HOMEビジネス サ活で知った銭湯の魅力を伝えたい人へ! 銭湯業界への入り口「銭湯の担い手養成講座」開催

サ活で知った銭湯の魅力を伝えたい人へ! 銭湯業界への入り口「銭湯の担い手養成講座」開催

服部真由子

2023/05/19(最終更新日:2023/05/19)


このエントリーをはてなブックマークに追加

サウナを楽しんだ深いリラックス状態を意味する「ととのう」、サウナを楽しむことを「サ活」と呼ぶなどの言葉を生んだ近年のサウナ・ブーム。その火付け役となったタナカカツキ著『サ道』(2011年・PARCO出版)の刊行からすでに12年が経過しましたが、いまだにブームは衰えません。このブームは、サウナ・銭湯の新しい利用者として若い世代を開拓。生まれる前から自宅にお風呂が備わっている彼らが銭湯に足を運ぶきっかけとなり、サウナのみならず銭湯がもつ魅力も伝わりました。

このブームも追い風にして、家族経営が主流である銭湯の後継者を増やそうという取り組みが行われています。東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が「銭湯の担い手養成講座」を実施。本講座は4つのステージに分けて2021年から行われる取り組みで、6月24日(土)・25日(日)に「ステージ1」を行い、両日それぞれ8人の参加を募っています。

減っていく銭湯と再生の動き

厚生労働省が2019年に発表した公衆浴場の資料では、近年多くの銭湯が廃業したことが伝えられています。家庭にお風呂が普及したことなどを理由に利用者が減少し、銭湯経営が困難になったことや、後継者不足、立地や敷地の広さを活かしたほか事業への転換などで廃業が続いたことが要因とみられます。

一方で、銭湯文化を守ろうと若き後継者がリニューアルを図り、銭湯を再生させた実例も生まれています。赤字が続き廃業寸前だった銭湯が行列ができるまでに蘇った「サウナの梅湯」(京都府下京区・五条)をはじめ、‟銭湯と庭の付いた3階建ての戸建てシェアスペース”として再生した高円寺(東京都杉並区)の老舗銭湯「小杉湯」、昭和レトロな喫茶スペース「深海」が話題の十條湯(東京都北区・十条)など若い世代が歴史ある銭湯を引き継いで再生し、人気を集めています。

銭湯の担い手養成講座とは

本講座は銭湯で働くことに興味を持つ未経験者を対象に行われ、銭湯運営・経営の実務を経験した参加者から未来の銭湯経営者を生み出すことが目標です。東京都浴場組合によると2021年、22年の講座には定員を大きく上回る応募があり、銭湯の経営に携わりたい、銭湯の仕事を手伝いたい、という人は確実に増えているとのこと。一方で、家族経営が主流の銭湯に未経験者が新たに関わることは難しい現状もあるそうです。

6月に実施される「ステージ1」は『府中湯楽館 桜湯』の経営者を講師に迎え、銭湯の実務として、同銭湯の浴室清掃や開店準備などを実際に体験し、桜湯を例にした経営収支の講義が行われます。

実際の就労形態に近い経験を積んでもらう「ステージ2」と「ステージ3」も順次開催が予定されていますが、「ステージ2」の受講には「ステージ1」の修了が、さらに「ステージ3」の受講には「ステージ2」の修了が受講条件。東京都内の銭湯経営者だけに限定公開されている「担い手情報サイト」に「ステージ3」修了者の情報が登録され、銭湯への就労への道が開かれるそうです。

本講座の実施要項は以下でご確認ください。
銭湯の担い手養成講座 特設サイト:https://www.1010.or.jp/ninaite/


東京銭湯・東京都浴場組合
https://www.1010.or.jp/

業種別マニュアル_公衆浴場(2019年資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/000505173.pdf

サウナの梅湯、十條湯を手掛けるゆとなみ社
https://youkiyu.stores.jp/news/5ef5a8590d5e380a6ea4219a

銭湯ぐらし(小杉湯・小杉湯となりの取り組みを紹介)
https://note.com/sentogurashi

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000079893.html

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード