動画編集と一口に言っても、撮影から編集までたくさんの工程があり、編集ソフトもさまざまです。また、同じ編集ソフトでも、基本操作からワンランク上のテクニック、エフェクトの使い方など、たくさんのことを覚えなければなりません。
幅広い知識が必要になる動画編集は、本を使って体系的に学ぶのが効率的です。本記事では動画編集を独学する方法と、知識・目的別のおすすめ本17冊を紹介します。
- 動画編集を学ぶ3つの方法と、効率的な独学術
- 動画編集の本の選び方
- 知識レベル・ソフト別の動画編集の本17選
初心者が動画編集を学ぶ3つの方法
動画編集を独学する方法は、「本」「Webサイト」「動画」の3つに大別できます。初心者はこれら3つの方法を組み合わせ、そのときの自分に必要な知識を取り入れていきましょう。
それぞれの方法にはどんな特徴があるのか、どう組み合わせればいいのか、独学の方法を解説します。
本
初心者が体系的に学ぶなら、書籍がおすすめです。著者と出版社、多くの人が関わり合いながら、内容を精査しているため、情報の信憑性は信頼できるものが多いです。
1冊ずつテーマが決まっていること、「初心者向け」「YouTubeをやりたい人向け」「動画編集ソフトの種類」などでターゲットが明確なことから、必要な知識を体系的に身につけられます。
ただし、すべての本が高品質というわけではありません。特に電子書籍や自費出版のものは、誰でも出せるため、誤った内容が含まれる書籍もあります。紙の本でも、わかりづらいものや内容が浅いものもあります。
本を買う前に目次やレビューをチェックし、自分の知りたいことが書かれているか、内容の質が高いかを確認しましょう。
Webサイト
動画編集に限らず、最低限の知識をつけたりわからないことを調べたりするときにはWebサイトが便利です。スマホやPCがあればすぐに調べられること、お金がかからないことから、「動画編集に興味はあるけど、続けられるか不安」という段階にもおすすめです。
また、情報の更新が容易のため、書籍と比較して最新の情報が確認できるケースも多いでしょう。
ただ、Webサイトの情報は誰もが簡単にアップロードできるので、間違った情報も少なくありません。あくまでも補足程度にとらえ、事実確認は自分で行う必要があることに注意しましょう。
動画
動画編集はテキストだけよりも、動画も使って学ぶのがおすすめです。動画なら編集ソフトをどう操作すればいいのか、実際の画面を見ながら覚えられます。動画の編集や企画について教えてくれる動画も多く、トークメインのものなら、通勤や家事をしながら耳学できます。
YouTubeのチャンネルや再生リストに、ステップアップ形式で動画がまとめられていることも多いです。お気に入りのチャンネルを見つけられれば、スクールに通うような感覚で動画編集を学べるでしょう。
もちろん、動画もWebサイトと同じく誰でもアップロードできます。その動画の内容が正しいのか、自分に合っているのか、作成者について調べたりコメントもチェックしたりして判断しましょう。
動画編集の本を選ぶ3つのコツ
動画編集の本は、自分のレベルや目的に合ったものを選びましょう。合わない本は読み進めるのも大変で、お金が無駄になるばかりか、動画編集へのモチベーションを下げかねません。
動画編集の本を選ぶときの、3つの基準を紹介します。
自分のレベルに合った本を選ぶ
自分のレベルに合った本を選びましょう。動画編集には専門用語やソフトも多く、レベルに合わない本を読んでもなかなか理解できません。
まずは本記事の「初心者におすすめの動画編集の本5選」で紹介しているような、動画編集の基本的な考え方を教えてくれる本から始めてみましょう。
動画編集の目的やソフトに合った本を選ぶ
何のために動画編集をするのか、どんなソフトを使うのか、目的に合った本を選びましょう。先に使うソフトを決めてから、そのソフトについて学べる本を選ぶのです。
本記事ではPremiere Pro・Final Cut Pro X・AfterEffectsの本を、入門書や応用テクニックを教えてくれるもの、常に手元に置いておきたい辞書的な本に分けて紹介しています。ソフトの本を選ぶときも、自分のレベルや覚えたいことに合ったものを選びましょう。
時代に合った本を選ぶ
インターネットの普及により、さまざまな動画プラットフォームが生まれました。出版が古すぎる本は、内容が時代に合わないかもしれません。
