執筆をすることが仕事のライターや、ブロガー。ただ書くだけでは成長には限界があります。意識的にスキルを伸ばすためには、テクニックを学ぶことが有効です。
本記事では、ライター・ブロガー必読のライティング本15選と、文章力アップにも利く小説家・エッセイストを紹介します。本の選び方や読み方、学んだことの活かし方も解説するので、記事を読んだら早速試してみましょう。
- 3種類のライティングについて、概要と必要性を解説
- 未経験OKの、ライター・ブロガーとして成長する本の読み方
- 目的・レベル別のライティング本15冊と、ライターが読むべき3人の作家3
ライター・ブロガーになりたい人が学ぶべき、3種類のライティングとは?
ライターもブロガーも、多くの場合執筆をした文章で「読者の注目を集めること」と「対象の商品の魅力を伝えること」が仕事です。そのために学ぶべきライティングは、「Webライティング」「SEOライティング」「コピーライティング」の3つに大別できます。
Webライティング
Webライティングはその名の通り、Webに載せる文章を書くことです。PCや特にスマートフォンで読まれることを想定し、これらのデバイスでも読みやすい文章を書く技術が求められます。
Webの文章は、とにかく離脱(途中で読むのをやめ、Webページから離れてしまうこと)されやすいです。本や雑誌では「お金を払ったから読まないと」という意識が働きやすいですが、Webにはそれがありません。
また、URLを貼ればすぐに他人と共有できるため、拡散されやすい性質もあります。裏を返せば炎上しやすいともいえるため、誰が読んでも誤解されない、誰も傷つけないように注意して書く必要があるといえるでしょう。
SEOライティング
SEOライティングは、Webライティングの一部ともいえる技術です。SEOは「Search Engine Optimization」の略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」となります。
主にGoogleの検索エンジン(Google Chrome)での検索結果に、WebページやWebサイトを上位表示するためのテクニックを含めた書き方を行います。
コピーライティング
コピーライティングは、商品やサービスなどを売るための文章を書くことです。短いキャッチコピーや、購入や問い合わせといった行動喚起のためのセールスコピーを書きます。
ほかの種類のライティングと比べて難しいものの、その分コピーライティングをマスターすれば、いたるところから仕事が舞い込み引く手数多になるでしょう。
未経験からライター・ブロガーになるための、ライティング本の選び方
日本語さえ書ければ、文章は作れるため、未経験からライター・ブロガーになるのは難しくないと言われています。
ただ、成果を出すとなると話は別です。ブロガーであれば閲覧数が増えず、当然報酬も増えません。ライターなら1文字0.1円のような低単価の案件しかもらえない、テストライティングで不採用になるといったことになるでしょう。
ライターやブロガーには誰でもなれますが、プロとしてきちんと稼げるのは一握りの人だけです。
では、どうすれば一握りの中に入れるのでしょうか。これはとにかく学び、とにかく書くしかありません。本を読み、学んだことを記事の中で実践してみて、少しずつ成長していくしかないでしょう。
この「学び」に役立つのが本です。本を使ってライティングを学ぶにはどうすればいいのか、どんな本を読めばいいのかを解説します。
まずは初心者向けの本で基礎を理解
ライティングの仕事をしたことがない人や、昔から書くことが苦手だったという人は、初心者向けの本で基礎を理解するところから始めましょう。このような本からは、ライティングの基本や具体的な書き方が学べます。
しかし、昔からかくことが苦手だった人にとっては、基本やテクニックを学べる以上の価値があります。このような本の中には、「書くのがしんどいという気持ちを解消する方法」「書く習慣を身につける方法」が記されたものもあるからです。
この後紹介する初心者向けの本、『書くのがしんどい』と『書く習慣』は、まさにそのような本です。「ライターになりたいけど書き続けられない」「書こうとすると頭が真っ白になる」という人は、まずはこの2冊を読んでみましょう。
目的に合ったライティング本でスキルアップ
書くことに慣れてきたり、ライター・ブロガーとしての方向性が定まってきたら、目的に合ったライティング本を読んでスキルアップしましょう。
普通のWebライターから1歩進みたいなら、Webライティングについて詳しく教えてくれる本や、コピーライティングの本がおすすめです。
