ビジネスシーンでミスをしてしまった際に「以後気を付けます」という言葉を使っている人もいるのではないでしょうか。
実は、「以後気を付けます」は目上の人に対して使用するには不適切な言葉であり、注意が必要です。
本記事では、ビジネスシーンで使用できる「気を付ける」の言い換え表現や文例を紹介。丁寧な言葉で「気を付ける」ことを伝えたい人は、ぜひ参考にしてください。
- 「気を付ける」の意味
- ビジネスシーンで活用できる「気を付ける」を使った表現
- ビジネスシーンで「気を付ける」の言い換え表現・文例
「気を付ける」の意味
ビジネスシーンにおいて、ミスを指摘された場合「今後気を付けます」「以後気を付けます」という表現を使うことも多いのではないでしょうか。
「気を付ける」とは、「注意を払う」ことを意味します。つまり、「気を付けます」は「今後同じようなミスをしないように注意を払う」ということを表す際に使用する表現です。
「気を付ける」は取引先や上司には使用しないほうがいい
「今後気を付けます」「以後気を付けます」という表現は、丁寧語が使用されています。
しかし、「気を付ける」という意味を表す言葉には、より丁寧な言葉遣いがあるため、「気を付けます」は取引先や上司には使用しないほうがいいといわれています。
例えば、謙譲語を使った表現の「気を付けてまいります」は、目上の人にも問題なく使用できます。「気を付ける」ことを伝えたい場合、相手への敬意を表す言葉を使って伝えられるようになりましょう。
ビジネスシーンで活用できる「気を付ける」を使った表現
同僚や気のおけない先輩などに、「気を付けてまいります」という言葉遣いをすると違和感を覚えさせてしまうことも。
以下では、ビジネスシーンで活用できる「気を付ける」を使った表現をご紹介します。相手との関係性によって、言葉遣いを変えられるといいですね。
重々気を付けます
「重々気を付けます」は、「気を付けます」に「重々」という言葉をプラスした表現です。
ただ、「気を付けます」というよりも深く反省していることがわかりますね。
- 今回のミスを二度と繰り返さないよう、重々気を付けます。
このようなことを繰り返さないように、以後気を付けます
「このようなことを繰り返さないように、以後気を付けます」は、「気を付けます」よりも具体的な表現です。
ただ「気を付けます」というだけでは、何に気を付けるのかが伝わりません。「このようなことを繰り返さないように」など具体的な気を付けることを伝えることで、反省が十分伝わるでしょう。
- 前回の失敗を糧にして、同じミスを繰り返さないように、以後Wチェックを徹底し、気を付けます。
今後気を付けるようにいたします/以後気を付けてまいります
「今後気を付けるようにいたします」「以後気を付けてまいります」は、それぞれ謙譲語を使ったフレーズなので、「気を付ける」よりも丁寧です。
他にも「気を付ける所存です」も同じぐらい丁寧な表現なので、あわせて覚えておくといいですね。
- 今回の失態を繰り返すことがないよう、今後一層気を付けるようにいたします
- 同じような過ちを繰り返さないように、以後気を付けてまいります
ビジネスシーンで「気を付ける」の言い換え表現・文例
「気を付ける」という動詞を使わずに、「気を付ける」という気持ちを伝える言い換え表現をご紹介します。
色々な表現を覚えて活用すると、反省していることが相手に伝わりやすくなるでしょう。
今後は注意いたします
「今後は注意いたします」は、「気を付ける」という動詞を「注意する」に言い換えた表現です。
「気を付ける」から「注意する」に言い換えることで、具体的に何をするのかをイメージしやすくなりますね。
- 申し訳ありませんでした。このようなことを繰り返さないように、今後は注意いたします。
以後留意いたします/今後は十分に留意してまいります
「以後留意いたします」「今後は十分に留意してまいります」は、継続的に注意することを意味するフレーズです。
「注意」と「留意」は似ているようですが、少し意味合いが異なることを押さえておきましょう。
「注意」はあるひとつの物事に注目し意識することをいいます。一方で、「留意」は漠然とした物事に対して、心に留めておくことを意味します。
例えば、「足元にご注意ください」とは言いますが、「足元に留意してください」は使われません。逆に、「健康にご注意ください」とは言いませんが、「健康に留意してください」という表現は使われます。
このような、微妙な意味の違いを知った上で、「留意いたします」「注意いたします」を使い分けられるとよいですね。
- 指摘していただいた改善点を、以後留意いたします。
二度とこのようなことはいたしません
「二度とこのようなことはいたしません」は、「気を付ける」よりも強い反省を表すフレーズです。
些細なミスに「二度とこのようなことはいたしません」という表現を使用すると、重々しく感じられてしまいます。「二度とこのようなことはいたしません」は重大なミスに対して使用することをおすすめします。
「二度とこのようなことはいたしません」と言った後、同じミスをしたら信用を大きく失うので気を付けてくださいね。
- 誠に申し訳ありませんでした。重々に反省し、二度とこのようなことはいたしません
肝に銘じます
「肝に銘じます(きもにめいじます)」は、「強く心に刻み付け忘れないようにする」という意味を表します。
肝に「命じる」と漢字を誤らないよう、「銘柄」の「銘」であることをしっかりと覚えておきましょう。
- 前回の失敗を猛省し、その教訓を肝に銘じて仕事と向き合います
猛省しております
「猛省しております」は、反省していることを丁寧に伝える表現のひとつ。
「猛省しております」だけ伝えても、反省している気持ちが伝わらない可能性が高いです。今後のことや、ミスを繰り返さないように意識することにも言及すると、真剣さが伝わりやすいですよ。
- 大切な契約での重大なミスを、猛省しております。同じ過ちを二度と繰り返さないように努力してまいります。
失礼いたしました
「失礼いたしました」は、ミスがあったことを詫びる表現のひとつ。
それほど重大でないミスに対しては、「失礼いたしました」を使うことをおすすめします。
- メールの返信が遅くなってしまい、大変失礼いたしました。
ビジネスシーンでの「気を付ける」の言い換え表現を覚えよう
- 「気を付けます」は目上の人には避けたほうがいい表現
- 「重々気を付けます」「以後気を付けます」などは、同僚や仲のいい先輩に使おう
- 目上の人には「肝に銘じます」「今後は注意いたします」などのフレーズがおすすめ
本記事では、ビジネスシーンで使用できる「気を付ける」の言い換え表現や、「気を付ける」以外の動詞を使った表現などをご紹介しました。
「気を付けます」自体は、丁寧語を使っているため、同僚や仲のいい先輩への言葉遣いとしては問題ありません。一方、目上の人やより反省を伝えたい場合には、より丁寧な言葉遣いである「注意いたします」「留意いたします」などを使うといいでしょう。
本記事を参考に、ビジネスシーンでの「気を付ける」の言い換え表現を覚えて使ってみてはいかがでしょうか。
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