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クッション言葉とは?シーン別一覧と使い方、注意点をまとめて解説

U-NOTE編集部

2022/12/20(最終更新日:2022/12/26)


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クッション言葉とは、「恐れ入りますが」「ご期待に添えず申し訳ありませんが」といった前置きのことです。本題を伝える前にクッション言葉を添えることで、相手に与える印象が変わってきます。

本記事ではクッション言葉とは何か、どんなときに使えるのかを解説します。シーン別のクッション言葉一覧や、使うときの注意点も紹介するので、今日から会話に取り入れてみましょう。

本記事の内容をざっくり説明
  • クッション言葉とは何か?
  • シーン別、クッション言葉の一覧と使い方
  • クッション言葉を使うときの注意点

 

クッション言葉とは?

クッション言葉とは、本題を伝える前の前置きになる言葉のこと。クッション言葉を添えることで、相手の受ける印象が柔らかくなるため、ビジネス枕詞とも呼ばれます。

 

クッション言葉が役立つシーン

クッション言葉は本題をそのまま伝えることできつい印象になってしまう、自分の依頼や意見が受け入れられにくくなりそうといったときに役立ちます。具体的には、次のようなシーンでクッション言葉を使います。

 

  • 相手の依頼を断るとき
  • 何かを尋ねるとき
  • 仕事や作業を依頼するとき
  • 相手の意見に反論するとき

 

断るときのクッション言葉一覧と使い方

仕事や作業を頼まれたとき、リソースやスキルが足りず、断らざるを得ないときもあります。ただ、断ることで今後の関係がならないか不安になるのは当たり前ですし、人の頼みを断るのが苦手で無理をしてしまう人も多いです。

こんなとき、クッション言葉を添えることで、むげに断っているわけではないことを伝えられます。無理をして「できます」と言い、結局できなかったということになれば、信頼が損なわれてしまいます。それよりも、クッション言葉と理由を添えて断った方が、誠実な印象を与えられるでしょう。

相手の依頼を断るときの基本の流れは、「クッション言葉→断る理由(必要に応じて)→クッション言葉」です。

まずは「申し訳ありませんが」「せっかくのご厚意ですが」といったクッション言葉を添えてから、必要に応じて「今はリソース不足で、期日どおりに完遂する自信がなく…」といった理由を伝えます。

最後に、「また機会がございましたら、お声掛けいただけると幸いです」のような、「結びのクッション言葉」で締めくくれるとスマートです。

【最初に伝えるクッション言葉一例】

  • 残念ですが
  • 申し上げにくいのですが
  • せっかくのご厚意ですが
  • お声掛けいただけて嬉しいのですが
  • ご期待に添えず申し訳ありませんが

【断る理由一例】

  • その日は予定が入っており
  • 費用面で折り合いがつかず
  • 今月はリソースが足りておらず


【結びのクッション言葉一例】

  • また機会がございましたら
  • またお声掛けいただけると幸いです
  • 〇日以降でしたら予定が空いておりますので
  • 〇月以降でしたらリソースに余裕がありますので

 

尋ねるときのクッション言葉一覧と使い方

相手に何かを尋ねたいときや、自分の意見を伝えたいときなどにも、クッション言葉が役立ちます。クッション言葉を添えることで、「そんなことも知らないのか」「そんなことを言うなんて厚かましい」といった悪印象を与えづらくなるでしょう。

相手に尋ねたり申し出たりするときに大切なのが、相手に断る余地を残すのか、確実に答えてもらいたいのかです。断られたくないとき、確実に答えてもらいたいときは、「念のため」「恐縮ですが」などのクッション言葉を使いましょう。

【断る余地を残すときのクッション言葉一例】

  • もしよろしければ
  • 差し支えなければ
  • ご迷惑でなければ
  • 立ち入ったことをお尋ねしますが
  • お手すきであれば伺いたいのですが

【確実に答えてもらいたいときのクッション言葉一例】

  • 念のため
  • 恐縮ですが
  • 失礼ですが
  • 恐れ入りますが

 

依頼するときのクッション言葉一覧と使い方

何かを依頼するときもクッション言葉が役立ちます。ここでは尋ねたり申し出たりするときと異なり、相手に断る余地を残す言い方はしません。しかし、相手を慮る気持ちを伝えることで、相手を不快にさせずに依頼ができます。

【依頼するときのクッション言葉一例】

  • もし可能であれば(断る余地を残す場合)
  • お忙しい中…(ほかのクッション言葉と組み合わせて使う)
  • 恐れ入りますが
  • 申し訳ございませんが
  • ご迷惑とは存じますが
  • ご面倒をおかけしますが
  • お手数をおかけいたしますが
  • ご足労をおかけいたしますが
  • こちらの都合で恐れ入りますが

 

反論するときのクッション言葉一覧と使い方

ビジネスシーンでは、相手の意見に反論しなければならないこともあります。相手が社外の人や上司だと反論しづらいでしょうし、部下や同僚が相手でも、気まずくならないか不安です。

クッション言葉を添えることで、こちらの気遣いや申し訳なく思う気持ちを伝えられますし、相手は反論を聞く準備ができます。心の準備をしてもらうことで、こちらの意見を聞き入れてもらいやすくなるかもしれません。

【反論するときのクッション言葉一例】

  • 大変失礼ですが
  • 差し出がましいようですが
  • 失礼を承知で申し上げますが
  • 出過ぎたことを申し上げますが
  • 私の考えすぎかもしれませんが

 

指摘するときのクッション言葉一覧と使い方

社内の相手か社外の相手かにかかわらず、指摘をするときは、相手の気持ちを考えなければなりません。

最近はオープンイノベーションに取り組む企業や、フリーランスに外注をする企業が増えました。コンプライアンスの重要性が高まったこと、終身雇用が崩壊し転職することが当たり前になったこともあり、社内のコミュニケーションにも気を使うようになりました。

現代のビジネスシーンでは、「指摘するときのクッション言葉」も使いこなせなければなりません。

クッション言葉を添え、相手の気持ちを考えながら指摘をすれば、相手もそう悪い気はしないでしょう。お互いに思いやりながら仕事ができれば、モチベーションやチームへの帰属意識が高まり、より良い仕事ができるようになるはずです。

【指摘するときのクッション言葉一例】

  • 余計なこととは存じますが
  • 誠に申し上げにくいのですが
  • こちらの都合で恐れ入りますが
  • 細かい指摘で申し訳ないのですが
  • 私の説明不足だったため恐縮ですが

 

クッション言葉を使うときの注意点

クッション言葉を使うときは、多用を避けること、言葉選びに気をつけることを意識しましょう。

クッション言葉を使いすぎるとかえって印象が悪くなることもあります。クッション言葉には「相手に断る余地を残すもの」も多く、断られたくないときは、どの言葉を使うのかをよく考えなければなりません。

 

多用は避ける

クッション言葉を添えることは大切ですが、多用は避けましょう。クッション言葉を何度も入れるとわざとらしく聞こえてしまったり、本題が伝わりづらくなってしまったりすることもあります。

対面や電話などの「後から確認できないやりとり」でクッション言葉を使いすぎると、何が本題なのかわからなくなりやすいです。メールやチャットなどのテキストのやりとりは後から確認できますが、文章が長くなると、それを読む相手の時間を奪ってしまいます。

 

断られたくないときは、言葉選びに要注意

断られたくないことを依頼するときや、確実に答えてもらいたいことを尋ねるときは、どのクッション言葉を添えるかに気をつけましょう。

「もし可能であれば」「差し支えなければ」のようなクッション言葉には、相手に「断ってもいいんだ」「答えなくてもいいんだ」といった印象を与えてしまいます。

断られたくないとき、確実に答えてもらいたいときは、「恐れ入りますが」「お手数をおかけいたしますが」などのクッション言葉を使いましょう。

 

クッション言葉を使いこなして、円滑なコミュニケーションを

本記事のまとめ
  • クッション言葉を添えることで、相手の受ける印象がやわらかくなる
  • 社会の変化により、クッション言葉を使う機会は増えた
  • クッション言葉は選び方に気をつけ、多用を避けよう

「お忙しい中恐縮ですが」「せっかくのご厚意ですが」といったクッション言葉を添えることで、相手を思いやる気持ちが伝わります。コンプライアンスの重要性が高まり、社外との協働も増えた現代では、クッション言葉を使う機会が増えました。

ただ、クッション言葉を使いすぎると、かえってわざとらしい印象になってしまいます。多用を避けること、相手に断る余地を残すのかどうかで使う言葉を変えることを意識しましょう。
 

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