ただ、時代を超えて読み継がれる古典のような本もあります。このような本は動画制作の基礎について、わかりやすく、本質的な部分を教えてくれるでしょう。本記事でもこのような古典を何冊か紹介しており、どれも一読の価値があるものです。
初心者におすすめの動画編集の本5選
まずは初心者におすすめの動画編集の本を5冊紹介します。動画編集の基礎やスマホでの編集について教えてくれる本はもちろん、映像制作のイロハを学べる本まで、役立つ本を厳選しました。
基本的な編集テクニックと併せて、映像制作の考え方も身につけておきましょう。
図解だからわかりやすい映像編集の教科書
『図解だからわかりやすい映像編集の教科書』は、動画編集の基礎が詰まった本です。そもそも動画編集とは何なのかを押さえ、画面サイズやカメラワークなどの基本中の基本を、イラスト・画像付きで教えてくれます。
2章からは編集テクニックや映像での表現など、編集部分を学べます。映像編集者に取材した「編集の要点」を、イメージ付きで解説している章もあり、具体的な作業イメージがわくでしょう。
動画の撮影から編集まで、初心者が抑えるべきことを網羅した1冊です。
映像制作モダンベーシック教本
『映像制作モダンベーシック教本』は、映像の仕事が出来るようになるために必要なことを、45のレッスンに分けて教えてくれる本です。映像制作の基本的な考え方から始まり、ライティングや素材別の撮影方法、カラーグレーディングをはじめとする編集の基礎を学べます。
記載されていたQRコードから動画を視聴できるのもポイントです。テキストと動画で理解を深めていけます。
新版 映像制作ハンドブック
『新版 映像制作ハンドブック』は映像制作の流れを俯瞰したうえで、撮影や編集について詳しく学べる本です。照明・素材制作・録音といったテーマごとに、図解や画像つきでわかりやすく教えてくれます。
企画や制作を行うプリプロダクションと、加工や仕上げ、納品などのポリプロダクションの両方についてしっかり学べるため、「これから映像の仕事を始めたい」という人にピッタリです。動画編集の知識が身につくだけでなく、キャリアプランや他工程の流れもイメージできるようになるでしょう。
スキルなし・知識ゼロからでOK!動画編集で月20万円稼ぐ、完全ロードマップ: ゆるくストレスフリーに、自分らしく生きたいあなたへ
『スキルなし・知識ゼロからでOK!動画編集で月20万円稼ぐ、完全ロードマップ: ゆるくストレスフリーに、自分らしく生きたいあなたへ』は、動画編集で月20万円を稼ぐための最短ルートを教えてくれる本です。動画編集という仕事の概要やメリット・デメリットを一通り押さえたうえで、具体的なスキルを学べます。
動画編集のスキルはもちろん、ポートフォリオ(自分のスキルを示すための作品集)の作り方や営業のコツなどを解説しているため、「知識ゼロから、少しでも早く動画の仕事を始めたい」という人におすすめです。
誰でもおしゃれにプロっぽく スマホ1台で動画制作はじめます!(練習用の動画ファイル・お手本動画付き)
『誰でもおしゃれにプロっぽく スマホ1台で動画制作はじめます!(練習用の動画ファイル・お手本動画付き)』はタイトルの通り、スマホ1台で動画制作を始めるための本です。「動画の仕事には興味があるけど、PCを持っていない」「動画編集に興味はあるけど、続けられるかわからないし、とりあえず今あるもので試してみたい」という人におすすめです。
本書は動画編集の流れを押さえたうえで、実際に動画を撮影し、編集してみるというステップアップ形式で進んでいきます。画像多め、ポイントを押さえたテキストで、レッスンを受けるような感覚で動画編集を覚えられるでしょう。
Premiere Proの使い方が学べる本3選
次は、Adobeの動画編集ソフト「Premiere Pro」の使い方が学べる本を、入門書と応用テクニックが学べるものに分けて紹介します。
Premiere Pro よくばり入門 CC対応
『Premiere Pro よくばり入門 CC対応』は、Premiere Proの使い方を一通り学べる本です。調べればわかることも書かれていますが、このような知識も含め、Premiere Proを使うための知識を徹底的に網羅しています。
ページの半分ほどのスペースを使って実際の画面を掲載していること、やりたいこと別にレッスンが分けられていることから、非常にわかりやすいです。Premiere Proをはじめて使う人はもちろん、操作に慣れてきた人も、困ったときの手引きとして手元に置いておきたい1冊です。
