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CxOの意味とは?読み方や執行役員との違い、主な種類などを紹介

U-NOTE編集部

2023/05/02(最終更新日:2023/08/27)


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役職名として見かけることが多くなってきた「CxO」。「シーエックスオー」と読み、xの部分にはExecutiveやOperatingなどさまざまな頭文字が入り、それによって役職の意味と責任範囲が異なります。

本記事では、そんな「CxO」の意味について解説。執行役員との違いや主なCxOの種類についてもご紹介します。経営に直接関わるポジションとしてCxOについて知りたい方は、ぜひこの機会に意味を知っておきましょう。

本記事の内容をざっくり説明
  • CxOと執行役員の違いを解説
  • CxOに対して求められている役割とは
  • CxOの主な種類と意味、それぞれの役割を解説

 

CxOの意味や読み方とは

「CxO」は「Chief x Officer」の略語で、「Chief(組織の責任者)」「x(業務や機能)」「Officer(役員)」からなる経営役職のことを指します。読み方は「シーエックスオー」で、日本語では「最高◯◯責任者」と訳されます。

例えば、CEOやCOO、CTOなど「x」の部分に入る頭文字によって役割や業務の内容は異なります。代入される頭文字の機能のなかでもっとも高い地位に就いている責任者であると認識しておけば間違いはありません。

 

CxOと執行役員との違い

CxOと執行役員は役割に違いがあります。CxOは経営者視点を持って企業の各事業部を統括し、事業部におけるさまざまな責任を担います。一方、執行役員は事業部の統括と運営を担っています。

CxOは元々、事業を現場で回す役職と経営視点で全社的な責任を負う役職を分離させることを目的に設置されたという背景があります。そのため、CxOはxに代入される機能すべてで経営的な役回りをすることが大きな特徴です。

 

CxOに求められる役割

元々CxOは外資系の企業に多い役職でしたが、日系企業でも設置するところが徐々に増えてきています。CxOにはどんな役割が求められているのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

経営と現場の繋ぎ役

CxOは経営層からの判断や方針を受けて、その内容を事業部の現場メンバーを伝える、いわば経営と現場の繋ぎ役としての役割が求められます。

CxOは経営に関わるわけではなく、事業部の最高責任者として経営層が決定した方針を直接受け取る立場にあります。また、経営陣からは見えにくい現場の様子を把握し、意見をまとめて経営層に伝えます。

経営は現場を理解できていなければ、適切な経営判断ができません。同じく、現場は経営が決定した内容を理解できていなければ、方針に合った成果をあげられません。そういった意味でCxOは経営と現場を繋ぐ、大切な役割を果たしています。

経営と業務執行の役割の明確化

元々「CxO」という役職は、取締役や社長が経営に専念できるようにと作られたポジションです。経営者が経営業務だけできるのであれば経営判断や意思決定が迅速になりますし、その分、業務の執行スピードもあがります。

責任範囲の明確化

CxOは事業部ごとの責任者であることを示す役職名です。例えば、CFOであれば財務部の業務におけるすべての責任を請け負います。CMOであれば、マーケティングの戦略から実行までにおける責任がCMOにはあります。

責任の範囲が明確な分、各CxOは自身の専門性を活かすことができ、管轄する事業部の指揮や統括も行いやすくなります。社内情報も集約しやすいため業務の漏れが少なくなり、業務の執行スピードも向上します。

 

CxOの主な役職とその意味

よく知られているのはCEOやCOOですが、そのほかにも「CxO」の形をした役職は複数あります。それぞれが経営者視点を持ち、事業部の責任者として戦略や人材の育成を行います。CxOの役職名は名刺に書かれていることも多いので、きちんと対応できるよう主な役職とその意味は理解しておきましょう。

CEO(Chief Executive Officer):最高経営責任者

「CEO」は「Chied Executive Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高経営責任者」を意味します。日本では慣習的に社長という役職が置かれており、「CEO=社長」と認識されることも少なくありません。

