転勤の辞令があった後に行うのが、転勤時の挨拶です。現部署・転勤先・社外向けに対してそれぞれ行います。今後の関係の有無にかかわらず、いち社会人として丁寧な挨拶を行いましょう。
本記事では、そんな転勤時の挨拶の仕方を解説します。気を付けたいポイントや、現部署・転勤先・社外とそれぞれ挨拶を行う場合の例文も紹介しているので、困ったときの参考にしてみてください。
- 転勤の挨拶をするときに押さえておくべき基本
- 相手に合わせて挨拶の粒度を変えたいときの例文をご紹介
- 転勤の挨拶があったときの返信例
転勤する人が挨拶をするときのポイント
転勤することが決まった場合にしなくてはならないのが、全社に対しての挨拶です。初めて転勤をする方のなかには、何を話せば良いのか困ることもあるはず。当日になって焦らないよう挨拶をするときのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1.転勤する日時・展望・感謝の一言・後任の紹介などの内容を含める
転勤する人が挨拶をするときの1つ目のポイントは、転勤する日時・展望・感謝の一言・後任の紹介などの挨拶を含めることです。
転勤の挨拶をするタイミングは会社によってさまざまですが、なかには転勤まで日がないこともあります。長期でお世話になった職場であれば関わった社員や取引先が多いため、引き継ぎや個別の挨拶などにも時間がかかります。転勤の日時は必ず伝え、当日までに業務が残らないように全員に周知しましょう。
その際、感謝の一言を添え、後任が決まっていれば後任の紹介も行います。転勤先での業務内容を把握しているのであれば、具体的な展望を述べるのも良いでしょう。
ポイント2.ネガティブな内容は発言しない
転勤する人が挨拶をするときの2つ目のポイントは、ネガティブな内容は発言しないことです。
転勤の挨拶では、お世話になった人への感謝や今後の抱負などを伝えるのがベター。不安や不満を抱えていたとしてもそうした気持ちは発言せず、また感じさせないようネガティブな言葉は控えましょう。
ポイント3.辞令が正式に出たタイミングで伝える
転勤する人が挨拶をするときの3つ目のポイントは、辞令が正式に出たタイミングで伝えることです。
人事異動の内示から正式な辞令までは一定の期間があることが一般的。その間、転勤に備えた社内手続きや調整が行われます。内示で聞いていた日程と実際に異動日がズレる可能性があるので、内示があったからといって挨拶をするのは控えましょう。
内示を受けた際に、正式な辞令が下りる日程や社内に伝えて良いタイミングについて確認しておくと安心です。
ポイント4.メールの全体送信だけではなくできれば対面で心を込めて感謝を伝える
転勤する人が挨拶をするときの4つ目のポイントは、メールの全体送信だけではなく、できれば対面で心を込めて感謝を伝えることです。
上司・同僚・後輩など社内の人間への挨拶は、基本的に対面で行いましょう。メールの全体送信はどうしても全員に対して同じ文面になってしまうので、印象があまりよくありません。特にお世話になった自部署の上司や同僚、一緒に業務を行った後輩などには対面で挨拶を行い、感謝の気持ちを伝えましょう。
ただし、対面での都合がつかない場合には、個別にメールを作成し、テンプレの文章は避けて心を込めたメッセージを送りましょう。
ポイント5.挨拶はできるだけ端的に済ます
転勤する人が挨拶をするときの5つ目のポイントは、挨拶はできるだけ端的に済ますことです。
全社向けの挨拶は端的に済ませましょう。他の人の業務時間を圧迫しないよう、時間としては2〜3分程度が目安です。思いが強い場合、長々と気持ちを伝えたいこともあるかと思いますが、その際は個別に挨拶するのがおすすめです。
【現部署への挨拶編】転勤する人の挨拶例文
転勤する際、現部署への挨拶は一番最初に済ますべきポイントです。企業によって挨拶の形式はさまざまですが、一般的には対面スピーチやメールでの挨拶が考えられます。どちらにも対応できるよう、ご紹介する例文を元に転勤時の挨拶を考えておきましょう。
一言で挨拶する例文
一言で転勤の挨拶をする場合、ポイントを押さえた簡潔な内容を心がけましょう。転勤する日程と新しい勤務地に加えて、現在の勤務地や部署で関わった方への感謝の気持ちを伝えれば十分です。
- おつかれさまです。○○部の○○です。
本日はこのような場を設けていただきありがとうございます。
この度、○月○日付けで●●に移動することとなりました。
△△部署およびこちらの事業部では○年間大変お世話になり、
社会人としてひとつ成長することができた大切な場所です。
皆さまからのご指導を糧に新天地でも貢献できるようがんばります。
今後別の形で顔を合わせることもあるかと思いますが、
