仏になると考えられているため「御仏前」と書きます。神道なら「御榊料」、キリスト教なら「御花料」と書くといいでしょう。

表書きは薄墨の筆または筆ペンで書きます。薄墨を使う理由には諸説ありますが、「墨をする時間も惜しかった」「墨に涙が入り薄まった」などに由来するといわれています。

新札や偶数は避ける

香典には新札ではなく古札を入れましょう。新札を使わないことには「不幸に備えて新札を準備しておいた」「遺族に新しい不幸が訪れないように願う」などの意味があります。お札は裏側にし、袋を開いたときに人物の肖像が見えないように入れます。

金額目安については先述のとおりですが、偶数や縁起の悪い数字は避けましょう。割り切れる偶数には「故人や遺族と縁が切れる」というイメージがあります。ほかにも死を連想させる「4」、苦を連想させる「9」は縁起が悪いです。

いろいろな考え方の人がいるため、お札の枚数も金額も偶数は避けた方がいいでしょう。「お札の枚数が奇数なら金額は偶数でも良い」と考える人もいますが、そうでない人もいます。大切なのは相手がどう捉えるかです。

 

お葬式の流れとマナー

お葬式中のマナーや立ち居振る舞いについて、流れに沿って解説します。

受付

受付では声のトーンを抑えて、手短に挨拶をしましょう。受付での挨拶は「心よりお悔やみ申し上げます」「このたびはご愁傷様でした」など、一般的なものに留めておきます。

また、「がんばって」のような励ましの言葉をかけたり、うっかり忌み言葉や重ね言葉を使ってしまったりしないように気をつけてください。忌み言葉・重ね言葉については後述します。

焼香

焼香のやり方は次の通りです。

  1. 焼香台の前まで進む
  2. 遺族、遺影(ご本尊・故人)の順に一礼
  3. 一礼後、ご本尊に向かい合掌
  4. 親指・人差し指・中指で抹香をつまみ額の高さに上げる
  5. 抹香を香炉にくべる
  6. 4~5を1~3回くり返す
  7. ご本尊に向かい再度合掌
  8. 一歩下がり、ご本尊に向かって一礼
  9. 席に戻る

焼香の細かなやり方や、抹香をくべる回数などは宗派により異なります。細かなやり方がわからないときは事前に確認するか、前の人に倣うといいでしょう。

故人との対面

故人との対面の流れは次の通りです。

  1. 故人から一歩下がった位置まで進む
  2. 故人に一礼する
  3. 故人のそばへ寄り手を合わせる
  4. 故人のお顔に対面(白布で覆われている場合は遺族に外してもらう)
  5. 再び手を合わせ冥福を祈る
  6. 一歩下がり、遺族に向かって一礼
  7. 退席する

細かなやり方は宗派や地域により異なるため、事前に確認するか、前の人に倣うといいでしょう。

弔辞

遺族にとって、弔辞は信頼している相手に任せたいものです。頼まれたらなるべく引き受けましょう。

弔辞では、故人に対しては亡くなったことに対する悲しみやその人柄・業績について述べます。その後、遺族への励ましの言葉や自らの協力の気持ちを述べ、冥福を祈る言葉で結びとします。

なお、弔辞はお葬式の後に喪家に渡すため、丁寧に書きましょう。

出棺

故人との関係性により、出棺まで見送りをします。出棺の際は合掌もしくは黙礼で見送りをします。コートを脱ぐのが基本ですが、寒い場合は着たままでも問題ありません。

拾骨

拾骨は二人一組で箸を使って行います。一般的にはまずは歯を、その後に足元から頭に向かってお骨を骨壷に入れていきます。拾骨は参列者で交代しながら進めていきましょう。

なお、喉仏は最後に納骨します。これは仏さまが座禅を組んだ姿に似ていることから大切に扱われる骨で、普通は喪主か故人ともっとも深い関係の人が行います。

 

お葬式に関する細かなマナーとやってはいけないこと

お葬式に関する細かなマナーとやってはいけないこと、いざというときの対処法について解説します。

参列と列席の違い

参列も列席もお葬式やお通夜に参加するという意味の言葉ですが、立場によってどちらを使うかが変わってきます。参列は式に招かれた側が、列席は式の主催(喪主)側に対して使う言葉です。

忌み言葉・重ね言葉

お葬式では忌み言葉や重ね言葉を使わないようにしましょう。忌み言葉とは不吉な言葉、縁起の悪い言葉です。重ね言葉は同じ言葉をくり返すことで、お葬式では不幸が重なることを連想させるとして避けられています。

忌み言葉・重ね言葉の例と言い換えを紹介するので、使わないよう気をつけましょう。

【忌み言葉の一例】

忌み言葉

言い換え

追って

後ほど

続いて

同様に

忙しい

多様

急死

急逝・突然のこと

大変な~

-(使わない)

浮かばれない

-(使わない)

消える

-(使わない)

【重ね言葉の一例】

重ね言葉

言い換え

たびたび

よく・いつも

重ね重ね

どうぞ・十分に

ますます

さらに・もっと

もう一度

今一度・あらためて

何度も

頻繁に

死因を聞く

故人がなくなった理由を遺族に聞いたり、お葬式の場で詮索したりしてはいけません。遺族にとって故人の死は受け入れがたいことであり、そんな中で死因という直接的なことを尋ねるのはマナー違反です。

遺族と長話をする

遺族は故人が亡くなった悲しみの中で、お葬式の準備や親族との相談事などを進めています。気丈に振る舞っていても心身には疲労がたまっていることを忘れず、配慮ある振る舞いをしましょう。

特に忙しく疲れている遺族との長話は避けたいです。遺族に話しかけられたら心を込めて応対すべきですが、必要以上の長話はしないようにしましょう。

通夜振る舞いを断る

通夜振る舞いへの参加は必須ではありませんが、なるべく参加するようにしましょう。故人を供養する意味合いもあるからです。

また、遺族から声をかけられたら断るのは避けたいです。時間がなくても、一口箸をつける程度でもいいので参加しましょう。

遅刻してしまったときは

お葬式への遅刻は厳禁です。急な訃報に駆けつけるお通夜とは異なり、お葬式の日取りは事前に知らされており、準備したうえで参列できるはずだからです。

しかし、思わぬトラブルで時間に間に合わないこともあります。遅刻しそうだとわかったら、遺族や喪主ではなく、会場に電話で連絡をしましょう。このとき、どのくらい遅れそうなのかわかればそれも伝えます。

どのくらい遅刻したかにもよりますが、お葬式の途中で入場できることもあります。会場に着いたら葬儀社のスタッフに声をかけ、彼らの指示に従いましょう。

 

お葬式で大切なのは細やかな配慮

本記事のまとめ
  • お葬式で大切なのはきちんとした準備と細やかな配慮
  • 忌み言葉や重ね言葉、偶数の香典などは避けよう
  • お葬式の遅刻は厳禁、前もって準備と確認を

お葬式で大切なのはきちんとした準備と細やかな配慮です。服装や香典、言葉遣いなどのマナーも、遺族に配慮するためのものといえます。

お通夜と異なり、お葬式には準備する時間が十分にあります。遅刻はもちろん、服装や香典のマナーについてもしっかりと確認し、うっかりミスがないよう気をつけましょう。

式に遅れることがないよう、複数のアクセス手段を用意しておくこと、当日の朝に交通機関や道路の状況を確認しておくことも大切です。

本記事を参考に、お葬式や通夜のときのマナーを再度おさらいしてから参列してみてはいかがでしょうか。

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