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VRIO分析とは?4つの要素を分析するフレームワークのやり方や、事例を紹介

U-NOTE編集部

2022/12/12(最終更新日:2022/12/26)


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経営戦略を立てる際に活用できるフレームワーク「VRIO分析」。経営資源を4つの項目で評価し、現状の自社の強みと弱み、そして競合優位性を把握することができます。

そんな「VRIO分析」について解説。フレームワークのやり方や、同じく経営戦略を立てる際に使われる「SWOT分析」との違いや使い分けをご紹介します。自社の安定かつ長期的な成長を実現するには、「VRIO分析」による経営戦略が非常に重要なポイントとなってきます。

本記事のまとめ
  • 分析における4つの要素とは 1
  • 分析のメリットとデメリットを理解しよう
  • 分析のやり方を解説

 

VRIO分析とは

「VRIO分析」とは、自社の経営資源を客観的に評価するフレームワークのことです。自社の特徴や課題を洗い出せるため、経営戦略を立てる際に有効です。

「VRIO分析」を考案したのは、アメリカにあるユタ大学で教鞭を取ったこともある戦略理論家のジェイ・B・バーニー氏。経営資源を「Value」「Rareness」「Imitability」「Organization」の4つに分類して評価することから、頭文字を取って「VRIO分析」と呼ばれています。

 

Value:経済的な価値

「Value」は、企業の経済的な価値を評価する軸です。金銭に還元できる価値だけでなく、市場に対して生み出すことのできる付加価値の可能性なども考慮して、YESもしくはNOで評価します。

加えて、外部からの影響があったり、危機に直面したりした際にそのリスクを避けることができるかどうかや、ピンチをチャンスに変えられるかという観点でも評価します。

もしValueがないと判断できるのであれば、他社と比較して競争力が弱いといえるでしょう。

 

Rareness:希少性

「Rareness」は、希少性を評価する軸です。独自性と言い換えるとわかりやすいかもしれません。他社と類似したビジネスになっていないか、業界における希少性を有しているかなど考えて、YESもしくはNOで評価します。

もし希少性が薄い商品やサービスを展開しているのであれば、他社との競争は均衡状態にあるといえるでしょう。

 

Imitability:模倣可能性

「Imitability」は、模倣可能性を評価する軸です。他社が自社のビジネスを模倣しようとする場合のコストやリソースがどれくらい必要かを考え、類似商品を展開できる可能性があるかどうかを判断します。

特許技術や最新技術を用いていたり、資金や時間の面で多大なコストがかかってしまったりするのであれば、模倣可能性は低いといえます。競合他社に対して、一時的もしくは長期的な優位性を確保できているかどうかを判断可能です。

 

Organization:組織

「Organization」は、組織体制を評価する軸です。潤沢な経営資源が合っても、組織や業務フローが整っていなければ、それを活かすことはできません。

確立された業務体制や企業文化の醸成、意思決定のスピードや柔軟性などが分析項目です。「Organization」がYESであれば、自社の経営資源を最大限活用できているといえます。

 

VRIO分析とSWOT分析の違い

「VRIO分析」と同じく、「SWOT分析」も経営戦略を立てる際に使われるフレームワークのひとつです。「Strength」「Weakness」「Opportunity」「Threat」の4つの要素を分析するため、頭文字を取って「SWOT分析」と呼ばれています。

「VRIO分析」が自社を中心に経営資源を分析するのに対して、「SWOT分析」はよりマクロな視点で分析を行うのが大きな違いです。

強み・弱みという内部環境と、機会・脅威という自社を取り巻く外部環境におけるプラス要素とマイナス要素を洗い出して、自社の現状を把握。既存事業の改善点や将来的な事業リスクを確認できるのが「SWOT分析」です。

自社の経営資源が競合に対して優位であるかを把握したい場合は「VRIO分析」、目標に対する自社の経営資源の最適化を図る場合には「SWOT分析」と使い分けましょう。

 