これまで同様ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
○年間お世話になりました。ありがとうございます。
長文で挨拶する例文
長文で挨拶する場合は、所属した部署での具体的なエピソードを盛り込みます。あまり長文は良くないとされているので、4〜5分を目安に内容を考えましょう。クスッと笑えるエピソードや感動するようなエピソードを入れることで、必要以上に長いことを感じさせずに最後まで聞いてもらえます。
- おつかれさまです。○○部の○○です。
挨拶をする機会を設けていただきありがとうございます。
先ほど説明がありましたように、○月○日付けで××へ異動することとなりました。
○年間の間に二度部署異動をすることがあり、
それぞれの部署でさまざまな方からご指導いただけたこと
非常に感謝の気持ちでいっぱいです。
(ここから具体的なエピソード)
長くなってしまいましたが、皆さまのご指導により
自身としても大きく成長することができました。ありがとうございます。
新天地ではここでの経験を活かして貢献できるよう邁進してまいります。
顔を合わせる機会は少なくなるかと思いますが、
ご一緒できることがありましたらこれまでと同様よろしくお願いいたします。
○年間お世話になりました。
メールで挨拶する例文
メールで挨拶する場合、後任の方や今後の連絡先などを最後に加えておくと良いでしょう。また、本来であれば対面で挨拶すべきところをメールで済ますことに対する一言を必ず入れます。
- お疲れ様です。○○部の○○です。
突然ではありますが、○月○付けで○○へ異動することとなりました。
○年前の着任以来、自部署のメンバーだけでなく
部署を横断してさまざまな方にお世話になりました。
新天地では、○○に関する業務を担当することとなっております。
○部での経験を活かし、新天地でもお役に立てるよう頑張ります。
○年間大変お世話になりました。ありがとうございます。
なお、○○における業務に関しては後任の○○さんに引き継いでおります。
今後○○に関するご連絡は○○さんにいただければ幸いです。
○○さん連絡先
メールアドレス
また、今後のご連絡は引き続き下記のアドレスにいただきますようよろしくお願いいたします。
今後の連絡先:メールアドレス
本来であれば個別に挨拶すべきところをメールでのご報告となってしまったこと、お許しください。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。
対面でスピーチをする例文
対面でスピーチを行う場合、自分がお世話になった方や一緒にプロジェクトを進めていた同僚など優先順位を決めてから挨拶を済ませましょう。自分が転勤することによる影響が大きい順に挨拶を行う形でも問題ありません。
- お疲れ様です。
この度はご挨拶の機会を設けていただきありがとうございます。
先日辞令でもありました通り、○月○日付けで○○部に転勤することとなりました。
途中でプロジェクトを抜けることになり、大変申し訳ございません。
○○部で過ごした○年間、同部署の方々には非常にお世話になりました。
初めての業務ばかりで至らない点があったかと思いますが、
皆さまの厳しくも思いやりを感じられるご指導の多くは
いち社会人として学びになる内容ばかりでした。ありがとうございます。
○○業務は後任の○○さんに引き継いでおりますので、
今後のご連絡は○○さんにいただきますようお願いいたします。
転勤先では○○部に所属いたします。
また皆さんとは別の形でやりとりをすることとなるかと思いますが、
連絡先は現在のものと変わりませんので、何かありましたらご連絡ください。
今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○年間、大変お世話になりました。
【転勤先への挨拶編】転勤する人の挨拶例文
転勤先での挨拶は、自己アピールの場として捉えましょう。全社向けでの場合は簡潔に、プロジェクト単位やチーム単位の場合は自身のことを知ってもらえるよう、パーソナルな面を出した挨拶にすると好印象。例文を参考に、簡潔かつわかりやすい内容を考えておきましょう。
一言で挨拶する例文
転勤先への挨拶を一言で済ます場合、所属部署と今後の業務内容に加え、意気込みや抱負など基本的な情報のみで簡潔させるのがおすすめです。印象にはあまり残りませんが、1〜2分程度でサッと挨拶できます。
- お疲れ様です。
ご紹介に預かりました、本日付けで○○部に配属となりました○○と申します。
○○年に新卒として入社し、前部署では○○部にて○○を担当しておりました。
○○部では、○○を担当させていただきます。
これまでの経験を活かし、早くお力になれるよう頑張りますので
