フォートナイト、Apex legends、VALORANT――。新型コロナウイルス感染症の感染拡大や有名芸能人の参戦もあり、ますます盛り上がるオンラインゲーム市場。ただ、ゲームへの依存は、日々仕事を行う社会人にとっても大きな悪影響を与えかねません。U-NOTE編集部は、スマートフォン・ゲーム依存の相談支援事業を行う特定非営利活動法人Gumiに傾向と対策などを聞きました。
ゲーム依存で仕事や生活に支障
同法人の代表理事を務める古谷大志さんによると、社会人からの相談として多いのはオンラインゲーム。スマートフォンやタブレットのゲームでは、アイテムなどに給料や使ってはいけないお金を衝動的に使ってしまい、生活に支障が出ているといいます。
また、PCやゲーム機器などでは、オンラインのシューティングゲームのやりすぎで時間や体力を消耗。休日の前日ならまだしも翌日に仕事がある日の夜にものめりこんでしまい、支障が出てしまうケースがあるそうです。
ゲームの中には、活躍に応じてポイントが増減し、階級が上下する「ランクシステム」が実装されているものもあり、定められた期間以内に階級を上げようとのめりこんでしまう人もいるんだとか。また、チームで動くゲームでは、就職していない友人と一緒にやり、時間の使い方が違うにもかかわらず、彼らに引っ張られてしまうケースもあるそうです。
また、古谷さんによると上記にとどまらず、依存者を家族がやめさせようとして刃物による攻撃や暴力、引きこもりなどを引き起こし、家庭環境が崩壊する場合もあるといいます。
対応策とは?
では、ゲーム依存への対策としてはどのようなことができるでしょうか。古谷さんによると個人個人で対応は違うとのこと。家庭内で依存する人がいる場合には相談機関を紹介するなどの対策が比較的取りやすいものの、「一人暮らしの社会人は予防が難しい」とも指摘します。
もし、ゲーム依存で悪影響が出ており改善したい場合には、「インターネット外来を開いている病院もあるので、そこに行くのが一番」と提案。とはいえ、どこにでもあるわけではないため、近くで見つからない場合には精神科や心療内科の受診も勧めています。
そもそもゲーム依存にならないのが一番であるとはいえ、古谷さんによると「恐ろしくのめりこんでしまうか、きちっとやめられるかは個人の気質」とのこと。個人でできる予防法としては「欲を抑えられるかどうか、突っ走ってしまうのか、どういう行動をしてしまうのかを自己覚知することが自衛の方法かなと思います」と話しました。
ゲーム障害にかかっていないか診断するテスト
2019年5月には、世界保健機関(WHO)が新たな国際疾病分類としても認定した「ゲーム障害」。独立行政法人国立病院機構の久里浜医療センターでは、ゲーム障害にかかっていないかを診断するテストも実施しており、自身もそうではないかと疑われる場合には、まずは受けてみてもいいかもしれません。
<参照元>
・ネット依存・ゲーム障害の治療 の実態と課題(厚生労働省のWebサイト)
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