CEOの役割は名前の通り、経営に関する責任を請け負うこと。経営方針の決定と事業戦略の策定に関する全責任があります。

COO(Chief Operating Officer):最高執行責任者

「COO」は「Chief Operating Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高執行責任者」を意味します。

COOの役割は、各部署における業務執行の責任を請け負うこと。日本ではCEOがCOOを兼任していることも多く、社内の経営資源を把握し、適切に配置しながら経営方針の実現を目指します。

COOとCEOが別で設けられている場合、COOはCEOのサポートも行います。

CTO(Chief Technical Officer):最高技術責任者

「CTO」は「Chief Technical Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高技術責任者」を意味します。

CTOの役割は、プロジェクトマネジメントや技術開発チームの成果を最大化するための施策の打ち出しと実施をすることです。中小企業であればエンジニアの採用・育成の業務も行います。

大企業のCTOであれば現場の統率に加えて、経営層に属する幹部のひとりとしてビジネス戦略に基づいた技術戦略の意思決定やシステム構築・運用などの役割も担います。企業規模に比例して責任の範囲が広がるのが特徴です。

CFO(Chief Financial Officer):最高財務責任者

「CFO」は「Chief Financial Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高財務責任者」を意味します。

CFOの役割は、自社の経営戦略に基づいた財務戦略を立てること。そのために資金調達を行ったり、キャッシュフローの管理などを行います。上場前には内部統制や監査法人・証券会社との交渉もCFOの業務のひとつです。

財務に関する業務が複雑化すればチームで分業しなければならないため、チームマネジメントの能力も欠かせません。

CMO(Chief Marketing Officer):最高マーケティング責任者

「CMO」は「Chief Marketing Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高マーケティング責任者」を意味します。

近年、生活者の価値観や購買行動、生活様式は多様化してきています。そのため多くの企業で、商品をただ売るのではなく、最初のタッチポイントから購入後のフォローまで、全体の流れとしての購買体験を提供することが一般化してきています。

CMOの役割は、そうしたマーケティング戦略の立案・実行に加えて、全社で一貫したマーケティング活動を行うことです。製品開発部や広報部、営業部と連携してマーケティングを実行します。

CSO(Chief Strategy Officer):最高戦略責任者

「CSO」は「Chief Strategy Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高戦略責任者」を意味します。CEOの右腕として設置されていることが多く、CEOの業務のサポート役をこなします。

CEOが決定した経営方針から中長期的な戦略を立案し、各事業部に落とし込みます。多忙なCEOに代わってスピーディな意思決定を行い、事業オペレーションを組み立てます。

CBO(Chief Branding Officer):最高ブランディング責任者

「CBO」は「Chief Branding Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高ブランディング責任者」を意味します。名前の通り、自社のブランド価値を高めるためのブランディング活動における責任を担っています。

ブランディングは競合他社との差別化を図り、市場での明確なポジションを獲得するために重要です。

商品やサービスだけでなく、全社のブランディング戦略を立てるのもCBOの役割のひとつ。特に近年は従業員に自社のブランド価値を浸透させるインナーブランディングが、全社的な価値を高めるのに重要であるとされているため、CBOは社外に加えて社内に対するブランディング活動も重要視しなければなりません。

CIO(Chief Information Officer):最高情報責任者

「CIO」は「Chief Information Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高情報責任者」を意味します。今後、自社をさらにスケールアップさせるには、IT投資をどのように行うかは慎重かつ戦略的に考えなくてはなりません。

そうしたなかでCIOは経営的な視点を持って、自社の情報化戦略を立案・実行します。その時重要となるのは、費用対効果の高い投資を行い、それが自社の競争力の向上に繋がっているかどうかです。

例えば、社内情報のデータ化やITサービスを利用した売上増加、作業の効率化などが挙げられます。効果を見越して投資を行い、企業価値の増大に結びつけるのがCIOの役割です。