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
長文で挨拶する例文
長文で挨拶をする場合、自己アピールの場として活用することを考えましょう。基本的な挨拶に加えてパーソナルな面が伝わるよう自己紹介を行うのがおすすめです。最初の印象は今後の業務にも影響します。身なりを整え、ハキハキとした口調で挨拶しましょう。
- 本日付けでこちらに配属となりました、○○と申します。
前部署では○○部に所属しており、○○などの業務を担当しておりました。
こちらでは○○部に所属し、引き続き○○の業務を担当させていただきます。
皆さまどうぞよろしくお願いいたします。
プライベートでは毎日運動をしております。
習慣から身に付けた体力や持久力を持って粘り強く業務に取り組めたらと考えております。
慣れないうちはご迷惑をかけることもあるかと思いますが、
早くお役に立てるよう精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
メールで挨拶する例文
転勤先での挨拶は対面で行うのが基本です。昨今はテレワークを取り入れている企業も多く、対面での挨拶ができない方もいます。挨拶が遅くなると悪い印象を与えてしまうので、その際はメールを送りましょう。
- お世話になっております。
本日付けで○○部に配属となりました、○○と申します。
本来であれば直接ご挨拶するところ、自宅勤務をされる方が多いと伺いましたので
メールでの挨拶となってしまうことをお許しください。
私は○年に入社し、配属前には○○部に所属しておりました。
主な担当業務は○○や○○、○○などです。
こちらでは新たに○○部に所属し、○○の業務を担当いたします。
何かございましたら、下記アドレスまでご連絡いただけますと幸いです。
メールアドレス:
未経験のことですのでご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
対面でスピーチをする例文
対面でのスピーチで心懸けるポイントは、わかりやすく簡潔に、かつ親近感を与えられるような内容にすることです。プロジェクト単位や部署単位であれば、全社に向けた挨拶よりもカジュアルにスピーチができます。2〜3分を目安に自分の個性が伝わる自己紹介を行いましょう。
- ○月○日付けでこちらに配属されました○○と申します。
○○(社名)には○年前に入社し、○○部に○年所属しておりました。
主な担当業務は、○○や○○です。
こちらの部署では、○○の業務を担当いたします。
休日は○○をすることが趣味です。
もし同じ趣味の方がいらっしゃいましたらお話ができると嬉しいです。
これまでの経験を活かし、一日でも早くお役に立てるよう精進いたします。
不慣れな点が多いかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
【社外への挨拶編】転勤する人の挨拶例文
社外への転勤の挨拶は、付き合いの長さや深さなどを考慮して粒度を変えましょう。短期間であれば一言、長期間であれば長文で挨拶すると好印象。加えて、後任の紹介はしっかりと行います。必ず同行させ、挨拶と同時に自己紹介をしてもらうと引継ぎや今後のやりとりがスムーズです。例文を参考に、当日までに挨拶の内容を考えましょう。
一言で挨拶する例文
社外への挨拶を一言で行う場合は、お世話になった感謝の気持ちを第一に伝えます。転勤することによって関わりがなくなってしまっても、いつかまた仕事をする機会がないとも限りません。関係を続けるような気持ちで、短くとも気持ちが伝わるしっかりとした挨拶を行いましょう。
- 私ごとではありますが、○月○日付けで異動することとなりました。
○○様にはさまざまなことをご教授いただき、大変勉強になりました。
後任はここにおります○○が担当させていただきますので、
○月○日以降のご連絡は○○にいただけますと幸いです。
短い間でしたが大変お世話になりました。
後ほどメールをお送りさせていただきますので、
今後なにかご連絡がある場合は、そちらにお願いいたします。
今後も変わらぬご愛顧のほどどうぞよろしくお願いいたします。
長文で挨拶する例文
社外の方に対して長文で挨拶する場合、具体的なエピソードを盛り込みましょう。より相手への感謝の気持ちを伝えられます。
- 私ごととなりますが、○月○日付けで他部署へ異動することとなりました。
○○様には入社当時から大変お世話になり、
さまざまなプロジェクトをご一緒することができました。
仕事に対する丁寧かつ的確な対応にいつも助けられておりました。
長い間、大変お世話になりました。ありがとうございます。
今後のご連絡は後任の○○にご連絡くださいませ。
後ほど別途メールをお送りさせていただきます。
なお、異動によりメールアドレスが変更となりますので、
何かご連絡がある際は、後ほどお知らせする連絡先までお願いいたします。
メールで挨拶する例文
社外に対してメールで転勤の挨拶を行う場合、注意したいのがCCに後任の方を入れることです。そうすることで、対面での挨拶でなくてもスムーズに引き継ぎを行うことが可能です。
- お世話になっております。
○○株式会社の○○です。
私ごととなりますが、○月○日付けで異動することとなりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご報告となりますことをお許しください。
○○様とはさまざまなプロジェクトをご一緒することができ、
非常にスムーズに仕事をされる姿にいつも尊敬の念を抱いておりました。
○年間ありがとうございました。
後任はCCにも入れております、弊社○○部の○○が担当いたします。
○月○日以降のご連絡は、○○へとお願いいたします。
▼○○連絡先
メールアドレス:
電話番号:
在籍中は大変お世話になりました。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
対面でスピーチをする例文
社外に対する転勤の挨拶を対面で行う場合、必ず後任の方を同行させ、自分の挨拶の後に自己紹介をする時間を設けましょう。転勤後もスムーズに業務を行うため、できるだけ早く挨拶し、後任と社外の方のコミュニケーションをサポートします。
- 私ごとにはなりますが、○月○日付けで異動することとなりました。
異動までにはまだ日にちがありますが、後任の○○を紹介させていただきたく、
少し早い挨拶とさせていただきます。
○○様には多数のプロジェクトでご一緒させていただき、
おかげさまでどの企画も成功へと導いていただきました。
非常に感謝しております。ありがとうございました。
後任は後ほどご紹介させていただきます○○が担当いたします。
ご連絡は○月○日以降、○○にお願いいたします。
異動後は○○部に所属し、○○の業務を担当いたします。
関わる機会は少なくなりますが、これまでと同様どうぞよろしくお願いいたします。
転勤する人の挨拶への返信例
転勤する人から挨拶のメールが来たら必ず返信を行います。転勤の挨拶へのお礼と具体的なエピソードを盛り込んだ感謝の気持ちを伝える文章、そして相手が新しい環境でも活躍できるようお祈りする一文の3点を意識しましょう。
返信はなるべく素早く行い、文体は届いたメールに合わせます。転勤後もどこかのタイミングで一緒に仕事をする可能性があるので、丁寧かつ心を込めた返信にすることを忘れないようにしましょう。
- ●●様
お世話になっております。
この度は転勤のご連絡をいただきありがとうございます。
●●様にご担当いただいたプロジェクトの進行は非常にスムーズで、
気持ち良く仕事をすることができました。
改めて感謝申し上げます。
新しい勤務地に行かれましても益々ご活躍されますようお祈り申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
心に残る転勤の挨拶を行おう
- 挨拶のタイミングは正式な辞令が発表された後が一般的
- 転勤の挨拶はできるだけ対面で行うと好印象
- 具体的なエピソードを添えることで相手の心に残る挨拶になる
転勤の挨拶は、お世話になった方々に感謝の気持ちを伝えられる大切な機会です。転勤後、関わる可能性がある方もいるため、良好な関係を続けられるよう丁寧な挨拶を心掛けましょう。具体的なエピソードと共に自分にしかできない心に残る転勤の挨拶を考えてみてください。
【関連記事】
転勤のメッセージ10例文紹介|上司や先輩、先生など相手との関係ごとに紹介
転勤する方には、転勤のメッセージとして感謝の気持ちやねぎらいの言葉を送ります。無難な内容でももちろん問題ありませんが、間柄によっては冷たい印象を与えることも。相手との関係性を考慮してメッセージを...
有給日数の計算方法を雇用形態別に解説!付与や取得のルール、注意点も紹介
有給はすべての労働者にとっての権利であり、事業者にとっては法律どおりに付与する義務があります。「アルバイトには有給がない」のようなことはありません。 本記事では有給の付与日数をどう...
有給の取得理由は「私用」で問題ない?理解してもらえない場合の対処法
有給休暇の取得理由は人によってさまざまです。家庭の事情や体調不良、役所での手続きなどがありますが、実はどんな理由であれ企業側は却下することができません。そもそも説明する必要もないとされて...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう