引っ越しでは荷造りや荷解きはもちろん、引っ越し前後の住居での各種手続きもあり、とにかくやることが多いです。
本記事では引っ越し前後と当日にやることを、荷物関係と手続き関係に分けて紹介します。引っ越しをスムーズにする荷造り・荷解きのコツも解説します。
- 引っ越し前後でやることを荷物関係と手続き関係に分けて紹介
- 引っ越し当日に最低限やるべきこととは?
- 新生活をスムーズに始めるための、荷造り・荷解きのコツ
【荷造り編】引っ越し前にやること
引っ越しをスムーズに済ませるには荷造りが重要です。荷造りがきちんとしていれば引っ越し業者が来る日にすべての荷物を運び出し、すぐに旧居を明け渡せるでしょう。
しかし、荷造りに不備があったり時間がかかったりすると旧居の明け渡しにも時間がかかり、新旧の住所の家賃を二重払いすることにもなりかねません。
新生活では何かとお金がかかります。無駄な支出をなくせるよう、荷造りのコツを確認しておきましょう。
捨てる荷物を決める
荷造りを始める前に、捨てる荷物を決めましょう。新居に荷物を移してから捨てるもの、取っておくものを選ぶのは無駄です。荷物が増えるため引っ越し費用も増え、自分で荷物を運ぶにしても手間が増えます。荷解きにも時間がかかるでしょう。
捨てる荷物を決め、捨てるかまとめるかしてから荷造りをするのがスマートです。
業者に任せる荷物と自分で運ぶ荷物を決める
引っ越しの際、大きな荷物だけ業者に任せ、小さな荷物は自分で運ぶという人も多いです。業者に任せる荷物が減れば、引っ越し費用も節約できます。
業者には大きな家具や重い物、割れ物などを任せましょう。具体的には棚や冷蔵庫、本や食器などです。
引っ越し業者の中には荷物の量でプランや料金が決まるところも多いです。あらかじめ利用するプランを決めておき、そのプランギリギリまでの荷物を業者に任せるのもいいでしょう。
引っ越し業者を探す・相見積もりを取る
引っ越し業者を探すときは、できるだけ多くの業者から相見積もりを取りましょう。
まずは全国展開している業者と地域密着型の業者を調べ、自分に合ったところを探します。候補をピックアップしたら各社に見積もりを頼み、なるべくお得に利用できるところを選びましょう。
梱包資材を買う・業者からもらう
引っ越し業者の中にはダンボールやプチプチなどの梱包資材をくれるところもあります。
梱包資材を業者からもらえない、もらった物では足りない場合は、必要なだけ買い足しましょう。梱包資材はホームセンターや100円ショップなどで販売しています。
梱包作業と荷造り
業者の選定と梱包資材の用意ができたら、いよいよ荷造りです。ダンボールに入れる荷物は「食器」「コード」「雑貨」「本」のように、ジャンル別に分けて梱包しましょう。
梱包作業が済んだら、引っ越しまでの生活のしやすさと当日の運び出しやすさを考え、荷物をまとめておきます。
部屋の片付け・掃除
荷造りが済んだら部屋の片付けと掃除をしておきましょう。部屋が汚いとクリーニング費用が増え、戻ってくる敷金が少なくなるかもしれません。
荷物が多すぎて掃除ができないなら、浴室やトイレなどの荷物を置かない場所の掃除だけをして、残りは引っ越し当日や後日でも構いません。特に水回りは掃除に手間がかかるので、早めに済ませておきましょう。
【手続き編】引っ越し前にやること
次に、引っ越し前にしなければならない手続きについて解説します。
退去の申告
賃貸住宅に住んでいる場合、現住居を退去する旨を大家さんや管理会社に連絡しましょう。連絡はできるだけ1ヵ月前までに済ませ、引っ越しの大まかなスケジュールも伝えます。直前に連絡をした場合、伝えてから1ヶ月後まで家賃が発生するケースも多いので、退去する際はいつまでに伝えないといけないのか、契約書を確認することがおすすめです。
引っ越す日が確定したら、再び連絡を入れます。このとき、家賃の精算や敷金についても確認しておきましょう。
旧居の管轄役場での手続き
引っ越しをする前に、現住居(旧居)の管轄役場で手続きをしておきます。現住所と同じ市区町村に引っ越す場合は転居届を、異なる市区町村に引っ越す場合は転出届を提出します。
なお、本籍は引越しにともない移す必要のないものです。移すこともできますが、たびたび本籍が変わるのは好ましくありません。新居が賃貸で住む期間が決まっているなら移さない、購入でずっと住む場合は移すのように考えるといいかもしれません。
