IoT技術(※)を活用したコミュニティ菜園『grow FIELD』などで知られる企業、プランティオが東京・渋谷を舞台に“Farm to Table”という理念を日本でより浸透させ、実際の飲食業に取り入れるための実証実験を開始します。
この実証実験は国内外に70店舗あまりのレストラン・カフェを経営する飲食事業者・ゼットンと提携して行われます。
※従来インターネットに接続されていなかった家電や自動車といった「モノ」をインターネットに接続する技術。
Farm to Tableとは?
2010年代からアメリカ西海岸で広まった食に対する考え方で、読んで字のごとく「農場から食卓へ」。日本では「地産地消」いう言葉のほうが馴染み深いかもしれません。
生産者から消費者まで安全で新鮮な食材を届けるだけでなく、環境にも配慮したサステナブルな食材流通を目指すことも含まれます。
実証実験の概要
東京・渋谷にあるゼットン本社の屋上に、実証用のプランターを15基設置し、プランティオが開発しているIoTアグリセンサー『growCONNECT』とアプリ『growGO』を使って野菜を栽培/収穫します。
“Farm to Table”の理念に基づいたゼットンでのオリジナルメニューの開発や、プランティオが展開する公園でのコミュニティ農園事業と連携させるための試みを、栽培経験と収穫物から模索するための実験とのこと。また、栽培〜提供までのオペレーションをシームレスにつなげることを目標に検証を進めていくそうです。
IoTアグリセンサー『growCONNECT』とは?
この実験の基幹に据えられた『growCONNECT』は、野菜栽培に必要となる土壌温度計、土壌湿度計、日照センサー、外気温センサー、湿度センサーと195°広角カメラを搭載したプランティオのプロダクトです。
自宅のベランダやビルの屋上、マンションの一室などを“畑”にして、野菜がいつでもどこでも誰にでも栽培できるように開発されました。6つのセンサーが測定したデータを地域に合わせて分析。アプリ『grow GO』からタイムリーに、水やりや間引きのタイミングなど栽培アドバイスを受け取り、収穫までナビゲーションしてくれます。
プランティオ代表者コメント
この実証実験をスタートするにあたり、プランティオ代表取締役・芹澤 孝悦さんは次のようにコメントしています。
日々、野菜を育てていると、育てないと食べられないものや、農が農業という産業に変遷して行った過程で失われていった食文化というものに出会います。
例えば、日本小松菜は非常にやわらかくて、収穫したそばからしおれてしまうので、流通に向かず、現在ではチンゲンサイなどと交配し、流通に向くように改良され現在の小松菜になりました。また、みなさんも身近なきゅうりなどは、元々“キ(黄)ウリ(瓜)“言い、江戸時代あたりまでは文字通り黄色い状態で食べていたそうです。このように「産業」化する過程や、「効率化」を求めた末にかつては存在した多様な食文化が失われてしまい、結果、画一化したメニューになってしまいました。
黄色くなるまで熟したきゅうりを江戸時代の料理法で食べてみたいとは思いませんか?
Farm to Tableにはそんな知的好奇心をくすぐるワクワクと感動があります。
国内外に70店舗あまりを展開するゼットンさんが、そんなサステナブルでかつ知的好奇心を満たせる体験を提供するための実証実験に踏み切ったことは、日本の飲食業界にとっても非常に意義があることと思っています。日本中の飲食店さんが、地産地消をあたりまえに行って頂ける未来を描き、飲食業界さんと本腰を入れ、オペレーションを確立し、社会実装を行います。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000035570.html
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