Webライティングについてきちんと理解していれば、編集やライター育成といった仕事も任せてもらえるでしょう。コピーライティングができるライターは少なく、どんなクライアントからも重宝されるはずです。
コピーライティングはどんな仕事でも役に立つ
先述したように、コピーライティングができるライターは貴重です。コピーライティングはどんな仕事でも役立つので、少しずつでも身につけていきましょう。
コピーライティングの本質は、読んだ人の心を動かし、行動させることです。商品やサービスを売ることはもちろん、問い合わせを増やしたり、記事やSNSへの投稿を拡散してもらったりと、いろいろなことができるでしょう。
ライターが書く記事には、すべて目的があります。商品やサービスの購入につながらない記事にも、「ブランディング」「見込み客育成」「別の記事への誘導」などの目的があるはずです。これらの目的を達するために、コピーライティングほど役立つものはありません。
読みやすい文章・読ませる文章は小説で上達する
勉強熱心なライターは、ライティングやマーケティングの本を一所懸命に読み漁るでしょう。しかし、仕事に役立つ本ばかりに目が向き、小説やエッセイはあまり読まないかもしれません。
にわかには信じられないかもしれませんが、小説やエッセイのようなエンターテイメントの文章も、ライティング力を上達させてくれます。これらは文章で読者を楽しませることを目的に、磨き抜かれた文章だからです。
読者を引きずり込むように書かれた文章からは、ただ読みやすいだけでなく、読ませる文章の書き方を学べます。
さらに、小説やエッセイは読んでいて面白いだけではなく、1日30分小説を読む人は、人間関係のストレスに強いという研究データもあります。
楽しみながら勉強でき、ストレスにも強くなる小説を読まない手はありません。
初心者でも読みやすく、書くことが楽しくなるライティング5本選
次からは、具体的におすすめの本を紹介していきます。
まずは、初心者でも読みやすく、書くことが楽しくなる本を5冊紹介します。特に、「PCの前に座ると頭が真っ白になる」「書くことを続けられない」という人にとって、『書くのがしんどい』と『書く習慣』は必読です。
書くのがしんどい
『書くのがしんどい』はタイトルの通り、書くのがしんどいと感じている人に向けた文章術の本です。「書くことがない」「書いたものの、自分で読んでも面白くない」「書くことを続けられない」といった、書き始めて間もない人がぶつかる壁を、1枚ずつ壊してくれます。
わかりやすい文章の書き方やメモを取ることによるネタ作りといった基本的なことはもちろん、自分のこれまでの人生を文章に活かす方法など、もっともっと書きたくなるノウハウ・考え方が詰まった1冊です。
書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜
『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』は、ライティング以前の「書くことを続けられない」「書こうと思ってPCを立ち上げたものの、いつまで経っても1文字も書けない」といった悩みを解消してくれる本です。
著者のいしかわゆきさんは中学時代をアメリカで過ごした帰国子女で、アメリカでも日本でも、周りに馴染めない生きづらさを抱えていたといいます。そんな著者にとって、文章を書いて、それをインターネットを介して誰かに読んでもらうことは、唯一の心のよりどころだったといいます。
書くことを仕事にする以前から、生きるために書き続けてきた著者の言葉は、「書けない」「書くことを続けられない」と悩む人の心にこそ響くでしょう。
いますぐ書け、の文章法
『いますぐ書け、の文章法』は、「読んだ人を楽しませるためにのみ文章は存在する」と断言する著者による本です。画面や広告の向こう側にいる読者のために文章を書くライターにとって、まさにピッタリの1冊でしょう。
「うまい文章やちゃんとした文章を書こうとしない」「読んでいる人のことを考え続ける」「自分の主張よりも読者を楽しませることを」などの、プロのあり方を浮き彫りにし、そこに近づく方法を教えてくれます。
20歳の自分に受けさせたい文章講義
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は読みやすい文章の書き方を、4つの章に分けて端的に教えてくれる本です。この本に書かれているのは「読みやすい文章のリズム」「文章の構成方法」「読者をひきつける条件」「編集とは何か」の4要素だけです。
ライター歴15年の著者が、本当に大切な4つのことを、読みやすい文章で徹底的に教えてくれます。覚えることが4つだけであること、一つひとつの要素について深く解説してくれることから、初心者にとっても取っ付きやすく、学んだことを実践しやすいでしょう。
