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2024年の新卒採用、エントリー数の少なさが深刻な課題に―マイナビ調査

IKKI

2023/07/20(最終更新日:2023/07/20)


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株式会社マイナビは、全国3,113社を対象に、2024年卒および2025年卒の採用活動と計画について調査した「2024年卒 企業新卒採用活動調査」の結果を発表しました。

採用充足率、インターンシップの有無で差

調査によると、2024年卒の採用充足率(計画に対して実際に採用できた人数の割合)が5割以上となったのは前年比4.8ポイント減の39.5%。2021年卒の40.9%に比べ、新型コロナウイルスの影響が大きく影響しているようです。

また、インターンシップの実施有無による採用充足率の違いも明らかに。インターンシップを実施した企業では50.1%が「5割以上」ですが、実施しなかった企業では53.5%が「ゼロ」となりました。学生との接点を持つ準備期間が採用充足率に大きく影響していることが示唆されます。

さらに、調査では採用活動の問題点が示されました。特に「母集団(エントリー数)の不足」という問題が2年連続で増加し、70.0%に達しています。この数字は2022年卒の34.4%に比べて倍以上に増加しており、企業にとって深刻な課題となっていることがわかりました。学生は就職活動の準備期間中に、すでに応募する企業をしぼり込んでおり、その結果、エントリー平均社数は年々減少し、企業にとっては母集団の不足につながっていると推測されます。

調査では、学部卒生の総合職採用において初任給の引き上げが行われた企業についても取り上げられています。結果として、引き上げを行った企業は70.0%で、最も多かった引き上げ額は5000円~1万円未満(36.0%)でした。引き上げた理由としては、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」が最多の53.0%、「求職者へのアピールのため(48.8%)」と続きます。

上場企業では、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」が1位(63.0%)でしたが、「定着率を高める・離職を防ぐため」が2位(44.1%)となりました。採用競争が激しくなっている就活生へのアピールだけでなく、従業員のモチベーションや定着率向上・離職防止を意識して給与制度の見直しをおこなった企業が多いようです。

就活のAI活用はまだ限定的

さらに、調査では新卒採用におけるAI活用についても取り上げられました。しかし、学生が就職活動に生成系AIを利用している実感がある企業はわずか4.6%に過ぎませんでした。

一方、学生への調査では、就職活動で生成系AIの利用経験がある学生は18.4%、学生の利用経験と企業の実感には差異があることが示唆されました。学生は主に「文章の添削・校正に使っている」「ひな形になる文章を作成してもらう」などの活用方法を挙げており、AIを補助的なツールとして活用していることがわかりました。

 

最後に、企業に就職活動で学生が生成系AIを利用することについて尋ねたところ、「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしいと思う」が最も多い回答で41.2%を占め、「面白い使い方をした学生がいれば評価したい」「効率化のために上手に使用することは推奨する」など、AIのスキルを好意的に評価するコメントも見られました。

一方で、「面接などで実際に話した際に齟齬(そご)のある発言をしてしまう可能性がある」「入社がゴールではないので自分を誇張しないように配慮して使用してほしい」といったコメントからは、AI活用による選考書類の作成で就活生本人の意見との乖離(かいり)を避けることが重要であることがうかがえます。

「マイナビ2024年卒 企業新卒採用活動調査」概要

調査期間/2023年6月2日(金)~6月20日(火)

調査方法/WEBフォームより回答

調査対象/同社運営の情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて、マイナビ2024利用企業担当者あてにはメールマガジンにて、営業担当から各企業にそれぞれ案内

調査機関/同社調べ

有効回答数/3,113社(上場265社、非上場2,848社│製造1,223社、非製造1,890社)

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001816.000002955.html

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