妊娠は嬉しい出来事でありながら、体調も生活も大きく変化するため不安も大きいでしょう。今まで通りに仕事ができなくなる可能性も高いので、職場には早めに報告し、今後について相談しておくほうがいいと思いつつも、「気を使わせてしまうかも」「仕事を回してもらえなくなるかも」などの不安もあるのではないでしょうか。
本記事では職場への妊娠報告はいつ、誰にすべきなのかを、相手別・ケース別に解説します。特定の職場を持たないフリーランスの妊娠報告についても紹介します。
- 職場への妊娠報告は10週目から安定期に入る頃が一般的
- 体調や仕事内容を見て、身体に悪影響が出そうならすぐに相談を
- フリーランスの仕事仲間への妊娠報告はどうする?
職場への妊娠の報告はいつするのがベスト?
妊娠をすると仕事への影響がほぼ確実に出ます。妊娠初期にはつわりが辛く、後期はお腹の重さや貧血、骨盤のひらきなどにより身体的な負担が大きくなるでしょう。
中期は比較的落ち着いているかもしれませんが、流産や早産のリスクを考えると自分自身で気をつけるのはもちろん、周囲の配慮も欠かせません。
適切な配慮を受けるために、職場には妊娠の報告をしましょう。どんな相手に、いつ頃妊娠報告をすればいいのか紹介します。
報告時期は体調や仕事内容と相談して決めよう
妊娠の報告時期は体調や仕事内容と相談して決めましょう。つわりがひどい場合や仕事で重いものを持つ場合は、妊娠がわかったらすぐにでも報告・相談すべきです。
つわりの時期や症状には個人差があります。人によっては匂いに敏感になり満員電車に乗れなくなったり、職場の環境に耐えられなくなったりするかもしれません。仕事中にトイレに立つ回数も増えることがあり、報告しておくことで理解を得やすくなります。
つわりの症状を踏まえ、通勤時間や休憩時間を一時的に変えてもらうのもいいでしょう。
また、妊産婦に重量物や有害物の取り扱い業務をさせるのは法律(労働基準法第六十四条の三)で禁止されています。
直属の上司や同期には、10週目程度
つわりがそこまでひどくない場合、直属の上司や同期などには妊娠10週目程度に報告するといいでしょう。
妊娠初期、特に8週目までは流産のリスクが高く、妊娠報告の後に流産の報告をすることになる可能性もゼロではありません。そうなると本人はもちろん、周りも辛いでしょう。
なお、妊娠した日を正確に特定するのは困難です。そのため8週目を超えたらすぐに報告するのではなく、少し待って10週目程度に報告するのが無難といえます。
全体への報告は安定期に入ってからが安心
全体への報告は安定期(妊娠16週)に入ってからが安心です。この時期になると流産のリスクが低くなり、つわりも治まり始める人が多いです。
流産リスクが高いとき、つわりがひどい時期に全体報告をして周りに気を使われるとかえって疲れるという人もいるでしょう。単純に嬉しい報告として伝えるなら、やはり安定期がベターでしょう。
パートナーが妊娠した場合の報告について
パートナーが妊娠した場合も、直属の上司には早めに報告するのが好ましいです。妊娠初期のつわりは人により症状が異なり、切迫流産のリスクもあります。
何より、妊娠は妊産婦本人だけで乗り越えるものではありません。妊産婦とパートナーが手を取り合い、二人三脚で進めていくものです。妊婦検診に一緒に行ったり、つわりがひどいときに話を聞いて適切なサポートをしたりすることは、妊娠中にしかできない貴重な体験です。
妊娠中をどう過ごしたかで夫婦の関係は良くも悪くもなり得ます。パートナーも早めに職場に報告し、融通が利く状態をつくっておきましょう。
フリーランスは仕事仲間に妊娠報告すべき?
会社に所属していないフリーランスは、仕事仲間に妊娠報告をすべきか否か迷うでしょう。フリーランスには基本的に出勤がなく、時間の融通も利きやすいため、仕事仲間への報告や相談は必要ないように感じるかもしれません。
しかし、妊娠中は体調の変化も激しく、無理が利きづらい時期です。無理をして流産や早産のリスクを上げてしまうのも避けたいです。やはりある程度近い関係の相手には、妊娠報告をしておくべきでしょう。
報告するかは相手との関係性や気持ちで判断
フリーランスが仕事仲間に妊娠報告をするとして、誰に伝えるかは迷いの多いところでしょう。報告相手を決める基準として、相手との関係性や相手への気持ちが挙げられます。
フリーランスには上司も部下もいませんが、「上司のような人物」はいるはずです。デザイナーやライターのようなプレイヤーならディレクターが、ディレクターやマネージャーのような管理者なら、それを束ねるリーダーのような人が会社員でいう上司にあたります。今まで通りに仕事ができなくなる可能性もあるので、彼らには早めに報告しておきたいです。
中には個人のディレクターやプレイヤーとして、クライアントと直接やり取りしている人もいるでしょう。この場合、クライアント側の担当者に報告しておくのがおすすめです。
自分の気持ちを軸に報告・相談の相手を決めるのもいいでしょう。普段から良くしてくれているクライアントやディレクターなどには、妊娠のような嬉しい報告をしたくなるものです。このような相手にも安定期に入り流産のリスクが低くなってから報告するのが安心です。
ディレクター・マネージャーなら早めの報告・相談を
ディレクターやマネージャーなどの管理者ポジションにいるなら、クライアントには早めに報告・相談しましょう。
つわりの症状や切迫流産などによって、今までどおりに仕事ができなくなるかもしれません。いざというとき自分もクライアントも慌てずに済むよう、早めに報告し、準備を整えておくのが安心です。
パートナーが妊娠したら、応援してくれそうなクライアントに報告を
パートナーが報告した場合、応援してくれそうなクライアントに、安定期に入ってから報告するのがいいでしょう。
先述の通り、妊娠は夫婦で協力し合って乗り越えていくものです。クライアントに報告しておけばスケジュールの融通も利きやすくなり、夫婦の協力体制が築きやすくなります。
何より、妊娠や子育てなどの人生のビッグイベントを通して人は成長します。妊娠や出産の報告をすることで、「子育てを通して責任感も強くなっていくだろうし、もっと重要な仕事を任せてみよう」「これから何かとお金がかかるようになるから、もっとたくさん仕事を任せてみよう」と思ってくれるクライアントもいるでしょう。
妊娠報告も大切だが、その後に向けた相談こそが最重要
職場への妊娠報告も大切ですが、その後に向けた相談をすることこそが最重要です。
妊娠中は体調の変化が激しく今まで通りに働けなくなるかもしれません。限界になってから報告・相談していては引継ぎもまともにできないでしょう。
早めに妊娠の報告をし、今後起こりうる事態を伝え、いざというときの対応について相談しましょう。早めの報告と相談は妊産婦本人だけでなく、会社のためでもあるのです。
報告時期はあくまで目安!妊娠したら体調を最優先に、周りへの相談を大切に
- 妊娠報告の時期はあくまで目安であり、体調や仕事内容を踏まえて相談するのが大切
- つわりがひどい場合や仕事内容が過酷な場合はすぐに相談を
- フリーランスも相手との関係性を見て、仕事仲間に妊娠報告をしよう
職場への妊娠報告は10週目や安定期に入ってからといわれていますが、これはあくまで目安です。つわりがひどい場合や仕事内容が過酷な場合は早めに相談し、適切な配慮を受ける必要があります。「いつ報告するか」ではなく、「体調を見て相談する」と考えましょう。
妊娠の報告や相談は会社員だけでなく、フリーランスにとっても重要です。密接な関係の相手には早めに報告・相談し、スケジュールや仕事量を調整しやすい状態をつくっておきましょう。
自身やパートナーの妊娠を喜び、応援してくれるクライアントもいるはずです。このようなクライアントには嬉しい報告として妊娠を伝えることで、精神的な距離が近くなります。
本記事を参考に、妊娠の報告時期を検討してみてはいかがでしょうか。
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