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』は、初心者ライターにありがちな「考えながら書く」ことにメスを入れる1冊です。本書では、文章を書けない原因は「書く前」にあるとし、書く前にどんな準備をすればいいのかを具体的に教えてくれます。
一度で完ぺきな文章を書くのではなく、準備してからとりあえず書いてみて、読み返しては直していくという流れが本書の軸です。準備・執筆・推敲と段階を分けて文章を書いていけるため、「とにかく書けない」「なぜ書けないのかわからない」と悩む初心者でも実践しやすいでしょう。
ライター・ブロガーに必須のWebライティングが学べる本5選
Webライターやブロガーに必須のWebライティングが学べる本を5冊紹介します。Webライティングの仕事ですぐに使える文章術、仕事を受注するためのメッセージの書き方など、実務に役立つものを厳選しました。
沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉
『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉』は、Webライティングに欠かせないSEOを、ストーリー仕立てで学べる本です。登場人物が会話する形式で、イラストや画像多めで話が進んでいくため読みやすいでしょう。
流入の少ないWebサイトを見ながら、どこに問題があるのか、何をすればいいのかを一つひとつ示すという流れで物語は進んでいきます。実際にWebサイトを見て、コンサルタントに教えてもらいながら学習していくような感覚で読めるのが本書の魅力です。
スピードマスター 1時間でわかる Webライティング
『スピードマスター 1時間でわかる Webライティング』は、Webライティングの基本中の基本が学べる本です。基本的なことしか書かれていないため、中級者以上には物足りないかもしれませんが、右も左もわからない初心者には必読の1冊といえます。
「著作権のルールや表記ルールを守る」「空白行を入れる」「一文一義」など、Webでの正しい書き方、読みやすい書き方を徹底的に教えてくれます。
これらの細かなルールを「知っていて当たり前」と、教えてくれないクライアントも多いです。テストライティングで足切りされないよう、慣れるまでは手元において、確認しながら文章を書いてみるのもいいでしょう。
世界一やさしい Webライティングの教科書 1年生
『世界一やさしい Webライティングの教科書 1年生』はWebライティングの基本からキャッチコピー術、メールの作法まで、ライティングの仕事にまつわるさまざまな文章の書き方を解説する本です。
「文章はそこそこ書けているはずなのに、なぜか仕事がもらえない」という初心者ライターは多いでしょう。そんな人は、文章ではなく、応募やチャットの文章に問題があるのかもしれません。
記事からビジネスメッセージまで、例文つきで文章の書き方を学んだ後は、練習問題で理解度をチェックできます。
SEO対策のための Webライティング実践講座
『SEO対策のための Webライティング実践講座』は、「10年先を見据えたSEO対策」がテーマの本です。本書の出版は2015年ですが、2023年現在でも通用するようなSEOの本質を教えてくれます。
SEOが必要な理由やその弱点と解決策、キーワードの調査方法から目的別のライティングのポイントまで、ケースバイケースのWebライティングを学べる1冊です。感覚に頼らず、数値化して比較することの重要さ、方法も解説しています。
SEOに強い Webライティング 売れる書き方の成功法則64
『SEOに強い Webライティング 売れる書き方の成功法則64』はタイトルの通り、Webでの「売れる書き方」を、64の成功法則に分けて解説する本です。Webライティングの基本はもちろん、キーワード選定やWebサイトの構築など、上流工程についても触れています。
画像の活用方法やインタビューなど、Webライティングに付随するさまざまな業務についても学べます。ただ書き続けるのではなく、キャリアアップを目指して頑張りたいWebライターにおすすめです。
稼ぐ力をつけよう!コピーライティングが学べる本5選
ライティングの中でも難しいコピーライティングを、わかりやすく、実践しやすく教えてくれる本を5冊紹介します。すぐに使えるフレーズ集や、学んだことを実践できるワーク付きの本を厳選したので、読んだことを着実に血肉にしていけるでしょう。
セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方
『セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方』は、現役のセールスコピーライター・大橋一慶さんの渾身の1冊です。
