東洋経済新報社は4月7日(金)、政府の「成長戦略会議」委員も務めたアナリスト、デービッド・アトキンソン氏の最新刊「給料の上げ方」を刊行。「給料の本質」を明らかにし、引き上げるための戦略と戦術を紹介しているということです。
日本では給料が30年間ほとんど上がらず
新卒で会社に入社したものの、自分の給料が上がることに期待していない若手ビジネスパーソンも少なくないのではないでしょうか?
アトキンソン氏は同著で、ほかの先進国では給料が上昇し続けているにもかかわらず、日本では30年間ほとんど上がっていないことを問題視。その理由は「海外では個人が給料を上げる主役になっているから」だといいます。
先進国では、7割以上の労働者が給料を上げてもらえるよう毎年経営者と交渉しているのに対し、日本人労働者の7割は「賃上げを求めたことはない」という調査結果があるそうです。経営者の意識改革や政府の政策、労働組合を通じた団体交渉には期待できず、個人が積極的に経営者と(平和に)交渉することでしか状況は改善しないと主張しています。
とはいえ、ハードルが高く感じる経営者との交渉。下手したら会社での立ち位置が危うくなってしまいそうです。アトキンソン氏は、どのような考え方で臨み、どのように交渉するべきかをデータの裏付けを交えながら解説しているということです。
刊行にあたってアトキンソン氏のコメント
著者のアトキンソン氏は刊行にあたりコメントも発表しました。「いまの給料は、まじめな日本人の働きにふさわしい水準ではありません。政府や経営者に任せていては、給料は上がらないことがハッキリしました。いまこそ、日本人一人ひとりが動き出すときです」と呼びかけています。
同著は316ページ。税込み1760円です(Amazonの商品ページはこちら)
アトキンソン氏の経歴
1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学では「日本学」を専攻し、1992年にゴールドマン・サックス入社。2017年から日本政府観光局の特別顧問、2020年から政府の「成長戦略会議」委員などを歴任。国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長兼社長を務めています。
<参照元>
見限るべき社長、ついていくべき社長とは? 「伝説のアナリスト」が全日本人に呼びかける『給料の上げ方』4月7日(金)発売
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