CISO(Chief Information Security Officer):最高情報セキュリティ責任者

「CISO」は「Chief Information Security Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高情報セキュリティ責任者」を意味します。名前の通り、自社の情報セキュリティを統括する責任を担っています。

社内システムの安全はもちろんのこと、顧客情報が外部に流出したりハッキングやウイルスによって情報が盗まれたりしないようセキュリティレベルの強化を行ったりするのが主な役割。さまざまなITサービスが普及し、取り扱う情報が多くなっている現代ではセキュリティリスクが高まっているため、CISOの存在は欠かせません。

CLO(Chief Legal Officer):最高法務責任者

「CLO」は、「Chief Legal Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高法務責任者」を意味します。外資系企業では「ゼネラルカウンセル」と呼ばれることもあり、役割はどちらも同様です。

CLOは法務部門の責任者として経営視点でコーポレートガバナンスの強化や法的リスクのマネジメントなどを行います。法務分野における専門家として経営に関するアドバイスをしたり、法務戦略の意思決定を行ったりするのもCLOの役割です。

CHRO(Chief Human resource Officer):最高人事責任者

「CHRO」は「Chief Human resource Officer」の頭文字を取った略語で、日本語で「最高人事責任者」を意味します。労働人口が減少している日本において、優秀な人材を確保するための人事戦略の立案・実行を行う役割として、近年CHROの重要性が高まっています。

CHROのそのほかの役割として、経営戦略に基づいた人事評価制度の構築・運用もあげられます。現場と評価制度の乖離が起きていないかを確認して、適切な評価ができるように調整を行います。

加えて、事業部のマネジメント層の育成・管理もCHROの役割です。現場の意見を吸い上げ、経営層に伝える橋渡しの役目も果たしています。

 

CxOを目指して転職するメリット

CxOは一人ひとりが経営者の視点で業務に携わります。戦略の立案・実行、事業部における成果や売上を最大化しなければならないので責任は重大です。しかし、その分やりがいのある役職でもあります。CxOを目指して転職する3つのメリットをご紹介します。

当事者として経営に関われる

CxOを目指して転職する1つ目のメリットは、当事者として経営に関われることです。CxOは事業部の責任者という立場であるため、経営層と密にやりとりを行い、各事業部の戦略を立案・実行します。

ほかの役職では経営に直接関わる機会はほとんどありません。プレイヤーとしてではなく経営陣のひとりとして企業経営に携われるのはCxOのメリットのひとつです。

経営の知識が学べる

CxOを目指して転職する2つ目のメリットは、経営の知識が学べることです。経営陣のひとりとして取締役や役員などと会議を行うなかで、現場ではなかなか知ることのできない経営に関するさまざまな知識を吸収できます。

企業経営に関する情報は書籍やセミナーなどでも学べますが、そうした知識は現場でどう用いるかどうかが非常に重要です。問題に直面したときの対応方法や事業をスケールさせるための考え方など、経営者からさまざまなことが学べます。

高い給与を得られる可能性が高い

CxOを目指して転職する3つ目のメリットは、高い給与を得られる可能性が高いことです。

CxOは事業部の責任者というポジションです。手を動かすような業務は多くありませんが、頭を使い、事業部の成果を最大化させるための戦略を練り、それを現場に落とし込んでチーム一丸となって目的を遂行できるようマネジメントを行います。

そのため企業規模に関係なく基本的に給与は高い傾向にあります。収入を安定させたいと考える方にとって目指すべき価値のある役職です。

CxOの意味を正確に押さえよう

本記事のまとめ
  • CxOという役職はxに入る頭文字によって責任範囲や役割が異なる
  • CxOは経営視点を持って事業部の統括・指揮を行う
  • CxOは経営に直接関わり、経営に関する知識を学べるポジション

CEOやCOOなど、CxOは多くの役職名が存在するため意味が混同されがちです。「x」に入る頭文字によって責任範囲や役割は大きく異なるので、日系企業で採用されることの多い役職名は特に正確に意味を押さえておきましょう。

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