大学生のうちに読んでおきたい人生を豊かにする24冊の本
本を読むメリットは知識が増えることだけではありません。本を読むことで今までとは価値観や考え方、興味の幅が広がり、人格にまで影響をすることも。
本記事ではモラトリアムの真っ只中である大学生のうちに読んでおきたい本を、ジャンル別に24冊紹介します。どんなジャンルの本をどう読めばいいのかも解説します。
- 大学生のうちにたくさん本を読むメリット
- 人生を豊かにする本の読み方と読むべきジャンル
- 大学生のうちに読んでおきたい24冊の本をジャンル別に紹介
大学生のうちにたくさん本を読む5つのメリット
大学生を「人生の夏休み」という人は多いですが、これを揶揄と捉えてはいけません。大学生は特定の学問について深く学んだり、はじめて自活してみたり、どんな仕事に就くか考えたりできる貴重な時期です。
自由な時間も多く、ここでどんな体験をするかがその後の人生を大きく変えてくれるでしょう。
そこでおすすめしたいのが読書です。大学生のうちにたくさん本を読むことで、自分らしい生き方が見つかったり、卒業後の人生が上向いたりするでしょう。
大学生のうちにたくさんの本を読む5つのメリットを紹介します。
読書量と年収は比例するというデータがある
大学生のうちにたくさんの本を読む1つ目のメリットは、「読書量と年収は比例するというデータがある」ことです。
財団法人 出版文化産業振興財団が行う「現代人の読書実態調査」を見ると、1ヵ月で3冊以上の本を読む世帯は年収1,500万円が最も多いとわかります。また、1ヵ月に1冊も本を読まない世帯は、年収1,500円以上の世帯の割合が9.5%と低いです。
「本を読めば確実に年収アップできる」というわけではありませんが、相関性があるのは確かでしょう。本を読めば知識が増え、仕事を効率よく片付けたり新しいアイデアを生み出したりしやすくなるのも確かです。
語彙力・伝える力が高まる
大学生のうちにたくさんの本を読む2つ目のメリットは、「語彙力・伝える力が高まる」ことです。
本を読めばその内容だけでなく、そこで使われている言葉も頭に入ってきます。語彙力や表現の幅が増え、人にものを伝える力が養われていくでしょう。特に、テキストでの表現力が高まります。
リモートワークや社外パートナーとの協働が当たり前になった現代において、テキストで伝える力は重要です。これからはうまく話せる人よりも、うまく書ける人が成功する時代になっていきます。
日々の読書でテキストでの表現力、コミュニケーション力を高めておきましょう。
教養の厚みが増す
大学生のうちにたくさんの本を読む3つ目のメリットは、「教養の厚みが増す」ことです。
教養が増すことで人生は豊かになります。いろいろな領域に興味が持てるようになり、今までは何も感じていなかったことに面白さを感じたり、今まで話が合わなかった人とも深い話ができるようになるでしょう。
自分が何に興味があるのか、何をしたいのか探すためにも、教養を深めることは大切です。
知識が増え、知見が深まる
大学生のうちにたくさんの本を読む4つ目のメリットは、「知識が増え、知見が深まる」ことです。
当たり前ですが、本を読めば知識が増えます。知識を取り入れ、それを結びつけたりベースにしたりして自分の頭で考えることで、さまざまな領域への知見が深まっていくでしょう。
今はインターネットで調べれば、たいていのことはすぐにわかる時代です。だからこそ、単に知識を集めるのではなく、それを使って知見を深めなければなりません。
ストレスに強くなる
大学生のうちにたくさんの本を読む5つ目のメリットは、「ストレスに強くなる」ことです。
イギリスのサセックス大学やアメリカのミネソタ大学の研究から、本を読むとストレスが低下することがわかっています。
特に純文学作品は、人の感情に対して敏感になる効果があるといわれています。コミュニケーションが苦手な人や人間関係にストレスを抱えている人には純文学がおすすめです。純文学はハードルが高いと感じるなら、読みやすそうな小説からはじめてみるといいでしょう。
ちなみに、この読書を自然の中で行うことで効果はさらに高くなります。週に1時間、森の中で1時間本を読むだけで、集中力が2倍になるという説もあるようです。
人生を豊かにする本の読み方
本は人生を豊かにしてくれますが、それにはいくつかのコツがあります。紹介する2つのコツを意識して読書をすれば、人生がより豊かになるでしょう。
速読の必要はない
「本はたくさん読んだ方がいい」「だから、速読のスキルを身につけよう」と考える人も多いでしょう。たしかに、本をたくさん読むほど知識が増え、価値観も広がります。
しかし、速読する必要はありません。スピードを意識しすぎると内容が頭に入ってこなくなったり、読書がストレスになったりします。自分にとって自然な速さで、書かれていることに思いをめぐらせながら読むのがいちばんです。
ただし、読み慣れたジャンルだと「これ、前に読んだ本に書いてあったな」と感じることもあるでしょう。このような場合、知っている部分をサッと読み飛ばすのは構いません。
気になるところから読んでもよい
本は最初から順番に読み進めなくても構いません。気になるところから読み進めたり、順番を無視してバラバラに読んだりするのもいいでしょう。
まずは目次を見て、気になる部分だけ拾い読みするような読み方もおすすめです。読み慣れたジャンルの本を読むときは、特にこの読み方を意識してみましょう。
大学生のうちに読むべき本とは?人生を豊かにする4つのジャンル
大学生のうちに読むべき本は、大きく4つのジャンルに分けられます。好きなジャンルばかり読むのもいいですが、なるべく多くのジャンルをバランスよく読むようにすると、人生はより豊かになるでしょう。
生活にすぐに役立つ「ライフハック」
ライフハック系は生活にすぐに役立つ、実践的なジャンルです。脳科学や心理学に基づいた集中力・生産性を高める方法、時間をうまく使う方法などが書かれた本も多く、学生時代はもちろん社会に出てからも役立ちます。
就活や起業を考えるなら「ビジネス書」
就活や起業を考える大学生にはビジネス書がおすすめです。ビジネスの基本やマネジメントなど、どんな仕事にも役立つ本もあれば、営業やマーケティングなど各職業に特化した本も多いです。
考えを深め、価値観を広げるなら「教養・哲学書」
考えを深め、価値観を広げるためには、教養や哲学の本にじっくり取り組んでみましょう。
これらの本には難解なものも多いですが、その分得られるものも大きいです。実生活には役立たないように見えるかもしれませんが、読んだ内容は頭の中で少しずつ熟成され、自分の価値観を変えていってくれるでしょう。
意外と万能な「小説」
小説は面白いだけではありません。優れた文学作品は人間の機微や生きる意義を教えてくれます。先述の通り、ストレス解消の効果も高いです。
何より、小説は気軽に読めます。読書習慣を身につけるためにも、まずは気になる小説を手当たり次第読んでみたり、お気に入りの作家を探したりするところから始めてみましょう。
大学生のうちに読んでおきたい、6冊のライフハック本
大学生のうちに読んでおきたいライフハック本を6冊紹介します。どれも大学在学中はもちろん、卒業して仕事に就いたり、家庭を持ったりしてからも役立つ内容の本です。
人を動かす
『人を動かす』は自己啓発の源流として知られる世界的なベストセラー本です。人を動かす3原則「相手の理を認める」「重要感をもたせる」「人の立場に身を置く」を軸に、具体的な27の原則を教えてくれます。
人を動かすといっても相手を思いのままに操ったり、そのために騙したりする必要はありません。誠実な態度を見せることで相手から好かれ、信頼を基盤に説得したり相手を変えていったりといった方法が本書では説かれています。
公私の生活を充実させるには何を考えどう動いていけばいいかがわかる、人生のバイブルです。
>>人を動かす
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』も古くから読み継がれるベストセラーで、世界3,000万部を超える発行部数を誇ります。
どう生きれば人生が豊かになるのか、そのためには限られた時間をどう使えばいいのか、具体的な方法を7つの習慣として伝えてくれます。この本で提案される方法はどれも実生活に取り入れやすく、習慣化することで高い効果が得られるものです。
大学生のうちに7つの習慣を身につけ、残りの学生生活と社会に出てからの時間を有効に使う準備をしておきましょう。
ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
『ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45』は勉強や仕事の生産性を高める、すぐに使える45の方法を提案する本です。
疲れた心身と集中力を回復させる小技はもちろん、睡眠や食事の取り方、自分を変える考え方といった根本的なテクニックまで教えてくれます。
目の前のタスクに集中したい人はもちろん、勉強や仕事にやりがいを見つけたい人、どうしても達成したい長期目標がある人におすすめの1冊です。
もちろん、45の方法すべてを実践する必要はありません。本を読んで気になったものから試していき、自分に合った神ライフハックを探してみましょう。
>>ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』はタイトルの通り、人から嫌われる勇気を持つための本です。人の目ばかりが気になる、嫌われるのが怖くて自由な発言や行動ができないと悩む人におすすめです。
本書は古代ギシリアの哲学者ソクラテスを思わせる「哲人」と、哲人を論破しようとする「青年」の対話形式で進んでいきます。哲学書のような難解さはなく、2人の対話を通して内容がすんなり入ってくるでしょう。
精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法
『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』は精神科医による、脳科学をベースにした幸せになる方法を教えてくれる本です。
本書では幸せの土台として3つの脳内ホルモン「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」を紹介しています。セロトニンは健康を、オキシトシンは人間関係を、ドーパミンは仕事や成功を促進させる脳内ホルモンです。
これら3つの脳内ホルモン=幸せの3要素を正しい順番と方法で満たしていくことこそが、幸せになるための科学的に正しい方法だといいます。
社会に出て働きはじめると、ついつい仕事や成長・成功に夢中になり、心身を壊す人も多いです。そうならないよう、大学生のうちによく読み、頭の中に内容を刷り込んでおきたい1冊です。
>>精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法
一生使える! プロカウンセラーの 傾聴の基本
『一生使える! プロカウンセラーの 傾聴の基本』は、良好な人間関係を築くための聴き方「傾聴」を教えてくれる本です。
傾聴は相手の立場になったり気持ちを想像したりしながら、真摯に話を聞くことです。本書ではそのためのマインドセットを身につけたうえで、ボディランゲージや受け答えのコツなど、すぐに使えるテクニックを教えてくれます。
学生生活や家族との会話にはもちろん、社会に出てからも役立つテクニックを気軽に学べる1冊です。
大学生のうちに読んでおきたい、6冊のビジネス書
大学生のうちに読んでおきたいビジネス書を6冊紹介します。特定の業種についての本ではなく、どんなビジネスにも共通する基本的な考え方を教えてくれる本を厳選しました。
ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣
『ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣』はお金の正しい稼ぎ方、向き合い方をわかりやすく教えてくれる本です。「お金の話なのに泣けた」「読んだ日から人生が変わった」など、多くの人に感動と教養を与えてきた本として知られています。
本書はお金の専門家として有名な本田健さんが、大学生時代にアメリカに渡った際の実体験を基に書かれています。本田さんはアメリカ滞在の終わりが近づくにつれ、まだ何も掴めていない感覚に焦りを感じていました。そんなとき、彼はゲラー氏というユダヤ人大富豪と出会い、実地と対話を通して「幸せな金持ち」になるための在り方を身につけていきます。
そんな本田さんの実体験を、ストーリー仕立てで教えてくれるのが本書です。時間を忘れて読み進めてしまう面白さも本書の魅力です。
エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』は、「99%の無駄を捨てて1%に集中しよう」がテーマの本です。少ない労力でより良い成果を出すための方法と思考法を教えてくれます。
現代は物も情報も溢れた飽和社会です。そんな中で自分が本当に興味のあること、成し遂げたいことを見つけるのはなかなか難しいです。
そのための思考法であるエッセンシャル思考の概要を伝えたうえで、自分にとって大切なものを選び見極め、それ以外のものを捨てる技術を教えてくれます。
アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る
『アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る』は、「すべてオンラインになった世界のビジネスの在り方」を考える本です。IoTやカメラ設置などにより人々のあらゆる行動がオンラインデータ化し、オフラインが存在しなくなった世界について語ります。
中国を中心に先端の事例を紹介し、OMO(オフラインとオンラインの融合)に何が必要なのか、これが普及するとどうなるのかをわかりやすく教えてくれます。
日本で騒がれているDX(デジタルトランスフォーメーション)について理解するためにもおすすめの1冊です。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』は、「人はなぜそれを買うのか?」「なぜあの商品は売れなかったのか?」を考える、マーケティングに関する本です。
人が商品を買うことを「雇用」に例え、その理由を「片付いていないジョブ(用事・仕事)を片付けるため」という理論から、マーケティングについて解説します。
著者は『イノベーションのジレンマ』を著したハーバード・ビジネス・スクール教授です。マーケティングに携わるつもりがなくとも、教養として読んでおきたい1冊です。
>>ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』はメモ書きというシンプルな方法で、思考と感情を言語化するトレーニングをする本です。これによりどんな人でも頭もよくなり、心が鍛えられるでしょう。
この本に書かれた方法を実践した人の多くが「日々の始皇陵や行動量が増えた」「打てば響くような会話ができるようになった」「気持ちを素直に伝えられるようになった」と感じています。
トレーニングを積むことで思考の質とスピードを高め、現状把握や課題の整理、解決策を瞬時に考えられるようになるでしょう。
新規事業の実践論
『新規事業の実践論』はリクルートグループで1,500件以上の新規事業プロジェクトの相談を受け、自身も新規事業の立ち上げたり、それを支援する会社を起こしたりした著者による事業論です。
日本人が社内起業に向いている理由や、社内起業家になるための意志のつくり方などを、実例を交えてわかりやすく教えてくれます。
新規事業はもちろん、起業や既存事業の改善など、すべての事業に通じる「顧客や市場との向き合い方」も伝えてくれます。いつか自分の事業を起こしたい大学生から、どんな仕事に就くか迷いを抱える就活生まで、幅広くおすすめできる1冊です。
>>新規事業の実践論
大学生のうちに読んでおきたい、3冊の教養本
大学生のうちに読んでおきたい教養本を3冊紹介します。テクノロジー系の本を多めに紹介するので、これから世界がどう変わっていくのか、すさまじい速さで変わっていく社会でどう生きていけばいいのか迷っている方はぜひお読みください。
世界でいちばんやさしい 教養の教科書
『世界でいちばんやさしい 教養の教科書』は歴史・哲学・言語・心理・文化・経済・社会・日本・芸術の9つのテーマを扱う教養の入門書です。ほかの教養本と比べてイラストや図解が多く、わかりやすいでしょう。
本書を読むことで、さまざまな領域の先人たちの「知」を手に入れられます。「知」同士を結びつけたりそれを基に考えたりすることで、新しい知が生まれます。
先人の知を基にして世界への理解を深めることで、興味のあるジャンルを見つけたり、ほかの本も読みたくなったりするでしょう。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』は、エリック・シュミット(Googleの元CEO)やクリントン元大統領などが「シリコンバレーのボス」として支持するピーター・ディアマンディスが、テクノロジーにより世界がどう変わるかを予測する本です。