知識ゼロからはじめる Premiere Proの教科書 CC対応
『知識ゼロからはじめる Premiere Proの教科書 CC対応』は、動画編集についてある程度学んだ人が、Premiere Proを使いたいと思ったときにおすすめの本です。動画編集についての基礎知識は必要ですが、だからこそ、Premiere Proでの編集を集中的に学べます。
画像が多く、どのボタンを押せばいいのかまで教えてくれるため、Premiere Proを初めて触る人でもわかりやすいでしょう。
【DLデータつき】Premiere Pro 演出テクニック100 すぐに役立つ! 動画表現の幅が広がるアイデア集
『【DLデータつき】Premiere Pro 演出テクニック100 すぐに役立つ! 動画表現の幅が広がるアイデア集』は、Premiere Proの基本操作を覚えた人におすすめの本です。
タイトルの通り、表現の幅を広げるためのテクニックが100個、「人やモノの登場シーン」「エンディング」「字幕の付け方」などのシーン別に紹介されています。画像つきなので、実際に手を動かしながら学べます。
編集作業を効率化する時短テクニックも紹介している、実用的な1冊です。
Final Cut Pro Xの使い方が学べる本3選
Apple社が開発した、Mac専用の動画編集ソフト「Final Cut Pro X」について学べる本を3冊紹介します。入門書・中級者向け・いつまでも使える操作ガイドブックに分けて紹介しているので、自分のレベルに合ったものを選びましょう。
プロが教える!Final Cut Pro X デジタル映像 編集講座
『プロが教える!Final Cut Pro X デジタル映像 編集講座』は、Final Cut Pro Xをはじめて触る人におすすめの本です。実際の画面を大きく載せ、どこをクリックすればいいのかまで丁寧に示しているため、実際に手を動かしながら操作を覚えられます。
基本操作を覚えた後は、「動画と音声の編集と書き出し」「さまざまな演出効果」「目的に応じた映像編集」と、少しずつステップアップしていけるのもポイントです。挫折せず、着実に編集を学んでいけるでしょう。
Final Cut Pro X テクニックブック プロが教えるワンランク上の映像・動画づくり
『Final Cut Pro X テクニックブック プロが教えるワンランク上の映像・動画づくり』はタイトルの通り、ワンランク上の動画編集を目指す人におすすめの本です。
ライブラリやストーリーラインを使いこなすためのテクニック、エフェクトやトランジションの使い方などの編集テクニックはもちろん、魅力的なタイトルの作り方・引き立たせ方まで学べます。
「基本の操作や編集はマスターした」「そろそろ初心者を卒業したい」という中級者、センスを高めたい人におすすめです。
Final Cut Pro Xガイドブック
『Final Cut Pro Xガイドブック』は、Final Cut Pro Xの使い方を一通り押さえた辞書のような本です。フルカラー328ページにわたり、目的別の操作方法を解説しています。やりたいことからページを逆引きできるので、操作に慣れるまでは、常に手元に置いておきたい1冊です。
一つひとつのテクニックについては簡潔に解説しているため、初心者の入門書というよりは、操作にまだ不安が残る人のお助け本として役立つでしょう。
AfterEffectsの使い方が学べる本3選
Adobeの動画編集ソフト「AfterEffects」の使い方を学べる本を3冊紹介します。入門書・モーショングラフィックスに特化したもの・標準エフェクトを網羅したものに分けて紹介するので、目的に合ったものを選びましょう。
一気にビギナー卒業! 動画でわかるAfter Effects教室
『一気にビギナー卒業! 動画でわかるAfter Effects教室』は、本と動画でAfterEffectsの操作を学べる本です。本を読む前にチュートリアル動画で全体の流れをつかみ、細かい部分は本で深堀りしていく、独学しやすい構成です。
基本の操作や映像編集の基礎知識を押さえたうえで、テキストアニメーションの作り方、Premiere Proとの連携など、少しずつステップアップしていけます。挫折しづらく、手を動かしながら覚えていけるので、入門の1冊に最適でしょう。
図解できちんと理解するAfter Effects モーショングラフィックスパーフェクトガイド
『図解できちんと理解するAfter Effects モーショングラフィックスパーフェクトガイド』は、とにかくわかりやすく、基本を徹底的に教えてくれる本です。
AfterEffectsのモーショングラフィックスに特化し、圧倒的な量の図解で、知識を一つひとつ着実に学んでいけます。他の入門書ではサラッと触れている程度の内容も徹底的に掘り下げているため、つまずくことなく読み進められるでしょう。たとえば、3Dカメラの使い方だけで50ページ以上を割いて解説しています。
After Effects標準エフェクト全解[CC対応 改訂第4版]
『After Effects標準エフェクト全解[CC対応 改訂第4版] 』は、AfterEffectsのエフェクトについてまとめた辞書のような本です。全289の標準エフェクトの使い方とサンプルを、画像をふんだんに使って紹介しています。
「AfterEffectsを使いこなせるようになり、頭の中にやりたいことのイメージもあるが、うまく表現できない…」。そんな中級者・上級者におすすめの1冊で、常に手元に置いておき、迷うたびに開くといいでしょう。
YouTubeの動画編集が学べる本3選
世界トップクラスの動画プラットフォーム「YouTube」について学べる本を3冊紹介します。動画編集はもちろん、企画や構成、演者の話し方など、動画とチャンネルを伸ばすために役立つ本を厳選しました。
YouTuberになりたい人はもちろん、自社のYouTubeチャンネルの担当者、他プラットフォームとの併用を考えている人にもおすすめできる3冊です。
改訂 YouTube 成功の実践法則60
『改訂 YouTube 成功の実践法則60』は、動画制作とYouTubeの戦略をまるっと教えてくれる、入門書に最適の本です。動画制作のテクニックだけでなく、初心者が最初にするべき「マインド構築」まで、YouTubeを始めるうえで大切なことをしっかり学べます。
もちろん、機材の選び方や動画のアップロード方法、チャンネルの設定方法といった基本も網羅しています。本書を片手に実際に手を動かしてみることで、効率よくYouTubeチャンネルを育てていけるでしょう。
広報PR・マーケッターのための YouTube動画SEO最強の教科書
『広報PR・マーケッターのための YouTube動画SEO最強の教科書』は、YouTubeチャンネルを本気で伸ばしたい人におすすめの本です。YouTubeの仕組みをしっかり理解したうえで、YouTubeのSEO(動画を検索結果やトップページ、関連動画などに表示させる技術)を学べます。
チャンネルをブランディングする方法から、アナリティクスの基本とデータの活かし方、ファンとのコミュニケーションまで。チャンネルを育て、それをマーケティングに活かす方法を具体的に教えてくれる1冊です。
アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52
『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』は、YouTubeをはじめとするSNSでバズる方法を教えてくれる本です。著者はABEMAの現役プロデューサーで、テロップや構成、音声、映像などの52のテクニックを解説しています。
動画編集だけなく、キャッチコピーや構成といった企画部分、演者の話し方まで教えてくれる、実用的な1冊です。
動画編集の本で覚えたことは、自分の手を動かして試してみよう
- 動画編集の基本は本で学び、動画やWebサイトも補足活用する
- 自分のレベルや目的に合った本で、1歩ずつステップアップしていこう
- 本を読みながら手を動かし、学んだことを血肉にしよう
動画編集に限らず、独学の基本は本です。テーマやターゲットに沿って、質の高い情報が体系的にまとめられた本を使うことで、知識を効率よく吸収できます。本を読んでもわからないことや最新情報はWebサイトや動画で調べると、なお良いでしょう。
動画編集ソフトの使い方は、本を読んだだけではなかなか覚えられません。ソフトを実際に操作してみることで、理解と記憶の定着が進みます。本を片手に手を動かして覚えていくのが近道ということを、常に念頭において置きましょう。
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