大橋さんはセールスコピーに関する複数の書籍を著し、そのどれもがAmazonで星4以上の評価(2023年1月27日現在)。セールスコピーを教えるオンラインサロンも運営し、大好評を得ています。
本書ではまず、セールスコピーにおける、文章よりも大事な前提を明らかにしています。顧客がお金を払う本当の理由や買ってくれる3タイプなど、土台となる考え方が身につくでしょう。そのうえで、初心者でも4ステップでキャッチコピーを作る方法や目的別の43の表現法など、具体的なテクニックを学べます。
ポチらせる文章術
『ポチらせる文章術』も、先述の大橋一慶さんの著書です。本書では販売サイトやネット広告、ブログやSNSなど、あらゆる媒体に有効な「見て、共感して、買ってもらうための文章術」を教えてくれます。
本書で学べるのは、たった数行で読み手の心をつかむ技術。これはセールライティングにはもちろん、SNSやメールマガジンにも活かせる技術です。この技術を身につけることで、ライターとしてのSNSアカウントを育て、営業活動に役立てることもできるでしょう。
売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2000
『売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2000』は、素人を稼ぐ達人に変える667語と2,000のフレーズを紹介する、コピーライティングの辞書のような1冊です。
コピーライティングの技術や使えるフレーズを、「問題提起」「読み手への寄り添い・共感」「解決策の提示」などの目的・シーン別に紹介しています。どんなときに、どんな文章を書けばいいのかがすぐにわかるので、コピーライティングの仕事をするときは常に開けるようにしておきましょう。
10倍売れるWebコピーライティング ーコンバージョン率平均4.92%を稼ぐランディングページの作り方
『10倍売れるWebコピーライティング ーコンバージョン率平均4.92%を稼ぐランディングページの作り方』は、SEO・Webライティングの超有名メディア「バズ部」による本です。
本書で公開された原理原則は、バズ部のメディアで効果実証済み。学んだことをすぐに実践できるワークシート付きの、再現性の高い実用書です。
Webでのセールスコピーの基礎を身につけたうえで、リサーチのやり方とライティングの実践を学べるため、初心者でも活用しやすいでしょう。
セールスライティング・ハンドブック 増補改訂版[新訳] 広告・DMからWebコンテンツまで、「売れる」コピーのすべて
『セールスライティング・ハンドブック 増補改訂版[新訳] 広告・DMからWebコンテンツまで、「売れる」コピーのすべて』は、コピーライティングの基本を、実例付きで徹底的に教えてくれる本です。
基本を学べる本といっても、初心者向きではありません。「基本しか学べない」のではなく、「恐ろしい勢いで増えている、マーケティングに関するルールや制約(つまり基本)を徹底して網羅している」からです。
本書ではコピーライティングの具体的な作り方を、Webや印刷物、テレビCMなどの媒体別に解説しています。初心者にとっては慣れない仕事に取り掛かるための手引きとして、中級者や上級者にとっては「知ってはいるけど使ってはいないテクニック」を思い出すための覚書として役立つでしょう。
面白く読めて、ライティングにも利く作家3選
先述したように、小説やエッセイはライティング力を高めるのに役立ちます。読みやすく面白く、ライティングの仕事にも応用しやすい文章を書く作家を3人紹介します。
山本文緒
山本文緒さんの文章は、読者を物語の中に引きずり込みます。それでいて、注意深く観察すると、とても端的です。
私達はささやかにつましく暮らしていこう、という点で意見が一致していた。身繕いを清潔にして、本にはお金を惜しまない。けれどそれ以上の贅沢はくだらないと常々夫は口にしていた、給料日にだけ奮発して食べる寿司か焼肉。もちろん上等なものではなかったけれど嬉しかった。幸せだったことは本当だ。けれど今になって思うと、贅沢がくだらないのではなく、ただ私達がそれ以上のお金を持っていないだけのことだった。誰だって本当はファーストクラスに乗ってみたい。けれど乗れないから「馬鹿らしい」と言ってしまう。私もそうだったし、夫もそうだったのだと思う。
引用:山本文緒 恋愛中毒(1998年) 角川書店
端的に、余計な言葉を入れずに畳み掛けるように書かれた文章でありながら、主人公の「嬉しかった」「幸せだったことは本当だ」という気持ちがすんなりと入ってきます。