VRIO分析を行うメリット

VRIO分析を行うメリットとしては、自社の強みと弱みや競合優位性を把握できることがあげられます。

ビジネスを成長させるうえで、得意な部分を把握してさらに強化していくことは非常に大切。限られたリソースをどの分野に投入すれば良いかを適切に判断できるため、無駄な労力をさかずに業績の向上を狙えます。

競合優位性を把握する要素は、希少性を評価する「Rareness」」と模倣可能性を評価する「Imitability」の2つ。この要素がYESであれば自社の強みと考えられますし、NOであれば弱みと捉えられます。

 

VRIO分析のデメリット・注意点

一方、VRIO分析にはデメリットや注意点もあります。ひとつは、時間がかかってしまうことです。企業には、資金・人・システムなどさまざまな経営資源が存在します。規模が大きい企業であるほど、全体把握に必要な情報収集に時間がかかってしまいます。

加えて、競合のことを把握しなければならないのも注意点。VRIO分析は、自社の経営資源を掘り下げて分析を行うフレームワークです。競合他社との優位性を比較するには、他社が公に公開している情報を収集しなくてはなりません。

外部からの推測による優位性の比較になるので、正確に分析することはできないと覚えておきましょう。

 

VRIO分析のやり方

VRIO分析は、今後の経営戦略を立てる際に有効なフレームワークです。分析して明らかになった競合優位性を元に、事業の方向性を策定するまでがVRIO分析。やり方の説明を参考に、実際にVRIO分析を実行してみてください。

 

STEP1.目的・ゴールを明確にする

まずは、目的とゴールを明確にします。自社の強みと弱みを把握したうえで、その得意分野と苦手分野をどう生かしたいのかを考えます。

例えば、中長期経営計画を立てる、強化すべき資源の把握と今後の方向性の検討を行うなどが考えられます。VRIO分析はチームを組んで行うことが多いので、目的とゴールを決めておくことで分析の結果を出しやすくなる効果も期待できます。

 

STEP2.経営資源を棚卸しする

目的とゴールを明確にしたら、経営資源を棚卸しします。経営資源の棚卸しには、バリューチェーンというフレームワークを用います。

バリューチェーンとは、企業活動における付加価値を把握・分析するためのフレームワークのこと。日本語で「価値連鎖」と訳され、商品企画から商品購入までの各レイヤーで、どのような自社の提供付加価値が生まれているかを掘り下げて考えます。

レイヤーはより細かく設定することもできますし、大まかなレイヤーから分析することもできます。目的やゴールにあわせてレイヤーの粒度を決めましょう。それが決まったら、あとは各レイヤーごとに人・物・資金・情報の4つの切り口で経営資源を棚卸ししていきます。

 

STEP3.経営資源を評価していく

経営資源の棚卸しが終わったら、各資源の評価をします。VRIO分析の4つの項目と照らし合わせて、YES・NOで評価していきましょう。

経営資源は、バリューチェーン・レイヤー・分類(人・物・資金・情報)でひとつずつわけ、それに対してVRIOの問いにYESとNOのどちらで回答できるかをチェックしていくとわかりやすいでしょう。

 

STEP4.経営戦略を立てる

最後に、VRIO分析の結果を元に経営戦略を立てます。強みを元に強化していきたい分野を決定したり、弱みは改善する余地や価値があるのかなどを決めたりします。

 

VRIO分析を使って経営資源を把握しよう

本記事のまとめ
  • 分析とSWOT分析を組み合わせると、より経営戦略を立てやすい
  • 分析のメリットは、自社の強みと弱みを把握できること
  • 分析して終わらず、ビジネスの今後の方向性を決めるまでが大切 3

一口に経営資源といっても、企業には人・物・資金・情報とさまざまな経営資源があります。経営資源を把握し、中長期経営戦略を立てたり、リソースを投入する分野を決めたりするには、VRIO分析というフレームワークが非常に便利です。4つの項目を元に客観的な評価を行い、適切な経営資源の把握を行いましょう。

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