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誤用されやすい「役不足」の本来の意味とは?言い換え・反対の言葉も紹介

U-NOTE編集部

2022/12/07(最終更新日:2022/12/26)


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「役不足」は、数ある言葉のなかでも誤用されやすい単語のひとつ。年齢や性別を問わず、誤った意味で使っている方が多くいます。突然、問われた場合に正しい意味を答えられるでしょうか。

そんな「役不足」の本来の意味について解説。シーンに合わせて使い分けたい便利な類語表現や、反対の意味を持つ言葉もご紹介します。対義語とあわせて覚えておくことで、誤用のリスクを減らせます。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「役不足」はいまだに誤用されやすい
  • 本来の意味と正しい表現方法を知っておこう
  • 「役不足」の対義語も覚えておくことで誤用を避けられる

 

「役不足」は間違った・誤用されて使われやすい言葉

「役不足」は非常に誤用されやすい言葉です。文化庁が公開している平成18年度の「国語に関する世論調査」では、回答した方の約5割が「役不足」を「本人の力量に対して役目が重すぎること」と間違った意味で覚えていることがわかりました。

平成14年度の調査では約6割だったことから少しずつ本当の意味の認知が拡大してはいるものの、依然として「役不足」を間違った意味で覚えている方は多くいます。

参考:文化庁「役不足」とは,何が足らないのか?

 

役不足の本来の意味とは

「役不足」の本来の意味は、「本人の力量に対して役目が軽すぎること」です。また、俳優が割り当てられた役に対して不満を抱くときにも「役不足」という言葉が使われます。

ただし、日常や特にビジネスシーンでは、「本人の力量に対して役目が重すぎること」の意味で使われることがほとんどです。

意味を正しく覚えていないと、相手に対してその役目は自分にとって不足しているといった意味で伝わりかねません。人間関係に影響を与える可能性もあるため、正しい意味をきちんと把握しておきましょう。

参考:放送文化研究所「役不足」

 

役不足の正しい表現方法

「役不足」の正しい意味を知っていれば、使うのは非常に簡単です。ビジネスシーンで役不足を活用する際の表現方法をいくつかご紹介します。

役不足の正しい表現方法
・彼(彼女)の実績や経歴からいうと、この役割は役不足です。
・彼(彼女)には、部長という役職は役不足です。
・今回のプロジェクトでの役割は役不足だと本人から聞いています。
・この仕事はあなたにとって役不足かもしれませんが、ぜひ力を貸してください。
・その仕事内容はわたしにとって役不足であるため、今回は辞退させていただきます。

例文はどれも、「実力や能力に対して与えられた役割が軽い」という意味の表現になっています。上記のような例文を覚えておくことで、役不足の誤用を避けることができます。積極的に活用することで、正しい使い方を身に着けることが可能です。

 

役不足の言い換え・類語表現

「役不足」という言葉は、ほかにもさまざまな単語で言い換えが可能です。シーンや相手によって、使い分けられるようになっておくと非常に便利。ビジネスパーソンとして知っておきたい、役不足の類語表現を3種類ご紹介します。

 

不満足

役不足には、役者が与えられた役に対して不満を抱くという意味があります。そのため、「不満足」も役不足の類語表現として使用可能です。

例えば、「その待遇では不満足です」や「その役割では不満足です」など、納得できないことを示すようなシーンで使えます。

ただし、不満足はかなり直接的な表現です。使う相手によっては角が立つこともあります。比較的本音が言いやすい相手と、砕けた話をするシーンにのみ使うように心掛けましょう。

 

不十分

「不十分」には、「不足している」や「満足できない」という意味があります。不満足とも意味が近く、役不足の言い換えとして活用可能です。

例えば、役不足と同様に与えられた役割が自分の実力よりも軽い場合に、「その役割ではわたしの力を発揮できないため、不十分だと思います」と、役割と実力が見合っていないことを伝えたいシーンで使えます。

不満足よりもやや柔らかい表現になるため、役不足と同様に比較的ビジネスシーンで使いやすい言葉です。

 

物足りない

より強い意味合いで使われるのが「物足りない」という表現です。実力に対して役割が軽いことや、提示された条件と実力が見合っていないことをダイレクトに伝える場合に便利です。

ただし、不満足や不十分、そして役不足と比べて非常に強い言い方になってしまいやすい点には注意が必要です。シーンや相手に気をつけて使いましょう。

 

役不足の反対の意味・対義語

自分の実力に対して役割が軽いことを意味する「役不足」には、反対の意味を持つ対義語が存在します。いくつかある言い回しのなかから、ビジネスシーンで使いやすい3種類をご紹介。役不足の誤用を防ぐためにも、対義語とその意味も知っておきましょう。

 

力不足

「力不足」は、役不足の反対の意味を持つ言葉です。多くの方が役不足という言葉を誤用する際にイメージしている「自分にとってその役目は大役である」は本来、「力不足」の正しい意味です。

もっとも誤用しやすい単語なので、役不足の正しい意味と共に覚えておきましょう。

 

実力不足

「実力不足」は、言葉の通り「その役目に対して自分の実力が不足している」という意味があります。力不足と同じ意味で使われている言葉です。

例えば、ひとつのプロジェクトが終わったあと、自分の至らなかった点を指して「実力不足を痛感しました」という形で使われます。

意味がダイレクトに伝わりやすい言葉です。シーンに応じて、力不足と実力不足を使い分けましょう。

 

荷が重い

実力に対して、業務の責任や負担が重い場合「荷が重い」という表現が使われます。

例えば、重要かつ責任のある役割を任された場合に、その役割に付随する責任を負いきれないと感じたとき「この仕事はわたしにとって荷が重いです」と表現されます。

役不足や実力不足と比べて、やや遠回しに自分にはその役割を担えないことを伝えられます。

 

役不足を使うときには本来の意味で使われているか確認しよう

本記事のまとめ
  • 「役不足」は、誤用されやすい言葉のひとつ
  • 本来の意味は「実力に対して役割が軽い」こと
  • 「役不足」は類語表現でシーンによって使い分けられる

「役不足」は非常に誤用されやすい言葉です。本来の意味は、「実力に対して与えられた役割が軽い」こと。自分の実力より役割や責任が重いことを示しているわけではないので、その点は注意しましょう。不安な場合は今一度意味を確認し、誤用にならないよう注意して、本来の意味で使うことを意識してみてください。

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