山本文緒さんの文章はひとつのことを、ひとつの文章で語っていることが多く、彼女の文章はWeb記事で大切といわれる「一文一義」と通じるところがあります。特にWeb系のライティングには応用しやすいでしょう。
山本文緒さんの世界観や、彼女の多くの作品に通じるテーマ「再生」を楽しみたいなら『眠れるラプンツェル』がおすすめです。
ただ、多少ドロドロした作品であり、人によっては受け付けづらいかもしれません。抵抗のある人には、ミステリー要素もあって読みやすい『ブルーもしくはブルー』がおすすめです。
村上春樹
村上春樹さんの文章には、とにかくリズムがあります。リズムは、文章をスラスラと読み進めるために欠かせないものです。彼自身も、文章のリズムについて次のように語っています。
もしその文章にリズムがあれば、人はそれを詠み続けるでしょう。でももしリズムがなければ、そうはいかないでしょう。二、三ページ読んだところで飽きてしまいますよ。リズムというのはすごく大切なのです。
引用:村上春樹 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(2012年) 文春文庫
この文章は、村上春樹さんのインタビュー集から引用したものです。彼の小説を読み、そのリズム感をつかみたいなら、「ダンス・ダンス・ダンス」がおすすめです。ちょうど、フリーライターを主人公とした物語で読みやすいでしょう。
林真理子
林真理子さんはエッセイの大御所として知られています。雑誌に掲載された短いものから、1冊の本になった長編まで、サラッと面白く読めるのが彼女の魅力でしょう。
が、私が観察したところ、デキやすい女、つまり噂話の主人公になりやすい女というのは物静かな人が多い。神秘的という言葉は古めかしいが、自分の私生活をあまり明かさないものだ。特に男性関係に関しては、ものすごく慎重である。
「すっごくモテるんですって」
と水を向けても、
「ふ、ふ、ふ……」
と笑うだけである。私はこの”ふ、ふ、ふ”がデキる女の鍵を握っているのではないかと思う。
引用:林真理子 美女入門(1999年) マガジンハウス
鍵括弧の使い方が美しく、文章全体にうまくアクセントをつけています。「エッセイや小説じゃないんだし、鍵括弧なんてあまり使わない」と思うかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
コンテンツSEOでは強調したい部分や、読者の気持ちを代弁する部分で。取材記事なら語り手の熱がこもった部分で、鍵括弧は活躍するでしょう。紙媒体だけでなく、離脱されやすいWeb媒体でこそ、鍵括弧により緩急をつけることが役立つこともあります。
たくさん本を読んで、自分なりに書いてみることで、ライティング力は高まっていく
- ライティング力を高めるには、たくさん読んで、たくさん書くのがいちばん
- 記事の中で実践してこそ、学んだことが自分の血肉になる
- 小説やエッセイを含め、さまざまなジャンルの本を読もう
ライティング力を高めるために必要なのは、書くことと読むことです。本を読み、そこで得た気づきを記事を書くときに実践してみることで、ライティング力は少しずつ高まっていきます。
これからライティングを始める人や、ライターとして伸び悩んでいる人には、初心者向けの本がおすすめです。ライターとしての方向性が定まってきたら、SEOやコピーライティングなど、専門性の高い本が役立ちます。
文章術全般について書かれた本、SEOやキャッチコピーなどの専門領域を学べる本、小説やエッセイなど、ジャンルを問わず幅広く読むことで、ライターとしての視野は広がっていくでしょう。
本記事で紹介した中で、気になる書籍があった人は、ぜひ一読してみてください。
【関連記事】
デザイン本19選をレベル・目的別に紹介!デザインを効率的に学ぶ方法、本の選び方も解説
本は読者の知識レベルや目的を踏まえ、その読者に必要な情報が体系的にまとめられています。特にデザイン本は実際のデザイン例や図解も多く掲載しており、このような良書を選ぶことで、初心者でも無理なくデザ...
大学生のうちに読んでおきたい人生を豊かにする24冊の本
大学生のうちに読んでおきたい人生を豊かにする24冊の本 本を読むメリットは知識が増えることだけではありません。本を読むことで今までとは価値観や考え方、興味の幅が広がり、人格にまで影...
高校生のうちに読んでおきたい本36冊をジャンル別に紹介【ライフハック・教養・哲学・小説】
高校生のうちに読んでおきたい本36冊をジャンル別に紹介【ライフハック・教養・哲学・小説】 大人と子どもの境目にいる高校生。多くの人が大人になってから気がつくことですが、高校生はとて...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう