メディアの未来を考えるイベント「MEDIA DAY TOKYO 2023」(主催・企画:PR TIMES、企画・運営:CINRA, Inc.)が7月20日(木)に開催。トークセッション「メディア業界での多様なキャリア構築を考える」では、元朝日新聞社の記者で現在はメディアのDX化・イノベーションに向けて活動する古田大輔さんや、TBSアナウンサーから映像メディア「PIVOT」のプロデューサーに転身した国山ハセンさんら4人が登壇し、転職や独立について語り合いました。
転職を考えるべきタイミングとは?
古田さんは、朝日新聞社でシンガボール支局長をしているとき、自身の能力に対する壁を感じたほか、新聞紙の影響力が弱くなってきていたことを受け、自身のキャリアについて考えるようになったといいます。「仕事がうまくいっていなかったのは、結果的に良かったと思うんですよ。色んな人にアドバイスするとき、『いま仕事がうまくいっていなくて悩んでいたらチャンスだと。悩む時間があるんだから』という話を良くします」と転職を考えるタイミングについてアドバイスしました。
転職するうえでは、「好きなこと、やりたいこと、得意なこと、求められていること、お金がそれなりに稼げること(かどうか)考えないといけないとダメですよね。“今の企業がなんとなく嫌だから辞める”だと、辞めた先でまた苦しむという話はよくします」と話しました。
大手メディアからスタートアップに移ることへの不安は?
国山さんは、TBSに入社して5年目になり、さまざまなジャンルの番組を担当できるようになったものの、「どうしたらもう一段階上にいけるのかを考えて、もやもやがあった」そうです。そんなとき、PIVOTの存在を知り、「新しいところに行ったときに自分個人としてどう貢献できるのか」を考え、転職を決断したといいます。
退社する前は「ものすごく悩んだ」ものの、いまでは「そんな悩みなんだったんだろうと思うくらい、前を向いている」と話し、選択に後悔はないそうです。
複数の組織をわたりあるいて思ったことは
野村由芽さんは、広告会社の会社員、「CINRA」でネットメディアの企画や営業、編集長を経験したのち、2021年4月に竹中万季氏と株式会社ミーアンドユー(me and you, inc.)を立ち上げ、取締役に就任。ネットメディア「me and you little magazine」の編集長を務めています。
これまで複数の企業を渡り歩いてきたことについて、野村さんは「(組織の)比較が良くも悪くもできるのは、すごく大事だと思います。基本的には、全部やってよかったなと前向きです」と振り返りました。それは、自分の選択が合っていたからではなく、過去の教訓や課題を次に生かすことを繰り返してきたからだそうです。
フリーライターの難しさ
西森路代さんは、テレビ局で勤務した後上京し、編集プロダクション勤務、ラジオディレクターを経てフリーライターとなりました。日本や韓国のエンターテインメントについて主に執筆しており、2016年から4年間、ギャラクシー賞の選奨委員も務めています。
フリーライターの難しさとして、ある仕事をすると出版社側が遠慮して別の仕事を振ってくれにくくなることがあることを挙げました。たとえば、自身の意見も入れた著書を出版すると、編集者にインタビューはやらないと思われてインタビュー仕事の依頼が減ることにつながりやすいのだそうです。
また、大ブレイクしたライターの活躍は見えやすいものの、そうではない人がどうやって仕事をしているかが見えにくいことを上げ、今後は「『こういうやり方もある』ということを示していけるように頑張らないといけないとは感じています」と話しました。
「失敗も経験になる」
トークセッションの最後、古田さんは失敗を恐れているような質問が多かったとして、過去に見たCMで「私は何度も何度も失敗した。だから成功する」というフレーズを上げ、「失敗は経験になるので、転職も失敗したらいいんじゃないですかね」と呼びかけました。
※株式会社PR TIMESはU-NOTEの運営会社です。
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