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アジリティとは?企業の特徴や、向上させるメリット、7つのポイントを解説

U-NOTE編集部

2022/11/23(最終更新日:2022/11/23)


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不測の事態が起きた際、素早くかつ的確な意思決定ができることを指す「アジリティ」。「VUCA」と呼ばれる、ビジネスを取り巻く変化のスピードが高い時代では、このアジリティを高めることが、企業の存続を左右します。

本記事ではそんな「アジリティ」について解説。クイックネスとの違いや、アジリティの高い企業の特徴、アジリティが高い組織を作ることのメリットなどもご紹介します。

最後には、アジリティを向上させるための7つのポイントも解説しているので、参考にしてみてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • アジリティとクイックネスは使われ方が異なる
  • アジリティが高い企業に見られる4つの特徴
  • 企業のアジリティを高める7つのポイントを解説

 

アジリティとは

「アジリティ」とは、敏捷性や素早さなどの意味を持つ単語のことです。ビジネスシーンにおいては、組織経営における機敏性のことを指します。

意思決定のスピードが早いことや、環境変化に対応した柔軟な働き方の導入などが行われている組織は、アジリティが高いといえます。

 

ビジネスの推進にアジリティが重視されている背景

ビジネスの推進にアジリティが重視されている背景には、企業を取り巻く変化のスピードが増していることが関係しています。

元々、経営やビジネスはスピード感をもって取り組むことが大切ですが、現代は不確実性の時代に入っており、このような状況を「VUCA」の時代と呼んでいます。

「VUCA」は、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った略語。予測不能な出来事が次々と起こるようになっているため、安定して見える企業でも逐一それに対応しなければ存続の危機に陥りかねません。

企業が「VUCA」の時代を生き抜くには、適切かつ素早く対応するアジリティの高さが重要。言い換えれば、アジリティを高めることができなければ、企業は現代を勝ち抜くことはできません。

 

アジリティとクイックネスの違い

アジリティと類する言葉に「クイックネス」という単語があります。アジリティと意味が似ているので混同されがちですが、使われ方が異なるのでその違いを知っておきましょう。

アジリティは「敏捷性」や「素早さ」を意味しますが、ただ早さを示す場合には使われません。適切なものを素早く選択し、迅速に行動にうつすことに対してアジリティという言葉が使われます。対応力や柔軟性の高さそのものを指すのがアジリティです。

一方、クイックネスは「素早く動く能力」という意味合いで使われます。ただスピーディに業務をこなすだけではクイックネスで、そこに的確性や柔軟性が加わるとアジリティとなります。

 

企業のアジリティが高いことのメリット

企業のアジリティが高いと、業務遂行のスピードが向上したり、従業員一人ひとりのリーダーシップが鍛えられたりなどのメリットが得られます。

また、アジリティは的確で素早い対応のことを指すことから、ただ業務のスピードがアップするだけでなく、業務の品質自体の向上も期待できます。これらのことから、アジリティが高いことが企業価値の向上にも繋がるといえるでしょう。

 

アジリティの高い企業の特徴

時代にあわせた企業の成長機会を逃さずに捉え実行にうつすには、企業のアジリティを高める必要があります。アジリティの高い企業の特徴を把握して、自社で施策を行う際の参考にしてみてください。

アジリティの高い企業の特徴
  • ビジョンが明確であり、社員に共有されている
  • 情報やノウハウを収集し、展開している
  • 主体的に取り組む従業員が多い
  • 柔軟な発想力と実行力がある

それぞれの詳細について解説します。

 

ビジョンが明確であり、社員に共有されている

企業としてのビジョン、ミッションやパーパス、行動指針が明確であり、それが社員に共有されている企業はアジリティが高い傾向にあります。

組織内で行動の指針となる判断基準が定まっていれば、何かトラブルが起きた場合でも従業員一人ひとりが判断を誤ることなくスピーディに行動することができます。

チームやプロジェクト内で判断のばらつきが起きにくいため、組織としての団結力を維持したまま課題や問題を乗り越えることが可能です。

 

情報やノウハウを収集し、展開している

アジリティの高い企業は、情報やノウハウを収集し、全社に展開しているのが特徴です。

不測の事態が起きた場合、次に何をするかという判断をするには、さまざまな情報が必要です。過去にあったトラブルのケースと対応方法、その後の状態などを全社に対して共有していれば、従業員はそうした過去の実例から今とるべき行動を導き出すことができます。

さまざまな情報をオープンにしておくことは、企業のアジリティを高めるうえで重要なポイントです。

 

主体的に取り組む従業員が多い

アジリティの高い企業では、主体的に取り組む従業員が多い傾向にあります。

不確実性の高い時代に対して企業が柔軟に変化していくためには、日常的な業務からイレギュラーな業務まで各従業員が決定力や指導力をもって行動することが大切です。

アジリティの高い企業にはリーダーシップがある従業員が多く、リーダーシップ文化が根付いています。主体性をもって動ける人材の育成に力を入れているので、よりアジリティの高い従業員が増えていきやすいのが特徴です。

 

柔軟な発想力と実行力がある

アジリティの高い企業は、柔軟な発想力と実行力を備えています。

変化の激しいVUCA時代では、流れを的確に読み取り柔軟に対応することが大切です。旧態依然の考え方で判断していては、時代に取り残されてしまい、企業としての成長機会を逃しかねません。

