SheepDogが運営する塾・学習塾の口コミや料金比較サイト「塾マップ」は4月6日、全国の15~19歳に行った「AEDに関するアンケート」の調査結果を発表。およそ18%がAEDの使い方を知らないと回答したことが明らかになりました。
AEDは、裸の胸の上に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断する小型の機械。もし心室細動という不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、心臓に一瞬電気ショックを与え、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。
調査結果
塾マップでは、東京都、宮城県、愛知県、大阪府、福岡県の15~19歳の男女300人に対し、2023年3月31日にネットでアンケートを実施。「AEDの使い方を知っていますか?」という問いに最も多かった回答は、「使い方を知っているが、使ったことはない」が71%でした。
実際に使ったことがあると回答したのは10%。一方で「AEDが何かわからない」と答えたのは1%にとどまりました。実際に使ったことがあると回答した人を男女別でみると、女性が12%、男性が8%です。
心臓突然死は1年で7.9万人
公益財団法人日本AED財団によると、日本で心臓が原因で突然心停止となる人は1年間で約7.9万人。その原因の多くは「心室細動」と呼ばれる重篤な不整脈で、救命には迅速な心肺蘇生と電気ショックが必要です。
電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下していくものの、119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は9.4分。消防庁が発表した「令和4年版救急・救助の現況」では、119番通報のみで救えたのはわずか7.0%です。
一方で、胸骨圧迫(心臓マッサージ)も行うことで11.4%、AEDを使うことで49.3%と突然心停止した半分近くの人を救うことができるとのこと。しかし、心停止後のAED使用率はたった4.1%にとどまっている状況です。
AEDの使い方
では、AEDはどのように使えばよいのでしょうか?
まず倒れてる人を発見した場合、反応を確認して119番通報とAEDを要請します。普段通りの呼吸がない場合は心停止となっているので、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をすぐに開始。同財団は、判断に迷った場合も胸骨圧迫の実施を勧めています。日本心臓財団によると、胸骨圧迫で状態が悪化することはないということです(倒れている人が嫌がるそぶりを見せたら中止)。
AEDが到着したら、まずは電源ボタンをプッシュ。あとはAEDから流れてくる音声に従って救命処置を進めます。胸骨圧迫は続けながら電極パッドを貼り、「電気ショックが必要です」と音声が流れた場合は、周囲の安全を確認した上で電気ショックボタンを押すというのが一連の流れです。AEDは、必要がない場合には電気ショックを行わない仕様になっています。電気ショック後はすぐ胸骨圧迫を再開しましょう。
設置場所を確認しておこう
AEDが必要でも、探すのに時間がかかって救命できなくなる可能性もあります。普段過ごすオフィスや大学などで、事前にAEDがどこにあるか把握しておくとよいでしょう。SECOMは、AEDの効率的な探し方として、(1)一般財団法人日本救急医療財団が公開している「AEDマップ」、(2)AEDの設置ステッカーを探す―の2つの方法を提案しています。
<参照元>
10代男女の18%がAEDの使い方を知らないと回答。実際に使ったことがあるのは10%【AEDに関するアンケート】(塾マップのWebサイト)
AEDって、何ですか?(公益財団法人日本心臓財団のWebサイト)
AEDを使った救命の仕方(同上)
AEDの知識(公益財団法人日本AED財団のWebサイト)
令和4年版 救急救助の現況(総務省消防庁のWebサイト)
AEDの設置場所はどこ?設置基準から設置のポイントまで(SECOMのWebサイト)
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