郵便の転送手続き
新居に引っ越した後でも、住所変更の手続きを済ませるまでは旧居に手紙や荷物が届きます。引っ越し前に郵便の転送手続きを済ませておきましょう。
郵便局で転送手続きをしたいと伝えると、転居届の用紙を受け取れます。必要事項を記入し、本人確認書類と一緒に提出することで、郵便物を新居へと転送してもらえます。なお、転送期間は手続きをしてから1年間です。
インフラや保険に関する手続き
電気・ガス・水道などのインフラ、インターネット回線、住宅の火災保険などの手続きも早めに済ませておきましょう。各会社に引っ越すことを伝え、どのように手続きをすればいいか案内してもらいます。インターネットから手続きを済ませることもできます。
勤務先での手続き
引っ越しにともない住所が変わる場合、勤務先にも報告・届出をします。住所が変われば税金や社会保険料の計算方法や納付先、通勤手当があるならその金額も変わります。
引っ越しの予定日と新居の住所が決まったら、総務や人事などの担当部署に連絡しましょう。どこに連絡すればいいかわからないときは、上司に聞いてみてください。
子どもの学校に関する手続き
子どもが学校に通っているなら、転校の手続きをしなくてはなりません。引っ越すこと、引っ越しの日程がある程度決まったら、担任に早めに連絡しましょう。
転校先の学校では、転校前の学校の「在学証明書」が必要になります。これは転校前の学校の最後の登校日に受け取ります。
引っ越し当日にやること
引っ越し当日にやることは荷物の搬出だけではありません。インフラ関係の手続きや旧居の明け渡しも必要です。
荷物の搬出と最終確認
引っ越し当日、引っ越し業者が来たら荷物を搬出してもらった後、最終確認を行います。自分で運ぶ荷物があるなら業者が来る前に運び出しておくか、業者の荷物搬出後に運ぶつもりならわかりやすいよう一画にまとめておきましょう。
インフラの使用停止
電気・ガス・水道などのインフラは引っ越し当日に使用停止をします。ガスは閉栓の立ち会いが必要になることもありますが、ほかは基本的に立ち会い不要です。
旧居の明け渡し
旧居の明け渡しは不動産会社に立ち会ってもらい、傷や汚れのチェック、鍵の返却などをします。このとき、敷金についても確認しておくといいでしょう。
なお、荷物を少しずつ運びたい場合、引っ越し当日に旧居を引き払う必要はありません。
【荷解き編】引っ越し後にやること
引っ越し後、スムーズに新生活を始められるよう、荷解きのコツを解説します。
大きな物・収納家具から配置する
荷解きでは大きな物や収納家具から配置しましょう。大きな家具・家電から配置していくことで、部屋のレイアウトを決めやすくなります。収納家具に物を片付けてから移動させるのは大変なので、よく考えて配置しましょう。
生活用品や仕事道具から荷解きする
細かな物の荷解きでは、生活用品や仕事道具などのすぐに使う物から出していきます。収納家具を先に配置しておけば、ダンボールを家具の近くまで持って行き、そのまま正しい場所に片付けられます。
なお、ダンボールは次の引っ越しや荷物整理に備えて畳んで保管しておくか、ダンボールの日にまとめてゴミに出すといいでしょう。
「ダンボールの日までしばらくあるけど、すぐに捨てたい」という場合、浴室でダンボールをシャワーで濡らすとかさが減ります。よく絞って燃えるゴミの日に出しましょう。
すぐに使わないものは後回しでOK
本や雑貨、飾りなどのすぐに使わない物の荷解きは後回しでも構いません。一度にすべての荷物を荷解きすると部屋が散らかりやすいです。
すぐに使わない物、ほとんど使わない物は新生活が落ち着いてきてから荷解きするか、必要になるまでダンボールのまましまっておくのもいいでしょう。
新生活に慣れるまでは外食・中食を上手に使おう
引っ越し後には荷解きだけでなく、さまざまな手続きをしなければなりません。慣れない環境と手続きや荷解きの忙しさから、心身の疲労もたまりやすくなっています。新生活に慣れるまでは、外食や中食(お惣菜やお弁当)を上手に使いましょう。
外食や中食を使えば調理だけでなく、洗い物や買い物の手間も抑えられます。食器や調理器具の荷解きもしなくて済みます。生活用品や仕事道具などのどうしても必要な物の整理が済んでから、これらの荷解きをするのがおすすめです。
【手続き編】引っ越し後にやること