時代の流れをどのように自社に取り入れ、どれくらいのスピード感で実行していくのか。そうした動きができる企業は、アジリティが高いといえるでしょう。

 

企業のアジリティを高める7つのポイント

自社内でアジリティの考え方を浸透させるには、業務プロセスの見直しから個人のスキル向上のための施策まで、さまざまな対応をする必要があります。これからアジリティを高めていきたいと考えている企業にとって参考となる、7つのポイントをご紹介します。

企業のアジリティを高める7つのポイント

  • ポイント1.アジリティの重要性を啓蒙する
  • ポイント2.経営理念・ビジョン・情報を社内に浸透させる
  • ポイント3.現場に裁量権を与える
  • ポイント4.ITツールやコミュニケーションツールを活用する
  • ポイント5.現状の業務プロセスを見直す
  • ポイント6.従業員がスキルアップできる環境を整える
  • ポイント7.長期的に取り組む必要があることを理解して開始する

 

ポイント1.アジリティの重要性を啓蒙する

企業のアジリティを高める1つ目のポイントは、アジリティの重要性を啓蒙することです。

従業員一人ひとりがアジリティの重要性を理解しなければ、自主的な行動や的確な意思決定はできません。ただ方向性として定めるだけでは不十分で、なぜアジリティの高い企業を目指す必要があるのか、背景ごと理解してもらうよう努めましょう。

有効なのは、企業の安定した成長には時代の変化に対応できる柔軟性を持つのが大切だとわかってもらうこと。一人ひとりが定期的に自身の行動を振り返る機会を設けて、常にアジリティを意識するような状況を作りましょう。

 

ポイント2.経営理念・ビジョン・情報を社内に浸透させる

企業のアジリティを高める2つ目のポイントは、経営理念・ビジョン・情報を社内に浸透させることです。

アジリティで重要なのは、敏捷性に加えて的確性があること。スピーディな意思決定ができても判断が誤っていれば、会社にとって不利益を招きかねません。

それを防ぐには、経営理念やビジョン、情報を社内にきちんと浸透させること。アジリティの重要性を啓蒙するタイミングで、改めて従業員に同じ価値観を共有しておきましょう。

 

ポイント3.現場に裁量権を与える

企業のアジリティを高める3つ目のポイントは、現場に裁量権を与えることです。

現場に裁量権がない場合、意思決定や業務スピードに遅れが生じてしまい、時代の変化についていけなくなる可能性があります。裁量権を与えられた従業員は、最適な対応を自身で考え、自主的に動くクセが身に付くため、自然とアジリティが高まります。

なお、現場に裁量権をもたせる場合は、失敗した場合のアフターフォローや失敗を責めない雰囲気づくりをすることも大切。行動にうつしやすく、例え失敗したとしてもモチベーションを保ちやすい環境だと、高いアジリティを維持できます。

 

ポイント4.ITツールやコミュニケーションツールを活用する

企業のアジリティを高める4つ目のポイントは、ITツールやコミュニケーションツールを活用することです。

意思決定のプロセスや業務遂行のスピードを高めるには、ITツールやコミュニケーションツールを使うのが便利。確認作業がスムーズになり、本来取り組むべきことに時間をかけられるようになります。

例えば、社内で使えるチャットシステムやデータの一元管理ツールの導入。メールのように形式を意識したテキストの作成が不要で、データも気軽にやりとりできるため、効率化が期待できます。

 

ポイント5.現状の業務プロセスを見直す

企業のアジリティを高める5つ目のポイントは、現状の業務プロセスを見直すことです。

アジリティの高い企業文化を作るうえで、昔からのルールを見直し、現状の業務プロセスを変更することは意識したいポイント。承認を紙で行っていたり、承認までのステップが多すぎたりする企業は少なくありません。

そうした業務プロセスをITに置き換えるだけでも、企業のアジリティは大きく向上します。

 

ポイント6.従業員がスキルアップできる環境を整える

企業のアジリティを高める6つ目のポイントは、従業員がスキルアップできる環境を整えることです。

アジリティは、これまでに培ったスキルと経験、知識をベースに問題を素早く解決する能力です。後天的に身につけるものなので、スキルアップすることで誰もがアジリティを高めることができます。

企業として従業員のアジリティ能力を向上させるなら、スキルアップできる環境を整えましょう。ノウハウは全社で共有するのがおすすめです。

 

ポイント7.長期的に取り組む必要があることを理解して開始する

企業のアジリティを高める7つ目のポイントは、長期的に取り組む必要があることを理解して開始することです。

アジリティを高める取り組みは、短期間で結果が出るものではありません。長期的に取り組むことで徐々に効果が出るものであることを理解しましょう。

取り組みを継続し続け、企業文化としてアジリティを根付かせるためには、数年単位での計画を策定するのがおすすめです。

 

アジリティを高めるためにできることから始めよう

本記事のまとめ
  • 変化の早い時代を生き抜くために、企業はアジリティを高める必要がある
  • 情報にオープンで企業理念が根付いている企業はアジリティが高い
  • アジリティ文化の醸成と定着は年単位で計画する


企業価値を高めるためにも、アジリティを向上させることは重要です。

しかし、アジリティは短期間で実現できる概念ではありません。企業のシステムや体制が変わり、従業員一人ひとりの意識と行動が変わることで、やっと一歩前に進めます。長期的な視点で実現するものだと認識しましょう。

そのうえで、アジリティを高めるために、本記事を参考にできることから始めてみてはいかがでしょうか。


 


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