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コロナで急成長のオンライン英会話、対面回帰する??

U-NOTE編集部

2022/10/07(最終更新日:2022/10/07)


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松本佳恋氏

新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続いた中で普及した数々のオンライン教育サービス。その中でもオンライン英会話サービス各社はコロナ前後で多くのユーザー数を獲得した。

しかし約3年間に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大もついに落ち着き始め、徐々に海外旅行も解禁。そこで今回は、オンライン英会話サービスを提供するCambly(キャンブリー)のマーケティング活動に関わる松本佳恋氏に、コロナ後のオンライン英会話業界について、寄稿していただいた。

 

新型コロナウイルスで多くの業界が苦しんだ中、顕著に売上もユーザー数も伸ばしてきたオンライン英会話業界。海外旅行や留学に行くことができない中、おうち時間が増えたことにより、スキルアップや趣味の1つとしてオンライン英会話を始める人が急増したことが大きい。

例えば、日本のオンライン英会話業界で圧倒的業界首位を誇るDMM英会話はコロナの後押しもあり、2021年8月に無料登録会員を含めた累計会員数が100万人を突破したと発表。2019年3月から3年間で有料会員数は1.4倍になったそうだ。

同様にオンライン英会話業界で唯一の上場企業として注目を集めるレアジョブもコロナで外出自粛を求められた2020年4月から9月の売上高は前年同期比の29%増だったと発表した。

コロナの後押しを受けたのは日本企業だけではない。筆者がマーケターをしているアメリカ・シリコンバレー発のスタートアップでオンライン英会話サービスを提供するCambly(キャンブリー)もその恩恵を受けた。キャンブリーは2019年3月からの3年間で日本の有料会員数がなんと12.8倍に。キャンブリーはこれまでブラジル・トルコ・サウジアラビアを中心に市場を拡大してきており、日本のオンライン英会話サービスとしては後発だったが、コロナの恩恵も受け、ここ数年でどんどん存在感を高めている。

そんなオンライン英会話業界にとっては追い風だった期間も終わろうとしている。多くの国でマスク着用の義務を廃止や旅行者の規制緩和が進み、日本でも9月7日から帰国時の規制を緩和すると発表された。おうち時間が減り、留学や旅行に行くことも再び可能となった今、オンライン英会話サービスの需要低下が懸念されており、各社がそれに対する対策を進めている。

コロナ後のオンライン英会話はどうなる?

オンライン英会話サービスを運営するQQ Englishは海外旅行が現実的となったこの9月から海外留学エージェント「スマ留」と提携。渡航制限が解除されたことで留学へ再チャレンジを目指すリベンジ留学層をターゲットにフィリピンのセブ島で学生寮の運営を開始する。QQ Englishは元々フィリピンで英会話学校を経営していたが、コロナを機にオンライン英会話事業に注力していた。コロナが落ち着いてきたこのタイミングでフィリピンの英会話学校などのオフラインの事業にも再び注力をする方向性のようだ。

その一方で回数無制限の月額制でオンライン英会話サービスを提供するNative Campは9月から新しく、オーストラリア旅行をオンラインで楽しめる世界一周旅行教材を公開。オーストラリアの有名観光地やオーストラリア特有の文化や有名な食事などが学べる教材となっており、これで120カ国の世界一周旅行教材が公開されたこととなる。Native Campは引き続き、旅行を自粛する人々をターゲットに海外旅行体験がオンラインでできる教材を順次公開していく予定とのこと。

Camblyも今月から初級者向けのBasic English for Daily Lifeと中級者向けのBusiness English Communicationの新しいカリキュラムを追加した。また、ユーザーがよりそれぞれのスケジュールに合わせてレッスンを受講できるよう、レッスン時間の分割が可能になるシステムを導入。具体的には60分レッスン週1回プランを購入しているユーザーでも30分レッスンを週2回に分けて受講するなどのように隙間時間に合わせてレッスンを受けられるようになった。Camblyはこれまでもそれぞれの忙しさに合わせて、レッスン時間とレッスン日数を組み合わせて選べるレッスンプランを提供してきたが、さらに柔軟性のあるプランを提供することでさらなるユーザー獲得を目指していく方針だ。


コロナの今後に関わらず、オンライン英会話サービスを含むテクノロジーを使った教育業界、EdTechの市場規模は今後も伸びていくと予想されている。独立行政法人日本貿易復興機構(JETRO)は、2018年から2025年の間にEdTech世界市場規模は約2倍になると予測している。

とはいいつつも、このコロナ禍で「オンラインよりも対面」を好む人たちが出てきたことも事実だ。特にオンライン英会話においては、モチベーションの維持が対面レッスンよりも難しく、継続に課題を感じる人が多い点や、画面越しのレッスンでは先生と距離を感じ、信頼関係がうまく築けないことに不満を感じる人も多い。これらの不安や不満を解消していくことが、引き続きオンライン英会話サービスを伸ばしていくポイントにもなりそうだ。

オンライン英会話需要がコロナ後、なだらかになっていくことを見越し、海外旅行や留学を中心とした事業へ注力分野を変更する企業と、より多くのユーザーにオンライン英会話を継続して利用してもらうべくサービス向上を目指す企業。今後のコロナ終息の行方と共にオンライン英会話各社の動きに引き続き注目していきたい。

 

松本佳恋氏

 

著者プロフィール

松本佳恋
ライター/マーケター

アメリカ・ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校2017年卒。新卒で化学メーカーに勤務した後、英語塾キャタルのマーケティング/広報/PR業務に従事。2022年からはオンライン英会話Camblyのマーケターとして働く傍ら、ライター・スナックのチーママ・翻訳者・英会話講師など幅広く活動中。

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