引っ越し後に必要になる、荷解き以外のことについて解説します。
ご近所への挨拶
新居への引っ越しが済んだら、早めにご近所への挨拶を済ませましょう。引っ越し作業が大掛かりで迷惑をかけるかもしれないなら、作業前に挨拶を済ませるのがおすすめです。
なお、引っ越しの挨拶で粗品を送るなら、洗剤やティッシュペーパー、ジップロック、ラップなどの消耗品がいいでしょう。自治体指定のゴミ袋も意外と喜ばれます。
食品は好みがあるためあまりおすすめできません。
新居の管轄役場での手続き
引っ越し先の管轄役場では次のような手続きが必要です。
- 転入届の提出(異なる市区町村から引っ越す場合)
- 転居届の提出(同じ市区町村から引っ越す場合)
- マイナンバーカード、国民年金の住所変更
- 国民健康保険への加入(社会保険に加入しない場合)
- 児童手当の申請
- 印鑑登録
- 犬の登録変更 など
インフラに関する手続き
電気・ガス・水道などのインフラに関する手続きは、引っ越し後速やかに済ませましょう。使用開始の手続きをしないと、新居でこれらのインフラが使えません。
閉栓と同じく、ガスのみ開栓の立ち会いが必要な場合もあります。すぐに使えるよう、立ち合いの予約をしておきましょう。
子どもの学校に関する手続き
引っ越しにともない子どもが転校する場合、転入の手続きを早めに済ませましょう。公立の小中学校の場合、前の学校の在学証明書と教科書給与証明書、入学通知書が必要です。入学通知書は引っ越し先の役場で住民票の手続きをするときにもらえます。
車やバイクに関する手続き
車やバイクを所有している場合、引っ越しから15日以内に住所変更の手続きをしなければなりません。自動車は車検証の住所変更と車庫証明が、バイクは住所変更が必要です。
普通車は新しい住所の運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会、バイクは陸運支局で手続きをします。このとき、車検証や住民票の写し、印鑑などが必要になります。
パスポートや免許証に関する手続き
パスポートや免許証も住所変更の手続きをしなければなりません。免許証は運転免許更新センターや警察署で手続きができます。
パスポートの手続きは本籍を移した場合は必要ですが、住所が変わっただけでは手続きをしなくても構いません。パスポートに書かれた住所を変えるときは、所持人記入欄の住所を二重線で消し、手書きで新しい住所を書きます。
各種サービスに関する手続き
クレジットカードやインターネット回線などの住所変更手続きも早めに済ませておきましょう。クレジットカードの多くは、会員規約で住所や電話番号が変わった際に届出をすることを定めています。
インターネット回線を引っ越し先で使うには住所変更の手続きが必要です。これは無線の回線でも同じです。
ほかにも各種サービスの登録住所・請求書の送付先などは早めに変更しましょう。通販の届け先も忘れないうちに変更しておきたいです。変更を忘れると、旧居に荷物が届いてしまいます。
旧居の敷金精算
引っ越し(旧居の明け渡し)からしばらくすると、不動産会社から敷金の生産に関する連絡がくるでしょう。
敷金は物件に傷がついたり家賃を滞納したりといった事態に備え、担保として支払うお金です。旧居の原状回復にかかった費用が敷金よりも少なければ残金が戻り、原状回復費が敷金を上回る場合は足りない分を請求されます。
引っ越しでやることは重要度・流れに沿ってチェックしよう
- 引っ越しを機に要らない物を整理しよう
- 荷解きのしやすさを考えた荷造りが、新生活の負担を減らす
- 引っ越し前後で必要な手続きは多い、しっかりチェックしておこう
荷造り・荷解き・手続きと、引っ越しに伴ってやるべきことは多いです。手続きの中には期限が決められているものもあるので、事前にどんな手続きをいつまでにしないといけないのかチェックしておきましょう。重要度や流れに沿って手続きを進めていくと楽でしょう。
また、引っ越しは荷物を整理する絶好の機会です。引っ越しを機に要る物・要らない物を整理すれば新居での生活スペースを広く取れますし、そもそも必要な部屋数が少なくなり、家賃を抑えることも可能です。
本記事を参考に、引っ越し前後にやらなければいけないことをおさらいしてみてくださいね。
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