「プロパー社員」という言葉を聞いたことがあっても、どのような契約形態を指すのかはっきりとした意味がわからない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、プロパー社員の意味や、プロパー社員以外の社員との違いなどを紹介。プロパー社員という言葉を使う際に注意するべき点も紹介しているので参考にしてください。
- プロパー社員とは?主要な3つの意味を紹介
- プロパー社員とプロパー社員以外の社員との違い
- 「プロパー社員」を使う際の3つの注意点
プロパー社員とは?主要な3つの意味を紹介
プロパー(proper)は「適切な」「本来の」という意味を持ち、プロパー社員は和製英語と日本語を結合させた造語です。
「プロパー社員」とは厳密な契約形態を指すのではなく、使っている人や企業によって意味が異なることも多いです。
以下では、プロパー社員を示している3つの意味を紹介します。
新卒入社の社員のこと
プロパー社員の1つ目の意味は「新卒入社の社員」です。
特に、中途入社の社員が多い企業では、中途社員と比較して新入社員のことを「プロパー社員」と呼ぶことがあります。
正社員(正規雇用)のこと
プロパー社員の2つ目の意味は「正社員(正規雇用)」です。
正社員とは、新卒や中途採用などを問わずに「正規雇用」として契約している人のことを言います。
特に、アルバイトやパート、派遣社員が多い企業の場合、非正規雇用社員と比較して「プロパー社員」と呼びます。
自社社員のこと
プロパー社員の3つ目の意味は「自社社員」です。
協力会社の外部スタッフが多いイベントや会議の場合、自社社員のことをプロパー社員と呼ぶこともあります。
このように、プロパー社員の意味は、状況や使い方で変わってくるので正確に意味を押さえて使用しましょう。
プロパー社員とプロパー社員以外の社員との違い
プロパー社員は、プロパー社員以外の社員と比較して使用されることが多いです。
プロパー社員という言葉を正しく使用するためにも、契約形態の意味や違いを押さえておきましょう。
プロパー社員と中途社員の違い
中途社員とは、4月に大学や大学院を卒業した後に入社する新卒と比べて、不特定のタイミングで入社してきた社員のことをいいます。
中途社員は経験スキルや実績がありますが、在籍年数に比例して給料や昇進が決まる企業では、プロパー社員のほうが優遇されることもあります。
プロパー社員と非正規雇用社員との違い
非正規雇用社員とは、厚生労働省によると以下のように定義されています。
非正規雇用労働者:勤め先での呼称が「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」である者。
非正規雇用の労働者は、パートタイム労働法などにより働く際はルールや契約が定められています。
非正規雇用者と正規雇用者間の待遇の違いが問題視されているので、正社員がプロパー社員という言葉を使うと、不快にさせてしまう可能性があることに注意しておきましょう。
「プロパー社員」を使う際の3つの注意点
すでに紹介したように、プロパー社員という言葉は人によって意味が異なるので、気軽に使用しているとコミュニケーションの齟齬につながる可能性があります。
以下では、「プロパー社員」という言葉を使用する際の3つの注意点についてご紹介します。
注意点1.意味が複数個あることを理解する
「プロパー社員」という言葉を使う際の1つ目の注意点は、意味が複数個あることを理解することです。
すでにご紹介したようにプロパー社員という言葉には、「新卒入社の社員」「正社員」「自社社員」という3つの意味があります。
何かと比較して使う場合はわかりやすいですが、単に「プロパー社員に依頼して」と伝えるのは避けておくほうが賢明です。
意味が複数個あり、相手に意味が伝わらない可能性があることを押さえておきましょう。
注意点2.相手と自分の認識が違う場合がある
「プロパー社員」という言葉を使う際の2つ目の注意点は、相手と自分の認識が違う場合があることです。
相手がプロパー社員という意味を正しく理解していない場合、例えば、ひとつの意味しか知らない場合、コミュニケーションはできていても指示の意図が伝わらないことがあります。
相手は意味をわかった気になっており、自分は伝えられた気になっている可能性があることを認識しておきましょう。
会社内で慣用的に使われている表現だとしても、ミスが生じないためにも「プロパー社員の〇〇さん」とわかりやすく指示することをおすすめします。
注意点3.プロパー社員ではない社員が不快な思いをする可能性がある
「プロパー社員」という言葉を使う際の3つ目の注意点は、プロパー社員ではない社員が不快な思いをする可能性があることです。
「proper(プロパー)」の反対語は「improper」です。日本語では「不適切な」「無作法な」などのネガティブな意味を持ちます。
誤解を招いてしまう可能性があるので、プロパー社員という言葉を使用する際は十二分に注意して使いましょう。
「プロパー社員」と言う場合は、相手との齟齬が起こらないように気をつけよう
- 「新卒入社の社員」「正社員」「自社社員」という3つの意味がある
- プロパー社員という名称を使う際は、相手と自分の認識があっていることを確かめる
- プロパー社員ではない側を不愉快にさせないように注意する
本記事では、プロパー社員という言葉の意味や、「プロパー社員」という言葉を使用する際の注意点をご紹介しました。
プロパー社員は複数の意味を持っているので、使用する際はわかりやすく相手に伝えるようにすることをおすすめします。
本記事を参考に、「プロパー社員」という言葉を正しく使って相手との齟齬が起こらないようにしてみてはいかがでしょうか。
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