2030年までに何が起きるのか、買い物・広告・エンターテイメント・教育・不動産などのさまざまな領域にわたり解説してくれます。
もちろん、本書に書かれていることがすべて現実になるわけではないでしょう。しかし、世界で何が起こっているのか、どんなテクノロジーがあるのかを広く学べる、教養を深めるには最適な1冊です。
第五の権力---Googleには見えている未来
『第五の権力---Googleには見えている未来』はGoogle ChromやYouTubeなど、世界中の人々が使うサービスを提供するGoogleの会長による本です。デジタル技術により世界中がつながることで何が起こるのか、暮らしやこっか、革命、戦争などについて幅広く論じています。
ネットワーク社会の正負の両面を捉えているのも特徴で、未来のインターネットリテラシーについて考えるのにも適した1冊です。
大学生のうちに読んでおきたい、4冊の哲学書
大学生のうちに読んでおきたい哲学書を4冊紹介します。最近書かれた本と、古代から読み継がれ現代でも役立つ内容の本を2冊ずつ紹介するので、「哲学書なんて読んだことがない」「哲学って何の役にも立たないんでしょ?」という方も読みやすいでしょう。
勉強の哲学 来たるべきバカのために
『勉強の哲学 来たるべきバカのために』は、「勉強とはかつての自分を失うことである」「勉強するほどノリが悪く周囲から浮いた人間になる」というショッキングな書き出しで始まる本です。
このショッキングな過程を通してこそ、人は今までの自分や圧力から解放され、新しい自分へと変身していけます。
特に日本においては同調圧力やノリなどが未だに重視され、息苦しさを感じている人も多いでしょう。社会に出れば、この苦しさは強まるかもしれません。そうなる前に、大学生のうちに「勉強による自己破壊」を始めておきましょう。
「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版』は「人は必ず死ぬ」という当たり前の前提を受け入れ、そのうえでどう生きるべきかを考える本です。
人は必ず死にますが、それを意識して暮らしたり、人生設計したりできている人は多くありません。宗教を一切排し、哲学的に死について語ることに終始した本書を読むことで、まずは「自分はいつか死ぬんだ」「それまでにどう生きればいいのか」という考えを心に根付かせられるでしょう。
なお、本書では「魂などはなく、死は一環の終わりである」という前提に立って死を考えています。しかし、これとは異なる死生観をもつ人でも、本書は「生きている間に何をするか、どう在るか」を考えるうえで役立ちます。
>>「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
ただ、この完全翻訳版では「死が一貫の終わりであること」を全体の半分ほどを使って論じています。「自らの死生観が変わってしまうのではないか」と不安な方には、この部分を省いた縮約版がおすすめです。
>>「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 日本縮約版
生の短さについて 他2篇
『生の短さについて 他2篇』は「生は浪費すれば短いが、活用すれば十分に長い」と説く哲学書です。紀元前に生まれた哲学者・セネカの著書のため多少読みづらい部分はありますが、本書で語られる本質は、現代社会にも通じる部分がほとんどです。
やることが多すぎて時間が足りない、学校やアルバイト先での人間関係にわずらわしさを感じている大学生には、心に響く内容でしょう。
生の短さについてのほかにも、欲望に惑わされずに心静かに生きる術を論じた「心の平静について」と、徳を深めながら快楽をも得る生き方を教える「幸福な生について」も収録されています。
どれも物と情報が溢れ、時間に追い立てられるような現代社会でこそ、真価を発揮する内容です。
パイドロス
『パイドロス』は最も有名な哲学者といっても過言ではないソクラテスの語りをまとめた本です。ちなみに、ソクラテス自身は著書を遺しておらず、彼の哲学は弟子のプラトンの著書から学べます。
パイドロスは恋愛や弁論の本質について語る哲学書です。本編はソクラテスとパイドロスという青年の対話により進み、より良い関係を築くにはどうすればいいのか、より良く生きるためにはどうあればいいのかをわかりやすく教えてくれます。
>>パイドロス
大学生のうちに読んでおきたい、5人の小説家
大学生のうちに読んでおきたい小説家を5人紹介します。小説をあまり読んだことがなくても読みやすい作家を、ジャンル別に厳選しました。就寝前や移動時間に少しずつ読み進めながら、お気に入りの作家を探してみましょう。
小説に慣れていなくても読みやすい「乙一」
乙一さんはミステリー・ホラー・ファンタジーなどさまざまなジャンルの作品を著しています。16歳でデビューし、人々に強烈な読書体験を与え続けてきた彼は、多くのファンや評論家から「天才」と呼ばれています。
乙一さんの作品は小説に慣れていなくても読みやすく、ジャンルだけでなく作風もさまざまであるのが特徴です。心温まる作品も、人によってはトラウマ級の衝撃になるブラックな作品も書いており、ファンからはその作風を白乙一・黒乙一と区別されています。
実は小説も書いている「深海誠」
映画監督として有名な深海誠さんは、実は小説も書いています。彼の小説は自らの映画作品をノベライズしたもの。脇役のストーリーを広げることに長けており、映画では描かれなかったキャラクターの考え方や生活が垣間見える作品が多いです。
たとえば言の葉の庭で悪役として描かれた、雪野先生をいじめていた女学生にも、共感できる部分があります。これらのノベライズ版を読むことで、深海誠作品をより深く楽しめるようになるでしょう。大学での話のタネとしてもおすすめです。
さまざまなタイプの小説を書く「伊坂幸太郎」
伊坂幸太郎さんはエンターテイメント小説の代表格ともいうべき作家です。彼の作風は伊阪幸太郎らしい王道「伊坂ワールド系」、物語の中に社会風刺や伝えたい何かを込めた「社会派系」、キャラクターの成長を楽しめる「青春系」、ファンを戸惑わせた不思議な世界観の「ファンタジー系」の4つに分けられます。
とにかく面白い小説が読みたい人や伊坂幸太郎を読んだことのない人には「伊坂ワールド系」や「青春系」がおすすめです。
恋のはじまりを瑞々しく描く「中村航」
中村航さんは恋愛小説を得意とする作家で、恋のはじまりを瑞々しく描きます。『100回泣くこと』『トリガール!』など映画化作品も多く、名前を見かけたことのある人も多いでしょう。
スッキリとした読後感の作品や、甘さ控えめで描かれた作品が多いことから、恋愛小説をあまり読まない人にもおすすめです。
音楽プロデューサーやVTuver事務所の代表を務めるなど、作家活動にとどまらない多彩な人物です。
>>中村 航の作品
ままならない人生を生き抜く「山本文緒」
山本文緒さんも主に恋愛小説を書く作家ですが、彼女の作品にはドロドロとしたものが多く、中村航さんとは違った面白さがあります。
「ドロドロしている」「道ならぬ恋を描いた作品ばかり」と評されることも多く、事実でもありますが、彼女の作品の本質は「人生のままならさ」を描いていることでしょう。
彼女の描く主人公は、誰もが「制御できない、どうしようもない自分」を抱えています。自分の中のどうしようもない部分に振り回され、疲弊しきった後で、主人公たちはほんの一筋の希望のようなものを見つけます。
荒野にひとつだけ新芽が息吹いたような読後感こそ、山本文緒さん最大の魅力です。
面白い本は人それぞれ!ジャンルを絞らず、多読・乱読してみよう
- 本を読むことで人生が豊かになる
- さまざまなジャンルの本をたくさん読んでみよう
- まずは自分にとって面白いジャンルを見つけてみよう
本をたくさん読むほど価値観が広がり、人生が豊かになっていきます。ライフハック系やビジネス書には実生活ですぐに使えるテクニックが詰まっているものも多く、読んだその日から人生を変えてくれるかもしれません。
本記事で紹介した4つのジャンルを軸に、食わず嫌いせずいろいろな本を読んでみましょう。ジャンルを絞らず多読・乱読することで、興味の幅が広がります。何となく手に取った1冊の本が、人生の方向性をガラリと変えてしまうかもしれません。
本を読みなれていないなら、まずは自分にとって面白いジャンルを見つけてみましょう。お気に入りのジャンルの本をたくさん読むうちに、他のジャンルにも興味が出てくるはずです。
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