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「サボる時間」なしでは仕事で成果は出ない?時間管理よりタスク管理を先にすべき理由は?

U-NOTE編集部

2023/03/22(最終更新日:2023/03/22)


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仕事で成果を生み出す秘訣は「サボる時間」をつくることにあります。「サボる時間」とは、一見仕事をしていないように見えるけれど、成果につながる自由な時間のことを指します。

「忙しすぎてサボる時間はつくれない」と思った方もいるかもしれませんが、実は違います。「サボる時間がないから忙しい」のです。

今回は、理央周さんの新著『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?「仕事の速い人」になる時間術101』から「サボる時間をつくるための工夫」について紹介します。

タスクを管理することが時間管理より先

×「時間」を管理する
〇「タスク」を管理する

「あれもこれもやらないといけないのに時間がない」

こう悩むビジネスパーソンから、「どうすればうまく時間管理できますか?」「スケジュール管理には、どんなアプリを使っていますか?」という質問をよくいただきます。

ここで発想を転換しましょう。仕事で成果を生み出す秘訣は、「時間を管理する」より「タスク(やるべきこと)を管理する」ことが先であると、私はいつも答えています。

確かに、「時間管理」の本来の意味合いは、仕事を効率よく進め、成果を生み出すことにあります。

しかし、時間の使い方から先に考えると、やるべき仕事に優先順位をうまくつけられていません。そういう人にかぎって、デバイスやアプリなどのツールに頼りすぎていることが多いです。

つまり、「手法」に振り回されてしまっているのです。仕事において、ツールはあくまで手段にすぎません。目指すところは、重要なタスクを完了させて「成果を生み出すこと」なのです。

スピーディに効率よく成果を出すには、タスクの「重要度」と「緊急度」を同時に考え、優先順位をつけて、段取りをすることです。

タイムパフォーマンス(タイパ、時間対成果)をあげる秘訣は、時間よりタスクに注目することに尽きるのです。

「タスクが先、時間はあと」が大原則です。

「成果につながる仕事」に時間を使う

×「作業」で時間に追われてしまう
〇「価業」に集中して成果を生み出す

タスクの重要度を見極める秘訣は、仕事を「作業」と「価業」に分類することです。分類する基準は、「その仕事で生み出す価値が高いかどうか?」、わかりやすくいえば「成果につながるかどうか」です。

手を動かしてこなす仕事を「作業」、頭で考えて成果を生み出す仕事を「価業」と私は呼んでいます。

「作業」は、誰がやっても大きく成果が変わらない仕事です。例えば、郵送物の発送、単純な入力作業などは、誰がやっても成果は大きく変わらないでしょう。

こうした作業で時間を追われてしまっては、高い成果を生み出すことはできません。作業は、高速化・効率化して「速くやる」、他人に任せるか、発送会社に依頼するなどして「やめる(やらない)」などの選択肢を検討しましょう。

「価業」は、成果に直結する重要な仕事です。私の場合、「クライアントの戦略のプランニング」「研修のための資料作成」「書籍の企画づくり」は、自社の売上や成果に直結するので、価業にあたります。企画・計画・商談などの関連業務は価業に分けられます。

念のために伝えておくと、決して「作業」を軽視しているわけではありません。タイパを意識して、「作業の時間をできるだけ減らし、価業の時間をより増やすためにどうすればいいか、より集中するためにどうすればいいか?」を検討することが大切なのです。

自分のタスクを整理し生産性を上げる

×自分のタスクをなんとなくこなす
〇自分のタスクを一度整理する

「作業」と「価業」のイメージをつかんだら、より具体的に把握するために、自分の仕事を一度棚卸しして、すべてのタスクを書き出してみましょう。いろいろな方法がありますが、いちばんわかりやすいのはプロセスで整理する方法です。

営業なら、「事前準備→アプローチ→アポイント→商談→受注」に分類し、それぞれに発生する仕事を書き出します。それを作業と価業に分類していきます。

ぜひ、実際に手を動かしてタスクをリストアップしてみてください。手を動かしながら分類してみると、日々の仕事のタスクの重要性や意味合い、あるいはタスク同士のつながりなどが見えてくるでしょう。この気づきに生産性をあげるヒントがあります。

「作業の時間をできるだけ減らし、価業の時間をより増やすためにどうすればいいか、より集中するためにどうすればいいか?」を意識しながら仕事を進めてください。

ここまで、仕事で成果をあげる人が行なっている時間の使い方を紹介しました。時間をつくるためには、まず「タスク=やるべきこと」を管理することが重要です。

人生において、時間は大切な経営資源です。時間の使い方を変えることで、仕事の成果だけではなく、人生の充実度も変わっていきます。

本書には、対話やメール、資料づくりなど、今すぐに改善できるポイントも多数掲載しています。101の時間術の中で、できることから取り組み、自由に使える「サボる時間」をつくりましょう。

著者プロフィール

理央 周 (りおう めぐる)
マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学専門職大学院 経営戦略研究科教授

本名:児玉 洋典。1962年生まれ。 静岡大学卒業。大手自動車部品メーカー、フィリップモリスなどを経て、米国インディアナ大学にてMBA取得。アマゾン、J:COM、マスターカードなどで、マーケティング・マネジャーを歴任。2010年に起業し翌年法人化。収益を好転させる中堅企業向 けコンサルティングと、顧客視点を育てる社員研修を提供。『売れない問題 解決の公式』『「なぜか売れる」の公式』(ともに日本経済新聞出版)『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など著書多数。

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